輪郭は曖昧でいい

「あのころ」の話をしないでほしい。勘違いだけをしていればいい、生きることの意味なんか、どうでもいいと言えばいい、言ってほしい。
時間を歩むことをやめられないってこと、気づいてしまったからもう終わりだねって思ってる。
地面に足がつく0.1秒手前、こわくて息が止まってしまう、また一歩進む、少し後悔する、とめられない、なさけない、受け入れられない 、また進む。
生命力とも言えてしまうような、本能のつめたさを憎んでは、今日も生きて、一応、自分の首を締めてみたりして、明日着る服を決めてから眠る。
僕を置いていかないでほしい。ただそれだけ。

きみが自殺する夢をみた、って、朝いちばんに泣きついてほしい。生きていてよかったってその場でみっともなく崩れ落ちてほしい。
この世に、空き缶たいなこの世の中に、生きているならそれくらい願わせて。誰かに愛されることを、まだ諦めきれていない。

劣等感だとかそういうものを、かかえて醜くてもそれでいいと思いたい。私は私でありたいとか、ほかの誰かになりたいとか、唯一無二でありたいとか、みんなとおなじになりたいとか。そういうわがままいっぺんにかかえてても許されるよ、たぶん。
輪郭は曖昧でいい、やわらかくて脆いほうがいい。


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