心がやりたいと思ったなら、チャレンジしないともったいない〜株式会社Smart相談室 三浦さんのキャリア〜
人事のキャリアについて深掘りするメディア「HR CAREER LAB」では、日々同じように頑張る「社外のライバル」や「一歩キャリアの先を行く人」の歩んできたキャリアの体験談を紹介しています!
今回は、株式会社Smart相談室のCorporateマネージャー、三浦麻友子さんにこれまでのキャリアについてお伺いしました。
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インタビュイーのご紹介(三浦麻友子さん)
別職種の経験を経て「人事」に興味を持ったきっかけ
人事という仕事に興味を持ったきっかけは、新卒の就職活動をしたときに、その会社の女性の採用担当の方をかっこいいと思い、「こういう社会人になりたい」という憧れを抱いたことです。
また、学生の頃は会社組織に対して「みんなが同じ価値観で、同じ方向を向いて働いている」というイメージを持っていたのですが、新卒で大企業に入社してみると、人それぞれ価値観や帰属意識も違うということが分かりました。そのような環境で、組織に対して漠然とした疑問を抱きつつ、自分の中で「もっとこういう風にしたら良くなるのではないか」という考えも出てきました。
その後、様々な仕事を経験する中で、「どうして組織課題が生まれてくるのか」ということを考え始め、組織課題に組織の内外の視点で取り組む人事の仕事に改めて興味を持ちました。組織の外と中を繋ぐ役割を、自分自身で担ってみたいという気持ちが芽生えたのも、この頃だったと思います。
元々人に興味があったのですが「人と話すのが好き!」という興味ではなく、「人はどういう特性があるのか」「どういうことに起因して、どういう動きをするのか」という部分に興味がありました。今振り返ると、高校の授業の中で「倫理」が一番好きだったので、その頃からなんとなく人の行動原理に興味があったのかもしれませんね。
人事への転職で芽生えた「人事のことならなんでもできる人になりたい」という想い
人事として最初の転職は、未経験でも応募できる求人を探すことに苦労しました。また、自分の内面に「人事として本当にやっていけるのか」という不安もあり、面接の中で面接官に「あなたは他人の人生を左右する仕事に就くけど、覚悟はありますか?」と聞かれた時に、正直ドキッっとしました。
一方で、「自分がチャレンジできることであれば、思ってみないことでも、やってみればできる!」と信じていて、リスクはあっても"ここだ!"と思うときは飛び込むと決めていたので、人事への転職に対する躊躇はありませんでした。
一社目はSESの会社で新卒採用担当として、リーマンショックで止まっていた新卒採用の再立ち上げを経験しました。採用のパンフレットを作るところから始まり、当時の上司と2人で全国出張で説明会や面接を実施する刺激的な日々でした。
その後、首都圏エリアの中途採用のリクルーター業務を経験して、そこでも様々な候補者の方と面談をさせていただきました。面談の中で、個人のキャリアの悩みや想いに触れることは勉強になり、人事になって良かったと思いました。
一方で、4年半程採用に携わった結果として、もう少し採用後の育成や制度設計等の人事業務全般に携わりたいという思いから、転職を決意しました。当時はまだ「HRBP」という言葉はなかったのですが、分断されたHR業務の中の一部のプロになるのではなく、採用から評価までHRに携わる業務を一貫して取り扱いができるようになりたいと思っていました。
0→1フェーズの立ち上げから得た、人が働くことへの興味
「0→1フェーズ」の外資系の日本法人の立ち上げの人事として、お声がけをいただいて転職しました。小売業だったため、お店をオープンするために採用しなければならない人数が決まっていて、また自分がイメージしていた範囲以外にも人事の業務は多岐に渡り、予想以上にハードな日々でした。
一方で、未経験の業務ができるようになっていく楽しさもありました。できないことは、代表や一緒に働くメンバーから吸収したり、外部の研修で知識を得たりすることで、自分がどんどん伸びていくことを実感しながら仕事をすることができました。
また、当時ストレスチェックの導入をしたことが印象に残っています。一般的には労働時間が長いメンバーの方がストレスが高そうに思えますが、実際に計測してみると定時で帰れているメンバーの方がストレスが高く、ハードに働いているメンバーの方がストレスが低く出ており、ここで改めて「人って面白い」「働くって、どういうことなんだろう」という、自分の原点に近い感情を抱きました。
人事の「表には出ない」仕事の経験から、個人のキャリアに寄り添う存在へ
一通り0→1のフェーズをやり切って運用に入った頃に、また異なるフェーズを経験したいという思いがあり、Web系の事業会社に転職しました。その企業が一旦事業や人を整理した上で、再度立て直そうというフェーズだったので、そのフェーズにしかない人事の経験が積めるのではないかと思って入社しました。
そこで、最初は人員の整理を担当しました。いわゆる人事の「表には出ない」仕事なので、そもそも求人にも記載がなかったり、求人が公開されていなかったりします。一方で、今後も人事の仕事を続けていくためには、避けて通るべきではない大事な仕事だと思っていたので、チャレンジすることを決めました。
会社としてやらなければいけないことを、あたかも会社を代表するような顔をして、個人のメンバーとの面談を繰り返してキャリアを支援していくことは、苦しい経験でしたが、大きな学びがありました。ある意味、一番真剣に「人事の仕事」について考え、向き合った期間だったと思います。その後、採用や制度作り等にもひと通り携わることができました。
