見出し画像

海外では人目を気にせず自分らしくいられるって本当? | 30代のアメリカ生活

「海外では周りの目を気にしなくて良い」
「海外で過ごしていると自分らしくいられる」
「日本では人の目を気にしてばかり」
「日本は同調圧力が強くて周りと同じようにしないといけない」

本当にそうなのでしょうか?

わたしは常々これに疑問を持っています。

そもそも「海外」ってどこよ?日本以外全部そうなのか?という疑問がありますが、おそらくこういったことを言っている人は北米をイメージしていることが多いのかなと思います。ここからも「海外」という言葉を使いますが基本は北米をイメージしていただければ。

※わたしは特別に北米に詳しいわけではありません。また、北米と言ってもとても広く地域による差もいろいろあると思います。わたしがわたしの周囲を見て感じたこと、考えたことを綴ったものになります。




本当に海外の人は周りの目を気にしないのか

まず一つ感じるのは、数日、数週間海外に行ったぐらいで、街ゆく人を見たりカフェやレストランで注文をしたりしたぐらいで、人々が周りの目を気にしていないってわかるのでしょうか。

例えば海外に行ったときに関わった人たちがわたしのことをどう思ってるか、わたしの服装や振る舞いを見ても特に何も気にしていないのか。はたまた彼らがわたしや周囲の人からどう見られているかを気にしていないのか。

わたしは正直わからないです。

確かに彼らは、体型や年齢に関係なく露出の多い服を来ていたり、女性がお化粧やヘアセットもそこそこにラフなスタイルで外出していたりします。
エレベーターやバスで居合わせた人同士で会話をしたり、カフェの店員さんやすれ違っただけの人が「その服素敵だね!どこで買ったの?」と突然話しかけてきたりします。
人前でもパートナーとキスやハグをしたり、音楽に合わせて踊ったりしますね。

それって周りの目を気にしていないからなんでしょうか。
わたしはこれって「周りの目を気にしていないから」ではなくて「彼らの文化ではそれが当たり前だから」なんじゃないかと思います。「そういった振る舞いをするのがスタンダード」ということです。

例えば、服装について言えば、日本のロリータファッションって一昔前はかなり珍しく街中でそういったファッションの人がいると物珍しく見られていたような記憶も薄らあるのですが、今は特に気を止める人は多くないように感じます。これってロリータが日本でファッションとして受け入れられてきたからなのかなと思っています。(自分がそういったファッションをしていないので違ったらすみません。)

海外で年齢や体型に関係なく露出の多い服装の人がいるのは、露出の多い服が若者だけのものとは考えられていないから、歳を重ねた人は肌を隠した方がいいという感覚がないから、ということではないでしょうか。女性の正礼装であるイブニングドレスって肌を露出するのがマナーだったりしますよね。


同調圧力は日本だけ?

確かアメリカの方だったと思うのですが、こういう話を聞いたことがあります。
「僕の国では明るくフレンドリーに振る舞うことが当たり前で、周りに親切な振る舞いをしないといけない、そうしないと変わり者、嫌なやつだと思われる。自己主張をすることが求められ、主張しないと理解してもらえない、存在を認めてもらえない。」と。

また、少し古いですが、ドラマ「フレンズ」ではこんなエピソードがあります。
・ロスが「男のナニー(ベビーシッター)なんて気持ち悪い、生理的に受け付けないので雇いたくない」と主張するエピソード
・ジョーイが気に入ったトートバッグ(ユニセックス商品という設定)をみんなが「そんなものを持つのは女みたいでおかしい」と笑うエピソード

そのほかにも、男性はマッチョでないと、この色を着ているとゲイ、イケてる女子はこれを持ってる、とかいろいろ。

この辺りの話もわたしは人から聞いたりテレビで見たりしただけで、現地で実際どの程度強く感じられているのかはわかりませんが、海外にもそれぞれの国で違った形、考えの同調圧力があるのだと思います。日本とは違う考えに基づくものも多いので、日本の感覚が馴染まない、別の国の考え方が合っている人がそういう国に行けば「日本と違って周りを気にしなくて良い!」と感じるのでは。

