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008 「見通しを立てない」とは

 はいどうもー書きます、シタシマです。昨日に引き続き、今回も拝聴したセミナーについて書こうと思います。今回は、自分のこれからについて考えさせられましたので、その共有をします。

 浜松で行われた「尾張町建築セミナー」ですが、全体は2部構成になっていました。ゲストの佐久間悠氏をお招きした、建築法規に関するお話が1部。第2部は、4名によるトークセッションのような感じで、自身のキャリアなどを振り返る形で始まりました。辻氏、佐久間氏のほかに、REGION STUDIESの白坂健太郎氏とSPEACの宮部浩幸氏がお話をされました。4名とも、今の日本において自身が問題だと思っていることと、自分ならこれが提供できるということが掛け合わされ、楽しそうに働いている様子がお話からうかがえました。

 それぞれ自身のフィールドで活躍されている4名ですが、共通しているのは

1.働き方そのものから作ること
2.公共性と接続して考えること

の2点だと考えます。しかし2つめに関しては、働いている以上社会に閉じることはまずなさそうなのである意味当たり前なのですが、お話をされた4名は、社会への入り方が深いような気がしました。これはコンサルティング、点的改修、不動産など、みなさんの仕事内容によるところが大きいかなと。
 重要なのは1つめのほうにあります。それぞれのキャリアのお話を聞いていると、皆さん活動の1歩目が手探りなんですね。一般的な就職活動とは異なるスタートの仕方が興味深かったです。宮部氏は行列に並ぶのが嫌いで、自身の仕事もそうやって人のいないところを探しながら作ってきたとおっしゃっていました。椅子取りゲームでなく、自分で椅子をもってくる。「人いなさそうだけど、ウマそう。」そんな嗅覚があればこその、キャリア形成なのだと思いました。

 辻氏は、今の学生について非常に示唆的なことを述べられました。それは、

今の学生は正解があるものだと思ってエスキスや質問に来る

とおっしゃいました。またそれを「近視眼的」「打算的」と言い換えられていました。その引き合いとして出されたのが、以前ツイッターで少々話題になった「学生によるpinterestを用いた事例収集」でした。つまり、ググるように講師である建築家に聞きに来るという、辻氏の実感がリアルに伝わってくる言葉でした。ぼくにも思い当たるところありで耳が痛かったのですが、今の学生は正解があるものだと思ってそこに向かおうとする傾向にあるようです。しかし正解などないので、自分でもがいて探すしていくしかない、と。これ普通に行われているような気がするので、「答えを引き出す」ことから「一緒に考えていく」ことにシフトしていかないといけないのかなと、考えているところです。

 最後の質疑応答の時間では、

今の環境を全力で肯定する

という言葉が辻氏の口から出ました。実はこれが「見通しをたてない」ことに対する最も誠実な姿勢のなのだと思うんですよ。見通しを立てないことは「楽観的」になることでは決してなく、今の自分の状況、そのリアリティを全力でつかみに行くことなんです。今回お話しされた4名の働き方が、まさにその言葉そのものだった気がします。

 ぼくも今こうしてnoteを始めたのは、都市部から縁遠い秋田にいたからこそ、自分の環境をおもしろがって、できた結果なのだと思います。自分のいる立場で何ができるか、考え続けなければいけないし、それが今後に生きていくのだと信じています。

なんかキラキラな感じで締めてしまいましたが、書き終える頃に、ああやっぱある程度は見通しは立てたほうがいいかもと思い始めました。なかなか難しいですね笑

ではまた。

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