【医師論文解説】健康長寿の秘訣判明!?この食べ物がカギだった!?【Open済】
背景
高齢化が進む現代社会において、健康寿命をいかに延ばすかは重要な課題となっています。タンパク質摂取量は、筋肉量の減少を抑制し、身体機能の維持に重要な役割を果たすことが知られています。しかし、中年期のタンパク質摂取量が高齢期の健康状態にどのように影響するのか詳細な検証は限られていました。
方法
本研究では、1984年時点で60歳未満の女性ナース48762人を対象に、1984年と1986年の食事摂取頻度調査から推定した総タンパク質および動物性タンパク質、乳製品タンパク質、植物性タンパク質の摂取量と、2014年と2016年時点で評価した健康長寿との関連を調査しました。健康長寿は、11種類の主要な慢性疾患のないこと、認知機能障害がないこと、身体機能障害がないこと、メンタルヘルスが良好であること、の4つの条件を満たすことと定義しました。ロジスティック回帰分析を用いて、タンパク質摂取量と健康長寿および各ドメインとの関連を解析しました。
結果
総タンパク質摂取量は健康長寿と正の関連がみられましたが、動物性タンパク質は逆の関連がみられました。一方で、植物性タンパク質の高摂取は、健康長寿や身体機能の維持、メンタルヘルスの良好さと正の関連がみられました。等カロリー置換モデルでは、植物性タンパク質と動物性タンパク質あるいは乳製品タンパク質を置き換えることが、健康長寿と正の関連を示しました。短期的な介入研究では動物性タンパク質の方が筋肉量の減少を抑制する結果が得られていますが、今回の研究結果からは長期的には植物性タンパク質の方が健康長寿に良い影響を与えることが示唆されました。
考察
中年期のタンパク質、特に植物性タンパク質の摂取は、女性ナースにおいて健康長寿と関連していたことが示唆されました。植物性タンパク質は高齢期の健康状態の維持に重要な役割を果たす可能性があります。
結論
中年期のタンパク質、特に植物性タンパク質の摂取は、健康長寿と関連していました。植物性タンパク質は、高齢者の健康状態の維持に重要であることが示唆されました。
文献
Korat, Andres V. Ardisson, et al. "Dietary protein intake in midlife in relation to healthy aging–results from the prospective Nurses’ Health Study cohort." The American Journal of Clinical Nutrition (2024).
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