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いますぐ必要なのは現金給付であり、不要な人からは累進課税で取り戻せばいい

新型コロナウイルスが与える様々な影響は多くの分野に及び、健康不安だけではなく経済活動に壊滅的な打撃を与えています。

日本政府も一応は、企業に対して従業員を解雇したり強制的に出社させないようなサポートを打ち出してはいますが、必ずしも利用されているわけではないようです。

サイゼリヤでコロナ助成金の「不使用」が問題に 独自の”特別休暇“に不満や疑問の声
https://news.yahoo.co.jp/byline/konnoharuki/20200402-00171115/

助成金を企業が申請しない理由は様々だと思います。ただ単にこれまで通りの企業経営を行いたいから強行しているケースもあるでしょうし、助成金申請にかかる手間暇をかけたくない・かける余裕がない場合もあるでしょう。もしくは、助成金が企業にとってあまりメリットがない、つまり助成金が企業のニーズから外れているのかも知れません。

ただ、企業対象の助成金で国民の生活を保障するというのはある意味、迂遠な援助であり、確実かつ迅速な生活支援は間違いなく、国民全体に直接現金給付するしかありません。

生活困窮家庭にのみ、一世帯30万円の給付を行う、という方針が出ましたが、はっきり言うと足りないでしょうし、申請のための準備をして、申請して、申請後は役所でチェックしてからようやく支払う、ということになると時間がかかりすぎます。生活に困窮している家庭は、数ヶ月後に困窮するわけではなく今、困窮しているはずです。

高所得者にまで給付するのは良くない、という理屈よりも、余分が出たとしてもすぐに助ける方が優先すべきだと思いますがどうなんでしょうね。全国民に一斉給付する代わりに、企業対象の助成金も削ることが出来ます。企業の総務担当の負担もありません。助成金制度には当然ながら審査がありチェックに多くの時間と人手が必要です。支給条件を限定した現金給付についても同様で、現場の公務員の残業代、あるいはサービス残業のための体力気力を必要とします。そういった表には出ない負担を、国民一律の現金給付は省くことが出来るはずです。

全国民に100万円給付する代わりに、半年間は生活維持に必要な行動以外は外出を禁止することが出来るでしょう。水道・電気・ガス・電話・インターネットといったライフライン、鉄道(旅客・貨物)・海運などの輸送、衣食住のうちの食料販売(服と住まいはなんとかなる)あたりの仕事はストップ出来ないでしょうけれど、その他の企業は多くは営業停止もしくはテレワークのみ認める、ということにすれば相当に感染を減らせるはずです。

100万円で半年、というのが多すぎるのであれば、まずは50万円で3ヶ月外出禁止にして、2,3ヶ月後の状況を見てさらに追加で50万円&3ヶ月外出禁止を行う、ということでも良いでしょう。

もちろん、高所得者や資産家にとっては不要な支給ですが、その分は所得税の累進課税部分で調整して、高所得者への税額を時限立法で一時的に高くすれば取り戻せるはずです。今年度は高所得者も減収になるでしょうから、1年限りではなく2年や3年に渡って累進課税を薄く増やす方が良いかもしれません。

また、すぐに不要な人は給付を預金に回して消費に使用されない、という意見もありますが、そもそも今は消費する先もありません。コロナ禍が収まってから、預金に余裕があれば使いたくなるという心理もあるはずです。預金に回った分は銀行が融資に回せなくても国債を購入して、その国債を日銀が購入して最終的には政府に戻ってきます。統合政府の考え方ですね。これが良いかどうかはまた別の問題でしょうけれど、国家財政を悪化させないために貧しい人は死んでください、という政府よりはマシなんじゃないですかね。

しかし、そもそも最低限の収入を全国民に確保するベーシックインカムが存在していれば、このような急な現金給付も不要でしょう。賛否両論というかおそらくは否定的な意見の方が多いかも知れないベーシックインカムですが、節約すれば何とか生きていけるようなくらいの現金収入が毎月確保されているのであれば、多くの人はわざわざ危険を冒してまで毎日仕事に行かないですよね。

今回の新型コロナウイルスによって、ベーシックインカムの必要性を訴える人が増えるのではないかと思っています。北欧などの福祉が重要視されている国であればどこか始めるかも知れません。まずはそもそも落ち込んだ経済を復活させるための政策が最優先でしょうけれど、ベーシックインカムによって将来の危機においても収入そして生活の不安がなくなれば、かえって安心して消費が増えて経済の復活も早くなると思います。

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