見出し画像

ホテルの未来について考えた

緊急事態宣言が続くなか、この春も「謝恩会、歓送迎会、卒業旅行は控えるように」という分科会の見解が示された。「ああ、またか」そう思った業界関係者は少なくないだろう。「この先、感染が収まっても以前のような大宴会場を使った大規模なパーティ(お寿司の屋台に行列ができるような・・あれば好きだったなぁ)は復活するのかしら。芸能人の披露宴のテレビ中継なんてもうこの先ないだろうなぁ。徳光さんのお仕事なくなっちゃうなぁ」なんていろいろ考えた。

帝国ホテルがサービスアパートメントを展開する(さすがというかびっくり!)他の大手ホテルも本格的に追従する動きがあるようだ。テレワークプランはあたりまえ。都心に1ヶ月、「いやもうどうしても・・・」という事情によっては出せない金額ではないか。いよいよ業態の変革が一気に進みそうな予感がする。

コロナの感染が収束⇒終息しても、人々が受けた強烈な「非接触体験」はホテル利用の面でもその価値観を変えたのではないだろうか。自動チェックインだとサービスレベルが落ちるなんてもはや言ってられない。人でなければならない理由は何だろう?AIと共存し、補い合うホスピタリティはこれからは必要になると思う。そして大切な人材の問題だ。

先日、専門学校・大学で学生をホテル業界に送り出す立場の知人が「数百名いる学生の中で、今のホテル業界を志望するのは30名ほど。呆然とした」と言っていたのには驚いた。現時点で、新人や若手を指導する中堅スタッフの離職もこの1年で進んでいると聞く。-現場で教える先輩がいない- そんな状況も生まれている。

これはコロナのせいだろうか? 私はそれだけじゃないと思う。以前から問題には気づいていた。転職の多さ、理想と現実のギャップに心折れる新人、描けないキャリアデザイン、人員の「調整弁」にどうしてもなってしまうパート・アルバイト人材。これでは質の高いサービスは無理。業態や組織の変革、そしてホテル業界の可能性と未来をあらためて考え直す機会が、今だと思う。「この仕事に就いてよかったなぁ」「後輩にも勧めたい」。働く人が心から微笑むことで価値を生む、そんな業界のはずだ。

このままじゃ、あまりに悔しいわ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?