見出し画像

「ひとり情シス」という名の呪い

この記事は corp-engr 情シス Slack(コーポレートエンジニア x 情シス) Advent Calendar 2020 9日目の記事です。

 はじめましての方ははじめまして。そうでない方はいつもお世話になっております。「ふらふら」と申します。

 今回は「ひとり情シスという名の呪い」について書いていきます。汎用的な話ができればいいのですが、それはできそうにありません。

 ひとまず、にかかっていた ”ひとり情シス” という呪いの話をしていきます。

 もし同じような呪いに苦しんでる人がいたら、すこしは参考になるんじゃないか、なればいいなという想いを込めて、自分語りをしていきます。

■  ひとり情シスだった「わたし」

 ひとり情シスという言葉は、表面的には「会社にひとりしかいない情シス」のことを指します。

 IT に関わる経営戦略から業務改善、ヘルプデスクから IT 系雑務までを一手に引き受ける、ひとりの人間。いろいろな製品やサービス、技術トレンドを常にキャッチアップし、提案したり運用したりしながら勤め上げても

「何やってるかわからない」
「いいよなあ、ネットしてれば給料もらえるんだろ?」

などと言われてしまう、社内でも孤立しがちな存在でもありますね。

 わたしもそういう ”ひとり情シス” でした。

 地方の企業ばかり 4 社で情シスとして働いてきましたが「私以外の情シスを肉眼で見たこと」が一切ない、そんな 10 年間でした。

■ ひとり情シスじゃないと気づいた「わたし」

 そんなわたしが、私以外の情シスを肉眼で見ることができたのは、忘れもしない昨年の10月25日。情シス  Slack のオフ会でのことでした。

 当時の私の興奮たるやすごいものでした。世界の吉田さんの伝説的な LT を生で見れたということももちろんですが、それ以上に、情シスって本当に存在するんだ!ということにびっくりしたのです。

 その夜はなかなか眠れませんでした。それまで仲間も作れず、誰にも相談できず、ひとりっきりで右往左往していた私です。なのに、私なんかよりずっと上のレベルにいる人たちが LT をして惜しげもなく知見を披露する ― そんな世界線があるんだ、触れることができるんだという気づきは望外の喜びでした。ひとりじゃない、同じ仕事をしている仲間がいるんだ!
※ ただし首都圏に限る

 その喜びを反芻するまもなく、新型コロナウィルスがやってきました。

 ウェビナーが増え、イベントもオンライン化。いままではわざわざ首都圏に出向かなければ得られなかった情報がお手軽に取得できるようになりました。加えてオフラインでは出てこなかった地方の情シスたちも、ちらほらとオンライン上に出てきてくれました。交流も発生しました。首都圏にしかいないと思っていた情シスは、なんと、地方にもいたのです!

 ありがたいことに、地方情シスの交流の場をばるすさん、かふぇさんが作ってくれました。(その裏側におそらく某社の社長様がいてくれたこと、この場を借りて感謝いたします。ありがとうございます。)

■ 「わたし」にかけられた呪いの正体

 コミュニティを通じて、外部と交流をさせてもらうことができて、気づいたことがありました。

 私は「自分だけがこの地方にいる情シスだ」と何故か思い込んでいました。だから、自分ひとりがなんとかしなくっちゃと変な気負いがあったんです。

 少しでも IT に関するものは何でも引き受け、やってきました。私が手を引いたら、退職したら、このシステムは、会社はヤバい方向に進んでしまうのではないか。 ― そうならないよう、多少強引でも嫌われても社内で「ひとり」になったとしてもプロジェクトを進めなくては…と勝手に吹き上がっていたのです。

 これが、私にかかっていた "ひとり情シス" という呪いの正体です。

 現実には、私以外にも情シスはいるのです。相談もできるし、なんなら副業をお願いすることもできるでしょう。地方であれば難しいかもしれませんが、私ごときが退職したって補充も効くはずです。

 それなら、自分で全てを背負って何とかする必要はありません。社外を見渡せば、情シスはいます。少なくとも見つけようとすることはできます。

 だから、勝手に、情シス的な業務ができるのは私 "ひとり" なんだと馬鹿みたいな気負いをする必要はないのです。

 それに気づいたとき、呪いは解けました。

■ 呪いが解けて冷静になった「わたし」

 何かあったら頼るべき人がいる、コミュニティがある、ひとりじゃない。

 それはいいのですが、私はどんなことで貢献できるのだろうかと振り返ってたところ…嗚呼恐ろしい。なんということでしょう。

 気づけば私は紛うことなき「おじさんSE」になっていました。つまりは、あんまり貢献できることなさそう。

 うわあコレ私もじゃん?と愕然とはしましたが、現実は現実として受け入れて、そこから脱却すればいいんです。新しい技術やサービスをキャッチアップしていったり、詳しい人と刺を通ずるなどして面で対応できるようにすればいいんです。よおおし!やっていき!!

 と社内業務も社外の交流もと両面でやっているうちに、私の目にちらちら映るものがありました。どんな素晴らしい仕組みを作っても、それに適合しなければ廃棄をせざるを得ないくらいの影響力を持つアレです。

■ 「おじさん SE」が選択した次の一手

 情シスとしては、私は経験年数が長いだけの未熟者です。あたりまえですが若いもんに負けます。Git はわかりませんが CVS は(おそらく今でも)使えますってレベルといえば…たとえが古すぎるかもしれませんが何となく伝わるかもしれませんね。

 いわゆるモダンな技術を学んで自分のものにして情シス力を高めるという王道もありますが、今回は前述のアレとの掛け算 ―「法律」×「情シス」で攻めてみようと思います。すべての業務の盾にもなり鉾にもなるでしょうし、何よりとっても面白そう。

 ということで今年~来年はそちらの勉強を中心にやってみたいと思います。ただ勉強するのもつまらないので、行政書士の取得を目標にします。歌って踊れる…もとい、法律を理解して適切な手を打てる、総務よりの情シスにジョブチェンジすることにしましょう。得られた知見や失敗は、どこかで  LT なりアウトプットのネタにしていけば一石二鳥です。

■ 最後に

 情シス Slack というコミュニティの存在が爆発的に有名になったのは、おそらく日経 XTech さんのこの記事からです。とても良い題名ですね。

 我々は「ひとり情シス」ではあるかもしれませんが、一人じゃない。いろんなことを共有しながらみんなで情シスをやっていけば、御社も弊社も、自分も相手もハッピーになるんじゃないかなと思います。

 そういうコミュニティがあること、参加してくれる人達がいてくれることに最大級に感謝しています。本当にありがとうございます。みんなで助け合って、いろいろやっていきましょう。

 さて明日は、我らがちょいワル社長(仮)おかしんさん @okash1n の記事です。私も剃り上げようかなあ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?