目指すのは、会社も社員も幸せな未来 〜LegalOn Technologies 川口さんのキャリア〜
人事のキャリアについて深掘りするメディア「HR CAREER LAB」では、日々同じように頑張る「社外のライバル」や「一歩キャリアの先を行く人」の歩んできたキャリアの体験談を紹介しています!
今回は、株式会社LegalOn TechnologiesのHRBPチームでシニアマネージャーとして活躍されている川口さんに、これまでのキャリアについてうかがいしました。
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インタビュイーのご紹介(川口 良美さん)
新卒で入社した商社でトップセールスを誇る営業職として活躍後、人事にキャリアチェンジ。ゲーム開発会社やデジタルマーケティング会社で、採用をメインに組織開発や労務など人事領域を幅広く担当。2021年、株式会社LegalOn Technologies(旧社名:株式会社LegalForce)に採用責任者として入社。現在は立ち上げから携わったHRBPチームで、責任者を務めている。
トップセールスから人事へのキャリアチェンジ
私はエンタメ系が好きなので、大学を卒業したら音楽業界に就職したいと思っていました。一番理想的なのはレコード会社でしたが、そもそもの会社の数が少ないうえに新卒を受け入れている会社もかなり限られていて、すごく狭き門なんです。
そこだけを目標にして就職できなかったら困るので、求人サイトで「音楽」のキーワードだけを入れて検索していたところ、引っかかったのが新卒で入社した会社でした。
すごくニッチなんですが、CDやDVDのディスクを研磨する機械を売っている商社で、音楽に繋がっていたんです。新規事業もどんどん展開している会社で、そこもいいなと思いました。新卒のときって、「新規事業」とかのワードに惹かれがちですよね(笑)。
その会社には、営業職として入社しました。上司にも恵まれたこともあって楽しく働けて、頑張っていたら営業成績もトップになっていました。営業成績1位で社長賞をいただいたり、キャリアとしては本当にありがたく思っていたのですが、有形商材であったため、自身の営業力よりも、製品の性能の高さで売れているところがありました。お客様から工夫や提案力が求められ、自分の介在価値を感じられるような、無形商材の営業をやりたいと考えて転職を決意しました。
まず同じ会社からすでに転職していた先輩に相談したところ、転職先で人事を担当していたんです。「人事の中でも採用なら営業経験も活かせるし、10人いれば10通りの答えがある世界だよ」とアドバイスをもらったのが、人事という仕事を知ったきっかけでした。
当時の私は仕事のやり方や考え方に幅のありそうな人事の仕事に興味が湧いて、人材系の営業と、人事に絞って転職活動を始めました。
失敗からの学び「未来が見えない採用はしない」
初めての転職でやり方もよくわからなくて、「こんな会社に入りたい」という明確な希望もなかったので、エージェントに提案してもらった中から応募する会社を選びました。ただ、絞り込むときには、やはり興味があるエンタメやtoC寄りの会社を選んでいたと思います。
ご縁を頂いてゲームの開発会社に人事として入社しましたが、入社してすぐは人事の仕事に対しての解像度が低すぎて、本当に何もわからない状態でした。人事の組織があまり大きくなかったので、OJTで仕事しながら覚える必要があり、結構大変でしたね。
最初にぶつかった壁は、数字の追い方です。採用を担当していた時に、目標として数字が設定されていると、クリアすることを目指してしまって、失敗しかけたこともありました。
選考過程で候補者の方が「この方のマインドややりたいことを踏まえると、うちの会社には合わないかもしれない」と思っていたにもかかわらず、数字の達成を優先させてしまい、経営陣に自身が感じていた懸念やミスマッチの可能性をはっきりとは伝えなかったんです。採用する方向で進む中で、どうしても気になってしまい上長に伝えたところ、 「人事のプロとして『どうすべきか』を伝えるのが役目。ただ経営の意見を聞いて取り回すだけならいらない」と強く指導を受けました。最終的にはギリギリで止めて大事には至りませんでしたが、会社も社員も不幸にする「未来が見えない採用」は絶対にしないと、心に刻むきっかけになった出来事でした。
営業も数だけを追うのではなく、取引先の利益や事業の成長などを考えるべきですが、人事はダイレクトに人の将来と対峙して、会社の未来に大きな影響を与えるという責任を感じた出来事でした。あの失敗が、営業から人事へ、仕事の意識が切り替わった転機だったと思います。
この会社には4年勤めて、全職種の新卒・中途採用から、業務委託・派遣・契約といったさまざまな雇用形態の採用に携わりました。労務の一部も担当し、かなり幅広く経験を積めたので、人事としての最初のキャリアをここで築けて、本当によかったと思っています。
会社の人たちはゲームをつくることにフルコミットしていたので、パートナー企業の開拓など、事業に直結する部分も人事に任されていました。私自身、クリエイティブ職の方は本業に集中したほうが事業や会社にとってプラスになると考えていたので、それ以外のことはできるだけ巻き取りたいと考えていました。
職種としては人事でしたが、経営管理部の立て付けだったので、事業をどう成り立たせるか、どう成長させるかという意識が強かったですね。今思い返すと、現在のHRBPとしての仕事に繋がる経験だったかもしれません。
