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【ISO30414に対する考え】#9人的資本情報の公開と改善

最終更新日:2024年4月26日

変革のための目標設定

分析した人的資本情報をどのように公開すべきか、あるいは公開しないかは各社の判断によって異なります。良くない数値であれば、内部改善に用いるだけになることもあります。
人事部門として考えていただきたいのは、どれか一つの指標だけでも変革のための目標を定めることです。その目標達成について経営層のゴーサインを得られたら、計画を策定してください。
会社業績との相関、あるいは反相関が高いものについては優先度を高めてみてください。特に以下の領域については、意識的に改善計画を考える必要があります。

■コンプライアンス及び倫理
低い数値が出る組織は、そもそもコンプライアンスを軽視している傾向が強い。
■スキル及び能力
伝統的な会社ほど従来の業務の進め方にこだわり、環境変化に合わせた業務の変革ができないことがある。また新興企業では、個人スキルに頼りすぎて組織として活動できていないことも多い。
■サクセッションプラン
意識しないとまずできない。ただし、どのように進めるかは常に難題となる。

会社全体で考える会社と個人の成長

変化の激しさが人的資本への着目を生み出したわけですが、そこから導かれる答えは行動の変革です。
伊藤レポートにあるように、人的資本により企業価値が創造され、会社と従業員との間で選び、選ばれる関係が循環し、個の自律・活性化が進んでいる状態が目指すべきゴールです。

今までは人事部門だけが人事関連の対策を考えてきました。しかし、人的資本という観点から経営課題としての価値を与えるものが今回の取り組みです。
経営者と一丸となり、自社の人的資本の改善を図り、企業価値の向上を目指していきましょう。

セレクションアンドバリエーション株式会社 

「ISO 30414:2018
Human resource management — Guidelines for internal and external human capital reporting」(International Organization for Standardization、2018)
「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 報告書」(経済産業初、2020)

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