組織を変革するために必要なのは危機意識ではなく希望ではないか

コッターの組織変革プロセスでは、
まずは危機意識を高めることから始まる。

危機意識を高め、チームを編成し、ビジョンを掲げ、変革に取り組む。
そのプロセスで組織が変革しやすい傾向があることはよく理解できる。
マンネリ化していた会社が、外部環境内部環境の変化により危機意識が芽生え組織が変わるようなサクセスストーリーをよく聞くことも有るだろう。

しかし、危機意識で本当に組織は変革することができるだろうか。
そう思ったのも、私の組織の現場のメンバーからのこんな声からだ。

毎回目標には届かない、このまま目標未達が続くと会社の存続は危ういとはわかっているけど、目標達成のために一生懸命頑張り続けるしかない。
このままではまずいから、組織はかわらないと行けないという課題感はずっとある。やらなきゃ行けないけど、組織を変える余裕がない。

つまり、危機意識はあるのだ。
しかし、目標を達成することに終われ、行動をする余裕がないのだ。
若干ここには諦めも有るだろう。危機意識のメーターがバカになってしまっている。危機意識はあるが、難しいと思っている。余裕がない。諦めている。

そんな組織が変わるためには何が必要なのだろう?

答えは希望なのではないか?
このままじゃあまずいだけじゃなく、
組織を変えられるかもしれないという希望が組織を変えるきっかけとなる。

組織変革の先に、希望があればその先に向かってなにか頑張ろう
変えようという気持ちになるだろう。
自分が何をやっても変わらない、危機意識があっても自己効力感が低く、
意味が無いと思っていたら、変わるのは難しい。

最近の若者が、無気力であるというのも同じじゃないか。
日本という未来に危機感はあるが、希望は無い。
だから変わらないんじゃないか?

コッターが組織変革プロセスを提唱したのは1980年代
日本は高度成長期後でまだまだ伸びていく希望にあふれていた頃だ。
このままの状態で問題ないと思っている組織には危機感は有効だったのだろう。でも今の現代社会には、希望のほうが有効に作用するような気がする。

今我々、組織に希望はあるだろうか?
希望をもたせることから組織の変革は始まるのかもしれない。


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