2021年7月25AFCアジアチャンピオンズリーグGL第4節ガンバ大阪対チェンライ・ユナイテッド戦DAZN観戦の感想
前節ではチェンライ・ユナイテッド相手に1−0とリードしながら後半ラストプレーで失点してのドロー、という悔やんでも悔やみきれない結果でした。ただ、その直前に行われた全北現代対タンピネス・ローバーズ戦が9−0という圧倒的な試合となったため、得失点差でガンバは全北に大きく後れを取っている状態です。例え前節あのまま逃げ切れたとしても、得失点差で2位に落ちることに変わりありませんでした。
そのままガンバも全北も第5節まで勝っていたとしても、おそらくは得失点差で2位のままでの最終節での直接対決だったでしょう。グループ1位になるには結局、全北に直接勝つことが必要なのであり、あまり前節の引き分けを引きずるべきでもありません。2位になった時の他グループ2位間での競争には影響するのですけれど。
ガンバの試合の前に行われた、全北現代対タンピネスローバーズの試合は途中までは接戦でタンピネスにもチャンスはいくつもありましたが、結局4−0で全北が勝ちました。
ともかく、この第4節でのチェンライとの再戦でしっかり勝って、第5節のタンピネス戦ももちろん勝って、最後の全北現代との試合にも勝てば1位通過です。
そのためにもまずは今日の試合を確実に勝つことです。スタメンは前節がターンオーバーだったため、今日はいわゆる本来のレギュラーメンバーとなると思っていたら、一部はイジってきました。久し振りに川﨑がスタメンです。控えGKには加藤が入りました。
絶対に勝たねばならない試合の入りはいつも以上に重要です。しかし6分過ぎに長いボールをキープされて一気にシュートを決められて失点。最悪の試合の入り方をしてしまいました。
攻めるしかないガンバですがシュートまではなかなかいけず、18分にようやく宇佐美のクロスに矢島が頭で合わせますがヒットせず。
20分にも川﨑のクロスに矢島が合わず。もうちょっとなのですが。
22分には前節やられたビルへのロングボールからシュートまで持っていかれます。チェンライは徹底的にこれですね。ガンバが明確に守りづらそうにしているのですから狙われて当然です。
23分には相手GKのパントキックをかすめ取ったレアンドロ・ペレイラのゴールは認められず。まあ危険なプレーとよく見なされるやつですね。
その後もドタバタというかチグハグというか、選手の距離感もプレー精度も明らかにおかしくなっています。こういう時は一発、個人技で決めてくれるFWがいれば良いのですが……。
30分には猛攻を受けてあわや三浦のハンドでPKとなってもおかしくない場面もあり、明らかに劣勢が続きます。
もう守備には目をつぶって攻撃するしかないですが、配球もフィニッシュも矢島がやっているのはなぜなんでしょうね。
41分には逆にチェンライのハンドっぽいプレーが見逃されましたが、お互い様ですね。
この4試合で最低最悪の45分だった前半は何も出来ずに終わり、0−1という厳しい状態でハーフタイムを迎えました。
もはや選手交代やフォーメーション変更で2点取れるのかと疑うレベルですが、戦わねば道は開けません。後半開始からレアンドロ・ペレイラと川﨑に代わってパトリックと黒川が入りました。
47分に早速、小野瀬のクロスにパトリックがヘディングも枠の右。こういうシーンが前半は少なかったので、増やしていけば点は取れるでしょうけれど、2点が必要なのがキツい。
その直後には自陣でパスを奪われて大ピンチを迎えますが何とかクリア。
54分にチェンライのバックパスを奪った矢島が入れたクロスが相手に当たってゴールにこぼれ落ちました。
相手のミスと幸運で1−1に追いつけました。後は勝ち越すだけです。その後にも黒川のクロスに矢島が飛び込みますが合わず。矢島の負担大きすぎないですかね。
58分に菅沼がビルの大げさなシミュレーションに対して興奮しますが、お咎めは無し。かつての中澤みたいに相手FWを挑発して退場に追い込むほどのスキルがあれば良かったのですが。
61分に前半から明らかにタスクが多すぎた矢島が足を攣って倒れました。ここで倉田と交代します。ピッチの中での役割の整理が出来ていないように思えますが、残り30分でどうもこうもありません。オウンゴールでもPKでも勝ち越すこと以外は二の次です。
しかしチグハグな守備と攻撃は続きます。72分にはカウンターでビルに危険なシーンを作られますが何とかブロックしてCKに逃れ、そのタイミングで奥野に代えて山本投入。
時間は容赦なく過ぎていきます。相手の攻撃の方がバリエーションも質も上ですが、それでも攻めるしかありません。82分には菅沼に代えて一美を前線に追加します。これで変則4バックです。引き分けだとグループ1位は絶望で、2位すらまず厳しくなります。
88分にゴール目の前で倉田が倒されてフリーキックを得ます。今大会で最も絶好機のFK位置で、蹴るのは宇佐美でしたがシュートはバーの上。今大会の不調を示すキックでした。
91分のスローインですぐに誰も近寄らずにリスタートが遅れたのが、今のチームの問題点を如実に示している気がしてなりません。
92分には倉田のヒールから井手口の枠内シュートも相手GKが防ぎます。直後にも上がった三浦のヘディングシュートがドンピシャでしたがこれもGKに阻まれました。
最後にビッグチャンスが立て続けにありましたが、あまりにも時間が遅すぎました。結局このまま1−1で引き分け。2試合同じ結果でした。
これで勝ち点は6で全北現代との差は4に広がりました。残り2戦で2勝しても、全北が次節にチェンライに勝てば全北の1位が確定です。ガンバの最高勝ち点は12ですので、他のグループ2位で13以上のチームが3つ出てくれば今年のガンバのACLは終わりです。
このACLでは初戦のみ4バックでその後ずっと3バックですが、やっぱり4バックの方が良いんじゃないかという気もします。全北戦の最初も同じですが、ロングボールの対応がかなり問題を抱えています。単純に後ろの人数だけで決まるわけではないでしょうけれど、明白な弱点があれば誰だって突いてきます。ACLを見ている他のJリーグチームも絶対ガンバ戦でロングボール戦術やってきますよね。残留争いも厳しくなります。
3バックなのは高尾や藤春のコンディションのためかも知れませんが、そうなるとそもそものシーズンオフでの選手補強から原因が始まっていることにもなってしまいます。
ディフェンス陣が急にロングボール・ハイボールの処理が下手くそになるわけないので、ボールの出所へのプレスと受け手に対するマークに問題があるのでしょう。
攻撃面では宇佐美や井手口といったレギュラーメンバーが不調なのと、藤春や小野など違いを生み出せる選手が怪我したのが原因ですが、試合を重ねるごとにチームが瓦解し始めているように見えてなりません。
今のような下降線をたどり続けていれば、シーズン中にもう一度の監督交代もあり得ます。それくらい、この2試合には悪いところが出過ぎました。
これで振り切れて逆に作用して良いサッカーが出来るようになれば良いのですが、次節も2日後で、日本時間の日付的には7月7日(水)23時開始です。
やりたいことと出来ることの整理が出来るかどうかが後2試合の結果に直結するでしょうね。
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