見出し画像

CHROってどんな時に必要なのか?

セレクションアンドバリエーションの平康慶浩です。たまに「へいこう」さんとか、なぜか「へいあん」さんと呼ばれますが、「ひらやす」です。

今回は、CHRO(チーフヒューマンリソースオフィサー)の具体的な職務についてご紹介します。

残念ながら、CHROは多くの企業に設定されていません。
でも、だからいらない役割なのか、というとそうではないです。
むしろ、企業に「とある条件」がそろっている場合に、絶対にいた方がよい役割なのです。
それがどんな条件なのかは後程ご説明します。

さて、弊社では様々な会社の人事戦略、人事制度、運用、教育研修などをご支援していますが、その中のひとつに、会社の人事機能の整備というものがあります。

特に、成長著しい企業におかれましては、それまで勤怠管理と給与計算と採用を主に行っていた人事部門が、人事企画機能を持つようになるタイミングで制度構築を図る場合が多いからです。

そのため弊社では、HRBP(人事に関して社内の事業部門のニーズに合わせた細かい企画と運用を行う役割。HRビジネスパートナーといいます)のご支援や、HRBPそのもののアウトソーシングを請ける場合もあります。

そんな成長著しい企業において、人事部長がやがて人事役員に昇進されてゆきます。管理本部長として昇格されることも多いのですが、特に昨今、人的資本の情報開示の重要性も明らかになりつつある中で、人事担当役員としてのCHROとなられる方も増えつつあります。

ではCHROとはどんな仕事をする役割なのでしょう。

正直、CHROという役割そのものが、他のCXOより少しマイナーな感じがするのは事実です。

CEO、COOはほぼどの会社にもいらっしゃいますよね。

次いでCFOがメジャーです。上場企業には高い割合でいらっしゃるポジションです。

その一方で、CHROは少ない。ある会社の調査では、日本の上場企業でCHROを設置している割合は10%程度だというものもありました。

弊社でも、取締役会のスキルマトリックスの調査を行っていますので、それなりの数の企業を調査してきました。その中でCHROが存在する会社はごく少数でした。
(スキルマトリックスの調査や、ベンチャー企業を中心にした役員構成についての調査分析は、当noteの別の記事で詳細に書いていますので是非ご覧ください。)

でも、最初に記したように、ある条件がそろっている場合に、CHROは絶対にいた方がよい役職になります。

それは、複数の事業経営を行っている場合です。特に持株会社形式をとり、事業会社にそれぞれ本当の意味での経営者(取締役)を配置している場合には、必須とさえいえるでしょう。

実は複数の事業経営を行っている場合に、CEOとCOOをつなぐところに位置するのが、CHROとなります。

実際にとある会社でCHRO役割を設置したイメージ図を示してみましょう。

画像1

この図にあるように、CEOは総監督で、COOはそれぞれの事業の責任者です。

そしてCHROは、CEOの戦略達成のためのCOO候補を発掘し、育てる役割を担います。

ここに示した例で、飲食やアパレルなどを複数展開してきたグループ経営会社のものですが、それ以外にも多くの会社でこのようなCHROの役割が求められ、発揮されてきました。

ではCHROが果たす戦略的人事機能は、より具体的にはどういうものなのでしょう。

これも図示してみますが、人事フローの中で、評価などを通じた「人の関する情報の可視化」を軸に進める職務です。

画像2

ここで示した、配置、評価、報酬、教育、そして採用と退職は、いずれも明確な軸に沿って考えられ、遂行されます。

その軸こそが戦略であり、具体的に求める人材像となるのです。

ではそれらをさらに具体化した職務には何があるのでしょう。

続きはこちらに書いています(無料です)。


セレクションアンドバリエーション代表