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第22話 習熟

コンサルタント四方山話を5回書きましたが
そろそろ人材育成に戻ろうと思います。

今回は
仕事に「習熟」する際のポイント
を取り上げます。

「習熟」とは、その仕事に慣れ、上達することです。
何をどうするか、いちいち考えなくても
やり方がわかり
どうすればいいか判断ができ
実際に体を動かして対応できる状態です。

第21話 意図的・計画的OJT
でご紹介したように
職場でOJTがきちんと行われていれば
仕事が段階的に、簡単なことから順に与えられ
遂行上のポイントも説明してもらえ
習熟しやすい環境になります。

しかし、
OJTがなければ習熟できない、
というのでは
自分のためにはなりません。

ここでは、
自ら仕事に習熟するための急所を考えてみましょう。

(1)反復する
まず仕事に習熟するためには
反復経験が必須であるという
自覚が重要です。

習熟とは
慣れること、当たり前になること
であり、
それによって
いちいち考えなくても処理できる、
遂行できるようになることです。

分かりやすく言えば
反復の回数こそ
習熟に近づくバロメータ
と言えます。

仕事の頻度やタイミングが決まっている場合は
難しいかも知れませんが、
可能な範囲で
自ら手を挙げて担当し
意図的に反復機会を増やす
意識が必要です。

(2)イメージする
実際の仕事で反復経験を積むことが
基本ですが、
実は仕事をしていない時に
処理の仕方、手順、やりとげた状態等を
頭に思い描くことが習熟を助けます。
いわゆるイメージトレーニングですね。

日々のルーチンワークであれば
反復経験しやすいですが、
月1回とか年に数回しかない仕事は
反復経験がしにくいことになります。
こうした仕事では
イメージトレーニングが
習熟の大きな差になっていきます。

(3)観察する
闇雲に反復しても効果的ではありません。
仕事の遂行ポイントを理解して
反復する必要がありますね。

自分の経験から
ポイントがつかむことができればいいですが、
うまくいかない時、
自分が何に陥っているかを
客観的に見つめ、気づくのは
意外に難しいものです。

そこで大事になるのは
同じような仕事をしている人を
観察することです。

予め
「あの先輩を観察しよう。」
「あの後輩を観察しよう。」
と決めて
日頃から仕事の仕方を注意して観察します。

こうすると、
何らかの成功や失敗が起きた時に
その要因を見つけやすくなり
自分の意識や行動に役立てることにつながります。

(4)応用する
仕事の習熟ポイントが分かれば
応用できるようになります。

例えば
「Aの仕事は特に最初の段階での正確性が重要だ」
と分かったら
他に「正確性」を特に求められる
Bという仕事があれば
AとBの仕事を関連づけて
経験することができます。

つまり、
「正確性を高める」
という観点での「反復」になるわけですね。
こういう意識で経験を積めば
A、B両方の仕事の習熟に有益と言えます。
応用的反復を意識するということです。

(5)改善する
最後に仕事の「改善」を考えます。
今の仕事のやり方の良い点、悪い点をつかみ
より良い方法を考え
実行に移すことができれば
まさに
「その仕事をよく理解している」
ことになります。

これは
既存のやり方を受け身の気持ちで学んでしまい
発想が凝り固まってしまうことを
防ぐ意味もあります。

以上、習熟の5つのポイントをご紹介しました。
習熟は「反復の量と質」で決まります。
そのためには
意図的な経験が大切というわけです。

仕事の習熟において、
皆さんは何が大切と考えるでしょうか?

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