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【コロナ自宅療養記】家庭内感染せず

まさか自分が、新型コロナウイルスに感染するなんて、思ってもみませんでした。ワクチンも2度接種していましたし、マスクや手洗いなどの感染対策も十分に行っていました。ところが感染してしまいました。

のどの痛みを覚え発熱したその瞬間、「狭いマンション暮らしでは家族にうつるのも時間の問題だ」と絶望したものです。しかし結局、家庭内感染することなく乗り切りました。保健所によると濃厚接触者は家族のみ。幸運なことに私は誰にもうつすことなく療養期間を終えることができたのです。

厚生労働省によると2月9日午前0時時点で、全国の自宅療養者数は54万3045人となっているそうです。現在、不安を抱えている方は多いと思います。私の経験をお伝えすることが何かの役に立てればと思い、noteに向かうことにしました。

そういうわけですから、広く読んでいただけるように無料投稿です。

アイコン画像は、私の誕生日祝いのケーキ写真です。療養中に誕生日を迎えたのですが買いに行けなかったので、我慢を重ねて、1週間遅れでお祝いしました。家族の笑顔とともに、サイコーに美味しかったです。ずっと記憶に残ることでしょう。

食べ物をはじめとした買い物ができない不便さは、療養中の最大の悩み事でした。ちなみに我が家では、陽性判定翌日から妻がネットスーパーを使い始めました。しかし慣れていなかったため、最初のうちは「何を注文するか」「いつ届くか」など手探り状態でした。

そんな中で届いた親戚からの差し入れは、本当にありがたかったですね。お水やレトルト食品はもちろんですが、新鮮な野菜や果物などの心のこもった差入れも嬉しかったなぁ。

ネットスーパーは決済が完了しているので、商品を玄関前に置いてもらって非接触で完結します。療養後半は出前も使いましたが、こちらも非接触。世の中、便利になったものです。日ごろから、こういったインフラに慣れておくと良いかもしれません。では、療養の概要をまとめます。

▼病状を時系列で

=1月=
27日午前:喉の痛みを感じ、体温を測ったところ36.5度
27日午後:体温を測り直したら37.7度。直後にかかりつけ医に電話し予約
     = 以後、一番奥の和室で家庭内隔離(襖を締め切る) =
27日夜:タイレノール服用も、38.9度まで熱が上がる
28日午前:やや熱が落ち着き、37.5度近辺をウロウロ
28日午後:受診/PCR。カロナール/咳止め/たん切り/トローチ処方
28日夕方:病院から入電。陽性判定。保健所の連絡を待つよう指示あり
30日午前:平熱に戻る。ただ、のどの痛みと咳が残る
31日夕方:保健所から入電。濃厚接触者は家族のみ。ハーシスの案内

=2月=
1日~4日:ハーシスに病状を入力。のどの痛みは和らぎ倦怠感と咳が残る
4日夜:9日ぶりに風呂に入る。入浴後はお湯を流して換気を十分に行う
6日:療養期間最終日。マスクをして通常生活を行う(外出は自粛)
     = 家庭内隔離終了(襖を開ける) =
6日夕方:療養期間終了のメールが届く。家族全員、通常の生活に戻る

▼療養10日間の我が家の行動ルール

・私はトイレ以外和室から出ない(事前に手指消毒、事後はトイレ消毒)
・私は当面お風呂に入らない(感染リスクが高いと判断)
・家族全員、飲食時以外マスク着用
・家族全員、外出しない
・私の食事は一人分をお盆で和室に差入れ孤食(完食、おかわり無し)

▼私の行動を詳しく

最初のうちは、のどが痛くて声が出せなかったので用事があるときは、襖一枚隔てた向こうにいる妻にLINEするようにしてました。トイレに行くときは、手指をアルコール消毒して、事後は妻が手袋をして毎回除菌してくれました。

3度の食事は、飛沫などのリスクを減らすため残さず食べ、接触回数を減らすためおかわりは我慢しました。はじめはOS1ゼリーで、2日目まではお粥とおじやで過ごしました。食べる量が減ったので、私は期間中に5㎏も体重が減りました。

ずっと倦怠感があったため布団で過ごすのは不快ではなかったのですが、どうしたものか昼夜問わず眼が冴える時間帯がありました。その時は、布団の上にダンボール箱を置いてその上で読書しました。部屋にテレビがなかったのは残念でしたね。

私にとって一番の娯楽は、隣の部屋から聞こえてくるテレビの音声や家族の話し声でした。カードゲームに興じるなど元気な様子が伝わってきました。こちらも笑ったり話したりしたかったのですが、のどが痛くて残念なことに声にならないのです。

何度か実際に声を出してみましたが、力なく襖に遮られて、家族からは完全にスルーされてしました。今となっては笑い話なのですが、その時は一枚の襖がまるで分厚いコンクリートの壁のように感じられたものです。ウイルスが分断を作ることを体験しました。気持ちはつながっていたとは思います。

