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客のリストの中に初恋の人の名前を見つけたとき 2月5日

この世には諸々の種類が存在する。銀行やノンバンク、そしてサラ金と呼ばれる企業までも。

また、サラ金には上場企業から、街金と呼ばれる小規模な金融商人まで存在する。

一時間ほど、この街金と呼ばれる商人の店長と話をしたことがある。

彼はこの世界に10年間いて、金のために夜逃げする者、自殺する者、郵便局を強盗に入る者、女性が水商売の世界に落ち込む者、人間の汚い部分を見てきたと言った。

彼は青いスーツでパンチパーマ風に、ベンツに乗り、少し怖い。

勇気を出して「この仕事で分かったことは?」と尋ねた。「金融ほど、儲かる仕事はない」と冷たい顔で笑った。

それから「一番辛かったことは?」と尋ねた。「顧客リストの中に初恋の人の名前を見つけた時」と言うと彼は涙を流した。酔っていたせいかもしれない。

10年間も冷たい借金の取り立てを続けた男の涙に対して、何と言えばいいのか、答えが見つからなかった。

一見冷たいように見える人にも心がある、世間の深い霧に包まれて見えないだけだ。いつか霧が晴れれば、そこには心がある、人の数だけ心がある。

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