2022年9月18日J1リーグ第30節ヴィッセル神戸対ガンバ大阪DAZN観戦の感想

水曜の試合で神戸がFC東京相手に勝利し、ガンバとの勝ち点差はわずかに1となりました。試合数もガンバが一つ多いため、状況としては大変厳しい試合です。

さらに昨日の試合では、湘南・福岡・磐田も勝ち点を得て、しかも福岡は清水との直接対決で大熱戦の逆転勝利による3ポイントを得ました。これでガンバが再び16位の入れ替え戦圏内に落ちたことになります。また、今日の昼間に札幌が横浜F・マリノスと引き分けたために、札幌は勝ち点35まで

ここで17位の神戸と16位のガンバとの直接対決というのがエグい巡り合わせですが、この6ポイントマッチは勝たねばなりません。引き分けでも黄信号、負けたら赤信号が点灯します。

まさに運命の一戦ですが、ガンバの先発メンバーは前節と全く同じです。11人全員が前節と同じというのは今年初めての気がします。もしかしたらあったかも知れませんが。

両チームとも何が何でも勝たねばならない試合が始まります。

開始直後から華麗さよりも激しさが先に立つプレーがどちらも目立ちますが、相変わらずファンアラーノの運動量が一番目立ちます。その一方で逆サイドの黒川がちょっと軽いというか、試合に入り込めていないようにも見えます。

展開としては神戸がキープしてガンバがカウンターを狙う形。これ自体はスタイルを考えればそうなるでしょう。ファーストシュートは9分の神戸でした。

ガンバはボールを奪う位置が低いために、攻撃が続きません。

10分にはクロスを東口がキャッチできずにこぼしたところを武藤に決められましたが、VARによって救われました。このシーンは守備陣全員が緩慢な感じがして、嫌な予感がします。

12分、神戸のトゥーレルが足を痛めて交代。両チームとも不安な序盤です。

その後も神戸がボールをつないで攻める展開が続きます。ガンバは堪える時間が長く、神戸のペースであることは間違いありません。

21分、ガンバの久し振りのチャンスでファンアラーノが上げたクロスにレアンドロペレイラが合わせようとして、神戸の菊池と頭が衝突してしまい一瞬ヒヤリとしました。

26分にはカウンターから神戸にシュートを打たれるも東口がキャッチ。神戸が手数を省略して前に出して狙うようになってきました。直後には左からのクロスをダイレクトボレーで狙われますがコレも東口が片腕で弾きます。この時間帯から東口頼りのサッカーになるのはかなり白目をむきそうな状況です。

4−4−2のブロックの外側、サイドからの展開でクロス、そしてロングボールでDFラインと競争という神戸の攻め方にかなり苦しめられています。

前半途中でのポゼッション率では神戸が3分の2を上回るほどで、スタイルの差と言うよりもただ単に神戸が押し込んでいます。

ガンバはどうやって攻撃するか、シュートまで持っていくか、というところで個人技頼みかロングボールしかないように見えるのですが、それはもはや2017年頃からずっと抱えている問題ですので、それについてはもはや現チームの悩みではありません。

それでもラスト10分くらいは良い流れが続き、終了間際には黒川がエリア内に侵入したところにスルーパスが通りますがシュートは枠を外れました。そこで前半終了。

全体としては神戸が一方的だったとも言えますが、最後の方は悪くはありませんでした。

神戸は後半から満を持して大迫が投入されました。トゥーレルの代わりに入った小林を下げたのがちょっと謎ですが、それはともかくガンバは交代無し。

49分、齊藤未月が遠目から巻いてゴールを狙うも外れました。後半の試合の入り方は悪くありません。

逆に50分には神戸に攻め込まれるもギリギリでシュートを身体で止めて助かります。その直後にファンアラーノのクロスは惜しくも2トップに合わず。さすがに後半は双方危険なシーンが入り混じります。

52分、ガンバのFKからこぼれ球をパトリックが押し込みましたがオフサイドの判定で取り消し。

55分、ガンバが左サイドでキープし続けて、最後は黒川が完全に背後を取ってグラウンダーのクロスを入れ、ペレイラがしっかり決めて遂にガンバが先制します。

途中でファンアラーノと食野が左右を入れ替えていました。前節もありましたので、もしかしたら元々ある程度の状況から決まっているのかも知れません。

68分には神戸のFKから頭で合わされてピンチを迎えましたがシュートも打たれず助かりました。

直後にカウンターからアラーノのパスを受けたペレイラがシュートを放つもGKに弾かれました。

69分、後半はミスも目立った食野に代えて福田、そしてパトリックに代えて鈴木武蔵が投入されます。今日は調子を見るにパトリックよりもペレイラの日でしょう。

70分にも大迫のシュートを東口が距離を詰めてブロック。

72分には神戸のCKを東口が触れず、大迫がファーで折り返したボールに誰も詰め切れずにゴールラインを割りました。

77分、神戸のFKを福田が胸でトラップして流れたボールを蹴ろうとした武藤と福田が交錯。後ろから福田が蹴った形になり、VAR、そしてフィールドレビューによってPKの判定となりました。福田は蹴るのではなく身体を入れるようにすべきだったのでしょう。抗議をしたペレイラに警告も出されてしまいます。

このPKを大迫が決めて1−1。試合は83分に振り出しに戻りました。

ガンバは86分、山本とアラーノを下げてダワンと小野瀬を入れました。

アディショナルタイムは6分と、VARで時間を取った割になぜか少な目です。

そして93分、鈴木武蔵がバックパスを誤り、奪われたボールをつながれて大迫に逆転ゴールを決められてジ・エンド。

途中交代の選手が得点した神戸、失点の原因を作ったガンバということになりました。代表では色々言われていましたが、大迫はエースと呼ぶにふさわしいFWでしょう。

ガンバは1点取った後の戦い方に問題があったのは間違いありません。現有戦力の問題でもありますが、こういう事態を招いたのは現場よりもガンバ全体の問題でしょう。

天国から地獄とよく言われますが、今日の試合で言えばリードしている状況は決して天国ではなく、地獄の上で一本の糸につながれた格好だっただけです。

これでついに降格圏内の17位に落ちました。紛れもなく残留への赤信号状態です。ここから挽回するには奇跡しかありません。

京都サンガもFC東京に敗れて混戦は続きますが、ガンバは15位湘南、16位京都よりも試合消化が1つ多いことが難点です。

残り4試合中で3つは勝たないと残留は無理でしょう。残る対戦相手は柏、マリノス、磐田、鹿島ということを考えると気が遠くなります。

こうなったのは昨日今日の問題ではないのですが、クラブ内の偉い人がそれを理解してくれているかが一番の気掛かりです。そこを誤ると、来年以降の復活もあり得ません。

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