元々の性格として明るくフレンドリーで積極的にコミュニケーションを取りたい人や開放的でカジュアルな服装が好きな人であればアメリカはとても快適だと思いますし、同調圧力も圧力と感じないですよね。逆に積極的に人付き合いをしたくない、一人行動が好きという人であればアメリカより日本の方が暮らしやすいんじゃないかと思います。


ただ、海外の場合はそもそも移民が多く、その国の従来の文化に染まっていない人もたくさんいるので、考え方や振る舞いが画一化されておらず、同調圧力が働かない、そのため「他人の目を気にしていない」ように感じるというのはあるかと思います。

でもそれは「同調圧力がない」んじゃなくて、「自分が感じ取っていない」だけっていうことなんじゃないかなーと思っています。もしくはそもそも言葉やジェスチャーがわからないからどう思われているか気にしたくても「わからない」ということも。
それってつまり、「日本が同調圧力が異常に強い」のではなくて「周りに合わせないといけないと感じてしまう」受け手側日本人の感覚なんじゃないでしょうか。


日本では周りの目を気にして生きなければならないのか

逆に、日本で最初に挙げたような服装や振る舞いをしたら本当にじろじろ見られたり嫌な顔をされたり、注意されたりするのかという話。

ちなみにわたしは日本でノーメイクにスウェットで普通に外出する時もあります(もちろんおしゃれをしたい時はしっかりお化粧をして思いっきり可愛い服を着ます)。街中でパートナーとハグやキスもしますし、時には踊ることもあります。
自分から知らない人に突然話しかけることはないですが、話しかけられても別に嫌な気持ちにはなりません。ちょっとびっくりはするかもしれないですね、あまりないことなので。

それでも変な目で見られたり、悪く言われたりしたことはない(少なくとも感じたことはない)です。内心どう思われているかは知らないけど。内心どう思われていても別に良いじゃん、危害を加えられなければ、と思ってます。

逆にわたしアメリカに来てからは、日本で来ていたような可愛い服おしゃれな服を着ていると見るからに外国人感が出てしまうので、そういう服は封印してTシャツにデニムや適当なワンピースなどラフな格好にしてます。これは同調圧力ではなく、犯罪などの標的にならないようにという勝手な自己防衛策ですが(笑)身を守るために服装は変えています。

もちろんそう言った話以外にも、飲み会への参加についてだったり、何かに挑戦することをネガティブに捉えられがちなことだったり、いろいろあるかもしれません。「出る杭は打たれる」というのは確かにあると思います。
でも周りと違うことをしたから何か言ってくる人ってその人がそれまでの人というだけで、結果を見て後から言うことが変わる人の意見なんて気にしなくていいと思うんです。飲み会とか小さなことで実際に評価が変わってしまうような会社であれば、それは環境を変えた方がいい(異動希望を出す、転職する)と思います。日本だってそんな環境ばかりではありません。

先ほど受け手側の感覚と書きましたが、日本人が日本で「こうしないといけない」「こんなことしたら変な目で見られる」というのは、周りに本当にそう言われるのではなくて、自分が自分で思ってしまっていることもあるのでは。


最後に

わたしは日本もアメリカも、その他住んだことがある国もどこも大好きで、どこに住んでいても自分らしく生きられていると思っています。「日本は同調圧力が強くて嫌な国だ!海外を見習うべきだ!」というような主張を見るといつも悲しく思うので、こんな考え方もあるよというのを書いてみました。

どの国にも良い面、悪い面はあります。本当に悪いところは良くなっていくのがもちろん良いのですが、住めば都、どこでも割と楽しく生きられるわたしとしては、自分の考え方、感じ方を変えてみるとちょっと楽になるかもいうのをこの記事でシェアできたらいいなと思います☺️


▼ 他のアメリカでのお話はこちらから ▼


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?