2022年3月30日W杯アジア最終予選第10節日本対ベトナム戦DAZN観戦の感想

初戦、そして第3節でも敗戦を喫して98年大会予選並みに厳しい状況に置かれたものの、その後は6連勝で一気に本大会出場を決定した森保ジャパンは、この最終予選の最後の試合をホームで迎えました。

対戦するベトナムはグループ最下位で日本はグループ首位に位置しますが、お互いにプレッシャーが無い状態ですし、サッカーは何が起こるか分かりません。日本は大幅にメンバーを入れ替えるため、出場機会がこれまで少なかった選手が発奮して大勝する可能性もあれば、実戦での連携不足を突かれてやらかしてしまう可能性だってあります。

今できることをしっかりやって勝った上で、本大会までの準備期間に入ってほしいものです。

さてスタメンは当然のように大幅入れ替え。GKは谷ではなくまさかの川島でした。まさかというと失礼ではありますが、川島の実力は分かっているはずなのに谷をフル代表で試さなくていいのですかね。

その他はまあ予想通り。ガンバファンの私としては堂安にここに居て欲しかったのですが、今さら言ってもしょうがないですね。本大会メンバーに入ればいいのです。

注目されるのはやはり久保建英でしょうけれど、まだまだA代表ではそれほどチームに溶け込めていないというか、五輪代表のように久保(と堂安)のチームというわけではないので、「チームの中の久保」という地位を確立できていないように個人的には思えます。

前半、キックオフからずっとベトナムペースで、あわやという場面も結構作られています。DFラインも今までプレーしていなかった組み合わせでもないので、まあまあ不安が先に立ってしまいます。

ベトナムの前からのプレスを交わせれば日本のチャンスになりますが、むしろプレスに苦しみ正確に前につないでいけないシーンも散見されます。

日本は調子を取り戻せないまま、ベトナムのコーナーキックから綺麗に合わされて失点。マークもずれていてかなり問題がある試合運びになっています。

ベストのメンバーから2,3人代わるだけならチームとしてのクオリティを下げずに維持できますが、9人も代えればコンビネーション含め、クオリティが下がるのは分かります。クラブチームでもよくある話ですが、この森保ジャパンに関しては、4−3−3の中盤3人(遠藤・守田・田中)のセットが強力すぎて、3人を入れ替えてしまうとかなり違うチームになってしまっています。

多分、いつもの中盤トリオがいないなら4−3−3はあまり向いていないのではないかと感じます。

それでも前掛かりのプレスを交わしてシュートまで持っていくシーンが徐々に増えていきます。しかし得点は奪えないまま時間は過ぎていき、結局前半は0−1というスコアで終わりました。

先日のオーストラリア戦での三笘の2得点が衝撃的すぎたために、三笘をスタメンにしていないことをもって監督の無能さをあげつらう人もいますが、三笘だってどんな時どんな相手でも簡単に相手を抜き去って得点出来るわけではありません。今の代表チームでの三笘の使い方にはそれなりに理由があることは、この試合を見てもある程度は推測できるはずです。

もちろん、三笘だけ悪かったわけではなく、誰が良かったと言えるか分からないくらいの前半でした。

そして日本は後半から伊東を右サイドに入れ、フォーメーションを変更して4−2−3−1でスタートします。やはり4−3−3はいつもの中盤3人がいないと今の森保ジャパンでは無理でしょうね。

後半は日本が最初から攻め続け、吉田が中盤でパスカットから攻め上がってそのまま残り、原口のシュートのこぼれ球を吉田が詰めて同点に追いつきます。

吉田の技術と言うよりも、「こんなサッカーをしていて悔しくないのか、恥ずかしくないのかお前ら」と言わんばかりの魂がこもったゴールでした。セットプレーではなく流れの中での吉田のゴールって代表では記憶にないですね。もしかしたらあるのかも知れませんが。

さらに攻勢を掛け続ける日本は、61分に久保・原口・柴崎を下げて、守田・田中・南野を投入。少しずつ先日の豪州戦スタメンに近付いてきます。

もう後半はほとんどの時間でベトナム陣内でのプレーが続いています。枠内シュートも前半よりはるかに多くなりました。

70分、細かくつないで中央突破し、上田のシュートが南野の顔面に当たり、こぼれたところを田中がシュートして遂に逆転、と思いきや南野のハンドが取られて得点取り消し。

ただ、やることはずっとこのままでいいはずで、あとはフィニッシュの精度だけです。

78分にはコーナーキックからつないで最後はフリーで吉田がシュートも枠を惜しくも外れました。これが決まらないのも不思議な話ですが、吉田に頼り過ぎと言えなくもありません。

88分には上田のシュートが決まったと思いきや、その前の縦パスを受けた田中がオフサイドでノーゴール。

結局1−1のまま試合終了となりました。

試合前にはアジア以外の予選結果次第では、日本が本大会でポッド2に入り強豪国との試合が減る可能性についても論じられていましたが、それどころではないですね。グループ最下位のベトナム相手にホームで引き分けてしまうのに、本大会のグループ4チーム内で2番手だとは言えないです。

ヤケドはしていないですが冷や水は浴びせられたようなベトナム戦となりました。

さて、日本対ベトナムの試合はかくの如く終了しましたが、このアジア最終予選最終節の注目はグループAの3位争いでした。グループBは3位オーストラリアが確定していますので、プレーオフでのその対戦相手となります。

3位 UAE
4位 イラク
5位 レバノン

試合前はこのような状況で、なぜか先にイラン対レバノンだけ日本時間20時30分開始で、残りのUAE対韓国、シリア対イラクが日本時間22時45分開始となっています。

得失点差を考えるとレバノンの可能性は低く、UAEかイラクが3位になりそうですが、さすがにどちらが相手でもオーストラリアが勝つかなあとは思います。とは言え、昨年の欧州王者イタリアが北マケドニアに負けるのがサッカーの一発勝負です。

それは、勝ち上がったアジア第5代表が戦う大陸間プレーオフでも同じで、南米5位にペルー・コロンビア・チリのどこが来ても、どちらが勝つかは分からないものです。

日本も本大会でポッド2に入ることよりも、重要なことは多分あるはずです。

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