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70歳の新人11月22日

 
もうすぐ、70歳になる
Hさんは、65歳まで銀行に勤めていました。
若い頃から、推理小説が好きで往復2時間の
通勤電車の中では、いつも読んでいました。
自分でも、書きたいと思っていましたが
少し書いてはヤメ、また書いては途中で
ヤメル・・・・・
典型的な三日坊主で、ついに定年。
嘱託で65歳まで銀行の案内係を
していましたが、ついに65歳で肩たたき
ということになりました。
最近、物忘れがひどくなり、
奥さんや近所に嫁いでいる
一人娘にも「ボケ、ボケ」
と言われ小さくなっていた時、
近所のコンビニで新人賞の公募情報雑誌を手にしました。
65歳過ぎて、新人賞って変な話だとは思いましたが、
「ボケ老人」扱いする奥さんや娘さんを見返したくて
毎日3時間近所の図書館で
推理小説を書き始めました。
Hさんは、
「もうどうせ長い人生ではないし
足跡だけでも残そう」
そう自分自身に言い聞かせて
1ヶ月2ヶ月と頑張りつづけました。
最初は、「どうせ三日坊主」
と言って相手にしなった奥さんや娘さんも
「ペンネームだけでも
若くカッコ良くしなくちゃネ」と
いろいろ考えてくれるようになりました。
それから、3年後、
努力が実り、Hさんは、ある雑誌の新人賞を
取りました。
その時のペンネームは、奥さんと娘さんが
考えたものです。
Hさんは、今、3作目を創作しています。

転機のときに
幸運をつかむ人は
「前に進むしかない」
心境にある人です。

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