プーチンによるウクライナ戦争と北方領土に関する示唆

ロシアのプーチン大統領が、日本との平和条約に関してこれまで通り強硬な姿勢を変わらず示しました。

この中身自体はいつも通りというか、まあ驚きではないのですが、平和条約交渉のためには日本がウクライナ戦争に対する姿勢を変えるべきだとはっきり主張したのですから、逆に言うとウクライナ戦争でロシア支持、もしくは少なくとも中立の立場に立てば、交渉の余地はあるということです。

もちろん、現在の日本がウクライナ戦争に関して、アメリカとの協調を捨てるわけがないと分かっているからこその発言なんでしょう。

ただ、ウクライナでの戦況が著しく悪化したらどうでしょうか?

10年前に用意周到に準備して奪取し、ロシア系住民も多いクリミア半島を失いそうな事態にまで陥れば、一発逆転の停戦目指して、日本に秋波を送ってくるかも知れません。

日本に対するロシアの国家的手土産としては、北方領土返還しかあり得ません。

もうだいぶ前のことですが、こんなnoteも書いたことがありますけれど、

じゃあ実際に起こり得るのかと言うと、さすがに無いでしょう。北方領土奪回を求めていないわけではなくて、ロシア国内の状況として、プーチン大統領よりも強硬路線を求める極右勢力が、西方での領土維持のために極東での領土放棄を認めるわけがないからです。

緩衝地帯としての役割や人口・経済規模などでは北方四島とクリミア半島では比べるべくもありません。しかし、北方領土(クリル諸島)戦略的には重要な位置にあります。もっと先の話で言えば、地球温暖化がはるかに悪化して南方に住めなくなったとき、北海道は自衛隊と在日米軍にとって重要かつ巨大な橋頭堡になります。その北海道の後頭部を牽制できるクリル諸島を手放すわけがありません。

ともかく、極右の保守思想の連中が、国土を失うことを何が何でも認めるわけはなく、こんな交渉が表沙汰になったときから、プーチン大統領は極右勢力からの暗殺に怯えることになります。

まあどちらにせよ絵空事です。もっと小さな手土産で日本に停戦を依頼してくる可能性はあるでしょうけれど、これはこれでどちらにせよ日本がそんな交渉に深入りすることもないでしょうから、結局何も無いまま戦争は続きます。

ちなみに、ロシアが中国に停戦交渉を依頼することもないでしょうね。ロシアが経済的に中国に依存すればするほど、中国に弱みは見せられませんし。

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