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WindowsよりMacを選ぶ理由が変わってきているかもしれない

少し前までは、映像・画像編集などデザイン系のクリエイティブな作業をするならMacと言われていましたが、今ではAdobeを始めWindowsへのソフトウェア側の対応もほぼ問題なくなり、またたいていの利用環境がクラウドベースになりつつあることもあって、Macじゃないとダメ、というような作業はもはや無いと思います。

もちろん、macOS・iOSアプリの作成にはMacは必須ですが、それはまた別の話でしょうし、マイクロソフトの開発統合環境でもある程度までは作成可能です。

さらには、高性能を要求するゲームに関して言えば、MacよりWindowsの方が環境を整えやすいでしょう。価格性能比の問題もありますが、それ以上にOSレベルでのサポートの違いもあります。大半のMacは自由に内部をいじれないため、要求が年々重くなるゲームに対応してスペックをアップしていくために、Macでは買い直しが必要となる一方でWindowsの自作機やBTO機なら構成変更もたやすいです。

こうなってくると、Macの方が良い場面というのが減ってきていますが、個人的にはまだ大きくMacがリードしていると思えるのが、フォント・スケーリングの対応です。端的に言うと、文字が綺麗かどうかです。

映像・ゲームと比べて文字表示に特別な性能を求める人は少数だと思いますが、文字が綺麗な方が、読みやすい方が良いのは当たり前です。どれくらいの費用をかけてどれくらいの綺麗さを求めるかが人によって差が出るわけですが、Macを使い始めてみると、やはりWindowsの文字表示には不満が出てきます。

もちろん、長い間使ってきたWindowsでの表示にも慣れていますので、耐えきれないほどではありませんが、MacやiOSでのRetina表示は良いものです。フォントの問題もありますが、スケーリングがまだまだWindowsは綺麗になるのは条件が限られている気がします。

昔話をすると、20年ちょっと前くらい、パソコン自作ブームが起きていた90年代後半から2000年頃にかけて、ビデオカードの性能でゲームや映像表示だけではなく文字表示にも差が出ていました。

2D表示で鳴らしたのはMatrox社のMillenniumシリーズでした。高速スクロールとキリッとした表示が有名でした。一方、ビデオ映像の柔らかさや見やすさではATIの3D Rageシリーズでしたね。All in Wonderみたいにテレビチューナー内蔵のものがあったくらいです。また、3DゲームといえばVoodooでした。

こんな話をしているとインターネット老人会とか言われそうですが、それくらい、ビデオカードによって得意不得意がありました。今でも派手なゲームやモニター出力の数などで差はありますが、2D表示のためにビデオカードにこだわる人はいないでしょう。

文字表示の綺麗さはビデオチップの性能の問題ではなく、OSの設計思想の問題となっているわけです。

WindowsとMacの文字の綺麗さの違いを、それぞれの創業者のビル・ゲイツとスティーブ・ジョブズの個性の違いに帰結させてしまうと、ありがちな紋切り型の結論になってしまいますが、今のWindowsがどこまでMacの綺麗さに近付いていけるか、ということも見ていきたいと思います。あまり変わらない気もしますが。

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