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男子学生ばかり20名ほどが生活している学生寮ですが、トイレや通路の壁の落書き、ひどい時には壁に穴があいていました。1月27日

 
ある学生寮の話です。
男子学生ばかり20名ほどが生活しているのですが、
問題がありました。
トイレや通路の壁の落書きです。ひどい時には
壁に穴があいていました。
若い体力の余っている青年たちのいる寮ですので、
仕方のないことですが、
他のどの寮よりも被害がひどかったのです。
職員会議でも、毎回話し合われたのですが名案は出ませんでした。
ある日、学園長は職員会議で突然言いました。
「あの寮に入ってくれる住みこみの女の人を募集しよう」
人望ある学園長の言うことですので、他の職員たちは
分けがわからないまま満場一致で決定しました。
新聞で募集したのですが、若い女性が来るはずもありません。
一人だけ、60歳過ぎのおばちゃんが来ました。
子供も独立して、一人暮らしをしていた人でした。
学校側は、彼女にその寮に住みこんでもらうことにしました。
それから数ヵ月、トイレや通路の落書き壁の穴はもちろん、
以前よりずっと寮がきれいになったのです。
あまりの変化に、不思議に思った職員が学園長に聞いたのです。
「若い女性が来たのなら理解できるんですが・・・・・」
学園長は笑いながら答えました
「男と女というのは、そんなものだよ。
あの寮は、一つの地球なんだよ。
地球に男ばかりだったら、どうなると思う。
逆でもいい。男だけの世界に一人の女が
入るだけでバランスがとれる。
人の心とは不思議なものだね。
これを心の調和というんだろうね。」
 
 

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