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魚子

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2024年1月の記事一覧

悪夢について

 私が悪夢だと言っているものの映像は、知らない実在しない風景の中目的を持って移動するというものだ。現実もだけど、場所にはにおいが染みついていて、実際相応の歴史がある。例えば壁の汚れは模様ではなく、それに応じた経緯があったのだ。この「知らない街の夢」を見ると、朝起きたら自分の歴史が全く無くなった気分になる。その世界で生きてきたように演じられた疲労感が大きく、夢を見る前まで(現実では)何の風景、どこの

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不安魚子の生

不安魚子の生活は腐ってしまった。魚子はコップに水を注ぎ、そのいたく茶色いことにひとり怒っていた。魚子は18歳の人間で引きこもりがちである。その身分は大学生だが本人は気に入っていなかった。また満足に学校に通っていないため、身分の名はあってないようなものだった。不安魚子はこうして毎日何をするでもなく日当たりの悪い部屋で自分の生について思案している。なぜ生活がそう腐ってしまったのか、ここでは魚子の近年を

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