2021年6月29日AFCアジアチャンピオンズリーグGL第2節ガンバ大阪対全北現代モーターズFC戦DAZN観戦の感想

ガンバサポに「全北現代との試合の思い出」を聞くと、おそらくほとんどの人は2015年準々決勝第2戦に言及するのではないでしょうか。

あの時は宇佐美がホームでの第2戦で出場停止、第1戦はアウェイで0−0だったので勝つしかない試合でした。2−1とリードしてジョンヤを守備固めに入れたら、後半44分にウーゴ・ベラに決められて2−2。アディショナルタイムに総攻撃を仕掛けて、自陣にいる遠藤から前線に上がったジョンヤにパス。ジョンヤがポストプレーで上がってきた米倉にラストパス。米倉がファウル気味のタックルを我慢しながら決勝点を決めた、劇的な展開の試合でした。

さて、そんな良い記憶もありつつ、2006年のACLではアウェイでの逆転負けのあった全北現代との試合が、この2021年でも組まれました。

ACLでの第2戦に挑むガンバは初戦から奥野とヨングォンを入れてきました。スタメンを見るに3バックのようですが、対戦相手や試合展開によって4バックと3バックを併用するのですかね。

このグループリーグの大一番でのキックオフですが、カメラが映っていない開始1分でいきなりの失点。もはや訳が分からないというか3バックなのかどうかのチェックすら出来ないタイミングでの失点となってしまいました。

このグループで一番強い相手に開始1分でビハインドの展開とか、いきなり感情が消えた表情になってしまいましたが、何とか前半のうちに追いつければ良いのですが。

その直後からはガンバがボールを持って敵陣でプレーできています。8分には右コーナーキックから相手のクリアミスで井手口のシュートがあるもGKに防がれました。

その後もガンバが攻める展開が続きましたが、17分に相手の連続シュートの2本目が井手口に当たって東口も届かないところに決まって0-2。早くも絶望的な展開になってきました。例えグループ2位になるにしても、5組中3組の2位でないとダメですので、負けるだけでなく得失点差が悪くなるのはさらにダメです。

19分には今度はガンバが連続でシュートの場面ですが、小野瀬のシュートはGKのパンチングで弾かれます。

後ろでも中盤でもボールは持てて結構深い位置までも攻撃は出来ますが、全北現代が最後のところはがっちり締めているため、ゴールが奪えません。

それだけならまるで昨年のガンバを相手にしているようなものですが、たまにある全北現代の攻撃の精度があってカウンターの怖さを感じます。

と思っていたら、26分に左サイドの藤春から100%のクロスが出て、中央でドフリーのパトリックが初戦に続いて頭で決めました。これで1−2。何とか戦えるスコアに戻せました。

その直後の29分にも左サイドを突破してのシュートは惜しくも防がれました。

しかし、相手が守る展開とは言え、ガンバがここまで攻め続ける試合というのは今年どころか去年も無かったかも知れません。

31分にもパトリックが決めて2−2。これも左サイドで作って宇佐美のクロスを矢島が右で落としてパトリックが合わせて前半のうちに同点に追いつけました。

これで全北も出てくることになりますので気をつけないといけません。その代わりガンバも無理して攻める必要は無くなりました。

しかし初戦の主審と違い、ガンバの選手が強く当たっただけではファウルを取られないのは助かります。初戦が変だったとも言えますが。

39分、ちょっと嫌な感じの全北の攻撃がゴールキックになって途切れてすぐに、昌子が東口と打ち合わせていました。多分、今のチーム状況が良い感じといわれるのはこういうところなのでしょう。

その後はお互いチャンスがあるも決定機は無く2−2で前半終了。展開的に意気が上がっているのはガンバの方です。最悪の試合の入り方をしましたがよく挽回しました。

全北現代との戦いは久し振りですが、ある意味典型的というか、中盤省略気味で高いボールを入れてくるのと、時間がかかればサイド攻撃、というパターンを徹底してきます。

ガンバは復活した藤春が君臨する左サイドが完全に攻撃の中心になっています。というかこの2試合の得点全てが左サイドからのクロスです。戻ってきた藤春の重要性に今さらながら気づかされます。前節の2点目は藤春が下がった後でしたが。

後半開始。ガンバは交代無し。まずは試合の入りを慎重に。

50分の相手FKになったところで藤春が右足を痛めてしまいました。すぐに黒川とスイッチ。長引く怪我で無ければいいのですが。

右サイドからの攻撃も出来ていないわけではありません。あとちょっとのところです。

後半は一進一退ながらお互いに決定機も無く我慢の時間帯が続きます。2−2になってからもガンバがボールキープ気味ですが、前半途中ほどの状況ではありません。

67分、ガンバが2枚替え、矢島と倉田、パトリックとレアンドロ・ペレイラを入れ替えます。

69分、ペレイラの落としを宇佐美が左足で狙うもバーの上。ちょっと疲れている感じもしますが、入れ替えるとしたら小野でしょうか。

その後、矢島が抜けたからかガンバも比較的早めに放り込むパターンが増えてきました。この辺は残り時間とリスクテイクを考えながらの部分もあるでしょう。

75分過ぎくらいからは、全北が明らかに引いてきました。前からのプレスに来ません。攻撃に人数をかけずに守ってカウンター狙いです。この辺の割り切り方は見事です。

85分にヨングォンが軽率なプレーでボールを奪われて相手の9番にドリブルで持ち込まれてもつれて倒しましたがノーファウル。助かりました。直後にはガンバのチャンスでしたがクロスは合わず。

お互いに低い位置でのミスが致命的になる時間帯になってきました。

88分にもクロスに頭で合わされますが東口がキャッチ。ガンバの方はラストプレーで息が合わずにシュートまで持っていけないのが気になります。

85分過ぎから全北が一気に前に出てきました。残り時間少ないところでの勝負をかけてきた感じです。

92分にガンバが小野とウェリントン・シウバを入れて宇佐美と井手口を下げました。前線での運動量ならシウバよりも塚元だと思いますので、単純に守備だけのタスクではないはず。

と思いつつも結局2-2で試合終了。大一番は引き分けに終わりました。

開始直後の失点、そして攻めながらも失点してさらにキツくなりましたが、前半のうちに追いつけたのは今のガンバの状態が悪くないことの証しです。もちろん2失点自体は問題ですが。

引き分けでしたがマン・オブ・ザ・マッチは2得点で試合を振り出しに戻したパトリックでしょう。チームとしては2試合で4得点ですが3つがパトリックですので、依存度の高さは良し悪しです。また藤春の怪我も気になります。

今日勝てていれば、次のチェンライユナイテッド戦でメンバーを大幅に変えるプランもあったと思いますが、ちょっと難しいですね。井手口や宇佐美くらいでしょうか。

ともかくひとまずは最低限の結果は掴みました。第3節・第4節はチェンライとの連戦です。1位突破にはここでは連勝が必須です。まずは次の試合で勝つことです。

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