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都会の鳥類たち

先日、勤務先の展示会準備に東京ビックサイトへ行きました。予定より早い時間についたのでコンビニでパンケーキと缶コーヒーを買い、天気も良かったので外のベンチに座って軽い朝食をとることにしました。
パンケーキの袋を開けて食べようとしたとき、どこからとなく一羽の雀が現れました。彼は私の足から30㎝と離れていないところでじっとこちらを見つめています。「へえ、最近の雀は人間を全然怖がらないんだな」と少々驚きつつも、パンケーキを食べることにしました。一口二口食べ進んでいく間も彼はこちらをじっと見ています。「俺にもよこせ」っていうことなのかと理解しましたが、簡単に彼に朝食を分け与えるのもなにかちょっとした違和感を感じたので、そのまま一つ目のパンケーキを完食しました。
その間も彼は微動だにしません。じっとこちらを見ています。ある意味、その度胸と辛抱強さに関心し、ふたつ目のパンケーキをとりだしたときに、ほんの少し端っこをちぎって地面に投げました。彼はそれをくわえて去っていきました。私はそのまま朝食を進め、2つ目のパンケーキを食べ終わりささやかな朝食は完了しました。食べ終わってふと周りを見回すと、先ほどまでいなかった雀や鳩が数羽回りに集まってきています。しかしながら彼らに提供する食料はもう手元にはなく、時間も集合時間に近くなってきていたのでそのまま会場に向かいました。

ちょっと不思議だったのは、一羽目の雀が去ったあとどうして他の雀やハトが集まってきたのか?。私が餌をばらまいていたならともかく、小指の爪の先ほどのパンケーキのかけらを落としただけです。どうやって私のところに行けば餌にありつけるかもしれないと思ったのか?それも同種の雀だけならともかく、雀だけではなく鳩まで?もしかしたら都会の鳥類は独自の進化を遂げていて、お互いにコミュニケーションを取る手段をすでに持っているのではないか?一羽目の雀は私のもとを去ったあと「あそこへ行けば餌がもらえる」とでも仲間(雀&鳩)に伝えたのではないか?もし私が何も彼に与えずに足を延ばして危害を与えようとしていたら、仲間を呼んで私にお礼回りに来ていたのではないか?(ヒッチコックの「鳥」みたいですね。)さらに遠い将来、鳥のコミュニケーション能力がどんどん進んで、AIとやらの恩恵でものを考えなくなった人間が鳥に支配されてしまうのではないか?(「猿の惑星」ならぬ「鳥の惑星」)そうなったら頭の悪い鳥は、「小鳥の脳みそ」ではなくて「小人間の脳みそ」とか言われてバカにされるのか??

なんていうくだらないことを妄想していたら、苦痛な肉体労働の一日があっという間に終わっていました。(同僚は私がそんなことを考えながら働いていたなんて想像もしていないと思いますが。)
帰りの電車のなかでスマホ画面に夢中になっているサラリーマンをみていたら、あながち「鳥の惑星」も可能性はゼロじゃないと思えました。

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