この時期は、個人の方と面談を繰り返す経験の中で、社内人事の限界についても考えました。人事側が個人の生き方やキャリアについて寄り添いたいと思っても、メンバーとしては自社の人事には相談しづらいことやできないことがあります。そうなったら、この目の前で苦しむ個人の人を社内でカバーするのには限界があり、社外に誰か相談できる人がいる必要があると感じました。
そのような考えを経て、組織からアプローチする「人事」という軸だけではなく、個人のキャリアに対して個人でアプローチする軸も必要だと感じ、国家資格のキャリアコンサルタントの資格を取得しました。会社という枠を飛び越え、個人でのアプローチについても考え出したのは、この経験があったからだと思います。
その後はフリーランスとして独立して、企業の人事の方への支援と個人の方へのキャリアカウンセリングという両軸での活動を始め、フリーランスとして関わっていたベンチャー企業で社員に転換となり、現職のSmart相談室に出会いました。(フリーランス時代のキャリアについては、後編で詳しくお伺いしています)
個人のキャリアも人事の業務も支援できる、Smart相談室との出会い
最初は、代表の藤田さんからお声がけいただき、副業でカウンセラーとしてSmart相談室に関わり始めました。
Smart相談室は、会社が福利厚生として社員の方にカウンセリングやコーチングを提供できるというサービスです。社員の方にとっては、専門家との相談で人事に相談しづらい個人の悩みを解消したり、キャリアについて考える場を設けることができますし、社内人事の方は専門家にその領域を任せられることで、心理的な負担や業務負荷を軽減することができます。
サービスの紹介をいただいた際に、組織の人事を支援すると同時に、個人のキャリアも支援したいという自分の想いに対して、これほどぴったりなサービスはないと思いました。
その後、ポジションを変え、人事としてSmart相談室に関わることになり、現在はCorporateマネージャーとして、人事・広報・カウンセラー事務局を統括しています。
キャリアカウンセラーとして相談に乗るのではなく、相談に乗るカウンセラーさん達をサポートしたり、Smart相談室というサービスを拡大するための組織作りをすることで、「組織の人事を支援すると同時に、個人のキャリアも支援したい」という自分の夢と仕事内容が結びついているので、とてもやりがいを持って働けています。自分が作りたい未来があって、そこにつながる仕事があって、自分の中で矛盾が一つもない環境で働けているのは非常に幸運だと思います。
人事の業務としては、メンバーと共に採用や制度づくり、労務管理、評価運用、イベント企画・実行、コミュニティ運営等をやっています。また、Smart相談室には約240名のカウンセラーの皆さんがいらっしゃるので、そのマネジメントや採用、コミュニティの運営業務があるのは、Smart相談室ならではかと思います。
今後は、カウンセラーの方のコミュニティ運営に人事的なアプローチをしていきたいと思っています。皆さんが同じ方向を向いてチャレンジするだけでなく、対人支援者としての成長をサポートし、さらにサービスの質を向上するようなアプローチにチャレンジしていきたいです。そのためには、コンプライアンスの遵守とガバナンスを効かせる体制構築がより必要となってきます。そのような体制構築をコミュニティ運営において実現していきたいと考えてます。
また、個人としては、女性のキャリア支援にも活動を拡げていきたいと思っています。私自身、もがいて自分なりのキャリアを歩んできたつもりですが、迷った時に調べても女性のキャリアについては情報が少なく、特別な人のキャリアの情報しか出てこなくて、苦労しました。
より等身大のキャリアの情報が届いて、女性がチャレンジできるような環境になったり、社会の在り方を変えたり、そういったことに挑戦していきたいと思っています。
心がやりたいと思ったなら、チャレンジしないともったいない
私自身のキャリア自体は計画的というよりは、流れに身を任せてきたという方が近いと思います。その中でも大事にしてきたのは「自分の違和感を見逃さないこと」です。
何かを選択しようと思った時や、行動しようと思った時に、「なんか嫌だな」「やりたくないな」と頭(思考)ではなく心(感情)がブロックしている場合、今言語化できていないけども過去の経験から学習してやらない方が良い"何か"が潜んでいると思います。その違和感は大事にしたいですし、ぜひ他の人事の方にも大事にして欲しいです。私自身、違和感を無視して体調を崩してしまった際に、そのことをカウンセラーさんから学んで、今でも大事にしています。
一方で、心がやりたがっているのに、頭で「怖い」と思っていることには、チャレンジしないともったいないと思います。特に、無我夢中で頑張れるような環境でのチャレンジは、自分を大きく成長させてくれますし、ストレッチな目標であっても自分の糧にできることが多くあります。
人事の姿を社員は見ているので、目の前の課題に真摯に向き合う姿勢は他の社員にも伝わります。運用業務が多くてチャレンジする機会がない場合は、何か企画等の新しい取り組みを考えるところからまずは挑戦してみると良いかと思います。
チャレンジして、壁を乗り換えると、景色が変わります。失敗しても、時が過ぎればそれが「深み」や「説得力」になることは、自信を持って私が言えることです。皆さん、ぜひ軽やかにチャレンジしていきましょう!!
キャリアインタビューを最後までお読みいただき、ありがとうございました。インタビューの後編は人事のための無料コミュニティ「ひつじんじ」にて限定公開しております。コミュニティへのご参加申請はこちら よりお願いいたします。
また、HR CAREER LABでは今後もHR・人事の方のキャリアの参考になる情報をお届けしていきますので、よければぜひいいね・フォローもお願いいたします!