年中行事の輸入と定着

外国文化に基づく行事、例えばクリスマスとかハロウィンとか、キリスト教由来の祝祭日を盛大に祝ったり騒いだりすることに反感を覚える人は結構います。

最近ですとハロウィンイベントでの馬鹿騒ぎに批判が集まりがちですが、その一方でクリスマスやバレンタインデーはもはや定着したイベントと言えるでしょう。キリスト教徒の人からしたらイベント扱いするなと怒られそうですが。

また、母の日・父の日については昔から反対する人もいなかったような気がします。その日に限らず親孝行をしろ、という人はいたでしょうけれど。

本当に最近の流行りですと、イースター、復活祭もイベント化し始めています。まだイースターエッグくらいでしょうか。それにしてもこういったイベントが日本化するのは、クリスマスのチキン(七面鳥)、バレンタインデーのチョコ、ハロウィンのカボチャといった食べ物に関連するのが多いですね。

こういった外国由来のイベントではなく、昔からある年中行事を大切にしろ、という意見はもっともなのですが、その「昔からある年中行事」も結局は大半が外国由来、もっというと中国由来のものです。

節分や桃の節句、端午の節句、お月見の重陽の節句やお中元などなど枚挙に暇がないですが、そもそも中国由来の暦を使っていたのですから当然です。

むしろその中国由来の暦によるのに近世になって日本で生まれた「土用の丑の日に鰻を食べる習慣」こそ、珍しいですよね。

もちろん日本古来からある日本独自の年中行事もありますが、日本独自か中国由来かをあえて意識して区別する人なんてそうそういないでしょう。馴染んでしまえば一緒です。多分、キリスト教由来のイベント(あえて年中行事とは言いませんが)も、将来的には日本古来・中国由来の年中行事に混ざって馴染んで区別しなくなる時代が来るのでしょうね。

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