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事前に漏れる人事はロクなことにならない

日本時間の金曜未明に行われたサウジアラビア戦の残念な敗戦により、一気に森保監督交代論が大っぴらにマスメディアに載るようになりました。当然ながら後任監督の名前があれこれ出てきたのですが、想像や推薦といったレベルではなく、これで決まりだっぽくニュースを流す報道機関もあります。

そんな中で、現FC東京、長谷川健太監督の名前にびっくりしたてずっこけた人は結構いるのではないでしょうか。

今の森保ジャパンの問題点を考えるとその改善というよりは、もうこれ以上負けない監督としてのピックアップなのかな、とも思いましたが、そうなると2位以内ストレートインではなく、3位でのプレーオフにかけるという戦略になります。2位内に入るには残り全部勝つ必要がありますし、そのためには、サウジアラビアやオーストラリアにとって引き分けでも良い状況で守りを固めた相手を破壊するほどの攻撃力が必要なのですから。

こういう状況で監督人事の話が出てくるのは当たり前ですが、一部のスポーツ紙だけが特定の人を挙げているのは、協会の中の人の不満分子というか、上に反発している人がリークしているのかなと想像してしまいます。

長谷川監督の状況自体は、確かに次の仕事を決めているっぽい感はあります。2017年のガンバ監督時代に、チームが徐々に勝てなくなって来シーズンからのFC東京監督への就任が決まった時を思い出します。カップ戦もリーグ戦も優勝の目が無くなり、FC東京もかつてのガンバと同様に監督を代える状況なのかも知れません。

ともかく、事前に人事が漏れるとロクなことになりません。

かつての2006年、ドイツワールドカップ後の川淵会長が会見でオシムという名前をポロッと漏らしたのは、色々な狙いがあってのことだったとも思えますし、あれは絶対に監督が替わる状況だったので結果的にはその通りになったのですが、監督が替わるかどうかも分からない状況で名前が出るのはむしろ逆効果でしょう。

さらに昔には、2000年に当時のトルシエ監督と軋轢のあった協会の中の人が、某新聞に次期監督はベンゲルという情報を漏らしたことがありましたが、その後のテストマッチなどで結果も内容も伴う試合を行ったトルシエ監督が続投となりました。

そのさらに昔には、1996年に更迭論が起きていた加茂監督を長沼会長がかばい、強化委員会と話が付いていたネルシーニョが「腐ったミカン」発言をしました。

うーん、やっぱり人事は事前に漏れるとロクなことにならないですよね。電撃的に行うしかないのですが、現時点で田嶋会長が森保監督を擁護するのはそれはそれで当たり前です。サッカー協会会長が公の場で代表監督批判したら終わりです。批判するならその前に監督を代えていないとおかしいのです。逆に言うと、試合前の監督を全力でサポートする、という発言は会長としては当然のことです。内心では「もうだめかも」と思っていても、メデイアに対してそのまま言う人は組織の上に立ってはいけないのです。

まあ新監督人事も何も、森保ジャパンがオーストラリア戦で勝ってしまえば無かったことになる可能性があるし、ここで大きくやり方を変えて、素晴らしい内容と結果を出してくれることを、サッカーファンとしては祈るしかありません。

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