声もさることながら、大好きな人たちがすぐそこにいるのに「顔を見ることができない」のも辛かったですね。そこで最終日は、慣らし運転として家の中だけ普通に戻そう(マスクは着用)ということになりました。

仕切りをはずしたときの清々しさと言ったら、なかったですね。家族にしてみれば無精ヒゲのおっさんが増えただけですから感動はないと思いますが、私は心から感動しました。こんなに気持ちが上がったのは、子供が産まれたとき以来かもしれません。

保健所の指導通り「療養終了」のメールで通常生活に戻しました。すると食欲が驚異的な回復をみせ、体重が元に戻っていったのはお約束でしょうか。モノクロームの世界に一気に色が点いていった感じでした。真冬のカキフライ定食には、心からトキめいてしまいました。

肺炎症状はなかったので私は「軽症」に入ります。それでも、通常の風邪とは明らかに異なる感覚がありました。熱が下がってからも倦怠感が抜けず、発症後1週間は朝起きたときに空気が重くのしかかってくる感覚がありました。

私の場合はそうだった、ということなのでしょう。友人は発症後2日目には「ほぼ何ともなかった」と言ってましたが、私は2日目がのどの痛みと咳がピークでした。とにかく人それぞれなので、人の話しよりも自分の感覚を優先し適切な判断をする必要があると思います。

▼所感

・病院にて
私が病院に行ったタイミングは検査キットの不足がニュースで取り上げられている頃でした。しかし「通常は35度台後半なのに、今朝測ったら36.4度あった。会社に連絡したら検査に行くように言われたので来た」という感じの方も多かったです。これではキットが足りなくなるのも無理もないし、緊急性の高い患者さんが我慢を強いられる状況になるのもやむを得ない、と感じました。マスクやトイペのまとめ買いの時もそうでしたが、社会の中での「賢明な個」としての判断は本当に難しいと思いました。

・保健所の対応について
私が発症したのは、新規感染者数が最多を更新し続けている時期でした。保健所の混乱は明らかだったので連絡は遅くなるだろうと思っていました。結果、陽性判定から3日後ですから比較的早いと感じました。濃厚接触者は家族のみということや、どのようにしていつまで過ごせば良いのかが明確になりましたので非常に助かりました。我が家ではネットスーパーでの調達がうまく回り始めていて妻も元気でしたので、食糧支援はお断りしました。食事の準備が難しい一人暮らしの方もいらっしゃるでしょうし、電話をもらったときに私は既に回復傾向にあったのも大きいです。

・後遺症について
コロナ経験者が増えるにつれて、後遺症に関する会話が増えていますよね。咳やのどの痛み、倦怠感が残る方が多いようです。私の場合は療養中の万歩計がほぼゼロでしたので、完全に体力不足に陥っています。関係があるかどうかわかりませんが歯が欠けたり、歩くだけで疲れたり、夕方になると眠くなったりしています。大好きなゴルフにも今は行きたいと思いません。体力を戻していけば元通りになりそうな気がしていますが、復調途上です。その意味ではコロナとの闘いはまだ終わっていないと感じています。

・コロナが残したもの
一時期は体重が5㎏減っていましたが、現在は盛り返してコロナ前に比べ2㎏減です。期間中ヒゲを全く剃らなかったので、生まれて初めてヒゲに挑戦することにしました。ネットで情報を集め、髭剃りやバリカン、小さなハサミなどを使って毎日整えています。いま『BLUE GIANT』というジャズの漫画を読んでいるのですが、色々なタイプのヒゲの人物が登場します。これも良いな、あれも良いなと、思いながら読んでいます。完全に新しい楽しみを見つけました。しばらく遊んでみようと思っています。周囲の反応は、最初は「宮崎駿さんみたいネ」と褒め、慣れてくると「なぎら健壱さんだったわ」と言ってくれます。笑笑。いずれにしても嬉しいです。

・家族に感謝
パパがコロナにかかったと聞いたら、子ども達はパニックに陥るのではないかと不安でした。しかし小学生2人とも冷静に受け止めてくれました。ママの言いつけを守り、一歩も外に出ることなく明るく過ごしてくれました。彼らの元気な声がどれだけ私の励みになったことでしょう。そして、家庭内感染を防いだ最大の立役者は間違いなく妻です。戦略を立て全体設計をし、家族にストレスができるだけ溜まらないように配慮してくれました。普段からそうですが、私は妻に出逢えたことにとっても感謝しています。

※備考※
保健所の指示に従って行動しましたが、時期に応じて保健所の判断は変わると思います。その点はご注意ください。状況によっては陰性証明がなければ社会復帰できないケースもあると思いますが、私たちは保健所の指導に従い「療養期間終了」の連絡をもってピリオドとしました。

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