”人事としての成長”を求め、2回目の転職
いろいろな経験ができた会社でしたが、ゲーム開発の会社なので採用する職種は限られていました。また、世界的に人気のあるゲームを制作していたので知名度が高く、母集団形成などがある程度しやすかったことなどもあり、人事としてさらに成長したいと考えました。そのため、ゲーム開発会社を退職し、中途採用チームの立ち上げフェーズだった約300名規模のデジタルマーケティングの会社に入りました。そこでマーケティング職やWeb記事を担当するエディターなど、前職にはなかった職種の採用も経験できました。
この会社で印象に残っている業務は、デザイン組織の立ち上げです。当時は、CDOはいるけれど実際に手を動かすデザイナーがいない状態でした。執行役員であるCDOと二人三脚で採用に取り組むのも貴重な経験でしたし、会社にとって新しい職種の採用に一から取り組めたことにも、すごく学びがありましたね。最終的に10名ほどのデザイン組織になりました。
その後、前職のゲーム開発会社時代の先輩に「転職した会社に、採用で入ってほしい」と声をかけられたんですが、当時はまだ入社して1年くらいだったんです。さすがに早すぎると思ったので「ちょっと考えさせてください」と伝えて、一旦見送ったのがLegalOn Technologiesでした。
入社はせず業務委託で採用活動を手伝っていたのですが、半年ほど経ったころに「採用をもっと加速させたいので、そろそろ社員として入ってくれないか」と2回目の打診を受けたんです。
従業員の定着や会社の成長のためには、採用だけでなく様々なアプローチが必要になるということを前職時代から強く感じていたため、次の会社では採用以外の人事業務もしっかりとやっていきたいと伝えたところ、できると言ってもらえたのでジョインしました。
スピード感は想像を遥かに超えた。スタートアップでの洗礼と挑戦
当時LegalOn Technologiesの社員数は約100名。それまでは比較的規模が大きい会社や、設立年数が長い会社に所属していたので、これから成長をしていくベンチャーでの働き方をイメージできませんでした。
当時の人事チームは、総務をメインでやっている方が1名、人材紹介会社出身で採用人事は未経験の方が1名で、私に声をかけてくれた先輩は経営寄りの立場という状態だったので、採用にしっかり関われる社員は私を入れて2名だけでした。
戦力になれるか不安もあったのですが、ゲーム開発会社での私の4年間を見ている先輩が「川口さんなら大丈夫だよ」と言ってくれたので、少し安心できました。
入社した直後は戸惑いも多かったです。ものすごいスピード感であることは覚悟していたのですが、入社前に想像していたよりも5倍ぐらい速い中で、キャッチアップしないといけないことがたくさんあり、慣れるまではかなり大変な日々でした。
スピードに関しては、他の企業では3年かけてやることを1年で成し遂げようとする会社だと、今でも常々感じています。ただ、入社時に「なぜそれぐらいのスピード感を持ってやろうとしているのか」を社長から聞いていたので、納得感を持って「それなら、やらなきゃな」と思えました。
基本的にいろいろと幅広くやるのが好きなタイプなので、わりと早い段階で業務に馴染んでいけたと思います。それでも内容が濃すぎて、入社から1年経ったころには10年くらい勤めた気分になっていました(笑)。人事メンバーが増えた今は、人事企画やHRBPの立ち上げにも携わることができました。
2段階のターニングポイントを経て、会社と社員の幸せをサポートする
私のキャリアで一番初めの大きな変化は、やはり営業から人事に職種を変えて、ゲーム開発会社に転職したときですね。未経験ながら幅広い業務に携われて、人事としての基礎をつくった4年間があったからこそ、次のステップにチャレンジする自信やイメージを持つことができました。
次の変化は、LegalOn Technologiesへの転職です。初めてのスタートアップ企業で、それまでとは違う規模感とスピード感も経験できたこともそうですし、人事企画やHRBPの立ち上げなど採用以外の部分にかなり携われているのは大きな変化ですね。
マネジメントに関しても、しっかり取り組んだのはLegalOn Technologiesに入社してからなので、次のステップに進めた感覚があります。
今後どんな変化があったとしても、人事として大切にしていきたいのは、会社と社員の両方の幸せを考えることです。人事をやりたい方は「話を聞いてあげたい、気持ちに寄り添いたい」という気持ちで仕事に取り組む優しいタイプが多いのですが、経営目線で考えると、ある意味ちょっとドライに行かないといけない場面もありますよね。社員がLegalOn Technologiesでしっかりと活躍・キャリア形成をし、それと共に会社や事業も大きく成長していく。この関係性をつくりだすことを常に意識しています。
会社も社員も、どちらの未来もバランスよく幸せにするために、HRBPとしてできることはなんでもしていきたいと思っています。
キャリアインタビューを最後までお読みいただき、ありがとうございました。インタビューの後編は人事のための無料コミュニティ「ひつじんじ」にて限定公開しております。コミュニティへのご参加申請はこちら よりお願いいたします。
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