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2012年のガンバ大阪と、2022年のガンバ大阪の比較

片野坂監督解任後、松田監督就任後で最初の試合となった、昨日のサンフレッチェ広島戦では、ガンバが早くに先制し、すぐに追いつかれるもまた勝ち越して前半は1点リードした展開でしたが、後半に力尽きて4失点。5−2と大敗してしまいました。

今年最多の5失点試合が、守備で鳴らした松田監督の初戦で起きたのは皮肉ですが、試合展開としては今年何度も繰り返し見てきたものでした。

リーグ戦序盤では、磐田戦・京都戦・清水戦と内容が悪いながらも最後に何とか追いつくということがありましたが、それ以降は後半の失速具合が半端ありません。

後半に失点して勝っている試合が引き分けに持ち込まれたり、同点の状況から敗戦に至ったりするケースが、
リーグ戦では
第3節 川崎フロンターレ
第9節 湘南ベルマーレ
第14節 セレッソ大阪
第16節 サガン鳥栖
第17節 横浜F・マリノス
第18節 コンサドーレ札幌
第19節 浦和レッズ
第20節 湘南ベルマーレ
第22節 セレッソ大阪
第23節 京都サンガ
第26節 サンフレッチェ広島
上記試合で後半失点して勝ち点を失いました。第14節以降の酷さが際立ちます。

10年前、2012年シーズンでも似たような試合展開は多くありました。
2012年のJ1リーグ戦ですと、
第2節 セレッソ大阪
第10節 大宮アルディージャ
第11節 ベガルタ仙台
第13節 サガン鳥栖
第14節 浦和レッズ
第18節 横浜F・マリノス
第19節 ヴィッセル神戸
第25節 アルビレックス新潟
第28節 ベガルタ仙台
第30節 サンフレッチェ広島
第33節 FC東京
第34節 ジュビロ磐田
と12試合で後半の失点で勝ち点を失っています。今年は既に11試合で同様の展開があったので、あの時よりも後半の辛抱が出来ていないと言えます。

2012年のガンバは17位で降格しながらも得失点差プラス、総得点リーグ1位というハチャメチャなチームでしたから守備の我慢が出来なかったのも無理はありません。

しかし2022年のガンバは攻撃も守備も出来ていません。

10年前はリーグ後半戦だけで見ると勝ち点は全体の4位で、かなり盛り返したのですが激しい残留争いの結果、17位での降格でした。前半、特に開幕直後の失敗が最後まで尾を引きました。セホーン・ロペス体制から始まったシーズンでは、キャンプ時のスタミナ作り不足、約束事リセットが最後までたたりました。引き継いだ松波監督が西野時代の攻撃力は復活させましたが守備は取り戻せず、降格してしまいました。

さて、こうして比較すると、今年のキャンプはどうだったのかなと思います。後半の動け無さを見ると、体力不足を感じざるを得ません。それ以外にも東口の怪我、宇佐美の怪我、コロナ陽性者によってメンバーのやり繰りが難しかったりと、色々苦戦の理由となる原因はいくつもありましたが、逆に、ACLがあった昨年ほどの過密日程でもありません。

今いるメンバーが守り切るのに向いていないということもありません。大半の選手は宮本体制下で2020年に2位になった、後半しっかり粘り強く守れていたチームから続いてプレーしています。

さらに言うと、今年のガンバにはチーム内でのガバナンスに問題点があるのではないかと疑念を持ってしまいます。

5月の大阪ダービーでの昌子とペレイラの揉め事はその象徴です。それ以外にも見ている試合で片野坂監督の交代意図を理解出来ないことも多く、選手自身が戸惑って何も出来ないような試合も何度も見てきました。

この辺は私の単なる感想なので、ダービー以外の証拠はありませんが、先日の片野坂監督更迭時に小野社長と和田取締役の会見とその一部報道において、強化部はある段階で監督解任に踏み切ろうとしたが社長が一旦止めたという記事もありました。そうだとすると強化部の仕事に社長が踏み込んだことになります。

クラブ内での強化部以上の組織としてのガバナンス、命令系統、意思決定の権限に関して、果たして今のガンバ大阪は正常なのでしょうか?

正常だったらこんな状態にはなっていない、というのがその回答になるのでしょうけれど、問題は今年残留しても降格しても、そのガバナンスが正常化するとは限らないということでしょうね。

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