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世界史で100点取る方法

【はじめに】


このnoteを読んでほしい人は以下の通り

・受験を控えているが世界史に一抹の不安を覚えており、藁にもすがりたい思いの人

・世界史を選択したはいいけれど、定期試験と小テスト、そして将来的な受験に不安を抱えていて、勉強法と俯瞰してみる方法を知りたい方

・文転して世界史を選んだために切羽詰まっていて手段を選ばず成績を上げたい方

・世界史が楽しくて仕方がない、向上心の塊の物好き

世界史選択をした人が必ずしも世界史が好きで得意なわけではないということは途中から段々と気づいてくる。

端的に言えば、そういった微妙な感情を世界史に持ってしまうのは、定期テストや模試で上手いこといかず、まぐれで高い点が取れてもそれが持続しないからだ。

どうやって覚えたらいいのか分からない、覚えても点数に繋がらない、将来なんの役に立つんだこんなの

そんなことを考えて何となくダラダラ3年間勉強し続ければ、テストや模試や受験のために必死で詰め込んでもパワープレイになってしまう。それでは100点など到底無理。

定期テストや試験で100点を取るためには、試験範囲を完璧に把握するのはもちろんのこと、流れを何も見ずに説明できるレベルまで詰め、その上で細かいミスを潰さないといけない。


【まず世界史の本質を理解しよう】

世界はつながっているし、時代もつながっている。

タテ(時代)のつながりとヨコ(地域)のつながり。

私の世界史の恩師も「世界史はヨコの繋がりだ」と口を酸っぱくして言っていた。

ただ、普通に授業で勉強する時は、1つの地域の短いタテごとに、ブロックに分解して勉強する。情報量が多いからそうするしかないのだけど…

その1つ1つのブロックだけ丸暗記しようとしても、予想しなかった設問の出し方や論述の壁に阻まれ、80点しか取れなかったみたいなことになってしまう。しかも、そういう人に限って丸暗記すら満足にできてなかったりする。

丸暗記を否定するつもりはない。でも、時と場合によって使い分けるべき

そして、丸暗記で余計な時間をかけてはいけない。さっさと効率的に終わらせて、論述のために残りの時間を注ぎこむべきだ。

【そもそもどういう風に勉強を始めれば良いの?】

じゃあ、まず勉強のやり方、手の付け方を教えてくれよ。いつもテスト前になって焦って教科書とかプリントとかノートとかペラペラめくるけど、まったく身になってないよ…

そんな声が聞こえてきそうだ。100点を取るのが目的なら、自分が挑むテストはどうやって問題を出してくるか、確認する必要がある。

「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」 だ

<テストはどういう問題の出し方をする?>


[ 小テスト・定期テスト ]

まず、チャレンジする回数が一番多いのは、授業の中で習熟度をチェックする小テストと、学期ごと1年に3回ある定期テストだ。

大体どの学校でも、同じ出し方をするはずだ。

無題1

①単純な穴埋め問題や選択問題が20~30点分

②簡単な論述や難易度が高い4択が30~40点分

③長文の論述などで40点分くらい

つまり、小テストや定期テストで高得点を狙うには

ⅰ 誰でも分かる穴埋めや1問1答は全問正解すること暗記力を鍛える

ⅱ 簡単な論述や4択は迷わず正解できるレベルにする→歴史の繋がり・なぜそうなるのか?を完璧に把握して、それを短い文字で決められた単語を使い説明する。4択は短い文章を読んで何が間違っているかを見つける能力が必要なので、”○○という国がしたのは××という政策。▲▲じゃない!”と瞬時に出す必要がある。完璧な暗記を土台として+α、なぜそうなるか?理解していないとできない

ⅲ 長文論述をしっかりとる→必要な単語はすべて覚えているのを前提として、どの単語をどこで使えばいいか理解すること。歴史の繋がり・なぜそうなるか?を完璧に把握して、それを頭の中で1回組み立ててみる。文字数も見ながら正しい説明をする必要がある

以上の3つをアウトプットの際に頭に入れておく必要がある。

[ 共通テスト ]

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大学入試センター試験は、共通テストに制度変更がされた。

基本的に問題の出し方は変わらないまま、難しくなったと考えればよい。

問題の出し方は1つだけ。4択~6択を答えればいい。

その代わり質問の仕方をひねってくる。シンプルな1問1答は出してくれない。上記の例をもとに話を進めていこう。

問4 これは、下線を引いた説明が何のことを示しているのか、当然わかりますよね?はい、マリ王国ですね

じゃあマリ王国は何で栄えたか分かりますよね?はい、金と岩塩の貿易ですね。じゃあ答えは?ですね

というように、Aが分かるからBも分かるという、2段階の理解を問うているのだ。

もう1問だけ

問5 これは、空欄に入る前の説明を読んで計算させてから、その時代で何があったかを答えさせるものだ

地図1の基は14世紀に作られたものですね、つまり1301年~1400年に作られた。(これをまず計算させる) じゃあその時起こっていたことは①~⑥の中のどれだろう?そうすると、荒唐無稽な答えがほとんどだね。大航海時代、ローマ帝国、南極、18世紀は絶対違うね。ならdしかないね、みたいに。

そしたら地図2だ。これは1402年から200年後だから1602年か。じゃあその時何が起こってたか。ローマ帝国、南極、元、クックは違う。aかfだ。新しい大陸が加えられているので、インド航路ではなく世界周航を成し遂げたマゼランだ。よってf。よってとなる。

こういう風に、2つあってそれぞれを類推させ、両方合っていなければならないものもある。

共通テストは、何段階連続で正解できるかというのを問うテストだ。もれなく暗記するのは当然のこと、自分で計算したり連想したり、なぜそうなるか?を考えたり、1問で何個もハードルを突破しなければならない。頭がこんがらがる人は問題用紙にメモを取ってしっかり段階を踏もう。


[ 大学入試問題 ]

大学入試問題は、基本的に先述した定期テストと構成は同じだ。ただし志望校によって難易度は変わる。一橋や東大レベルなら、穴埋めはほぼなく、400文字の論述を文字指定なしで書かせる問題だ。完璧に繋がりも単語も理由も何も見ずに説明できて、文字数に収める工夫をして、晴れて100点だ。

さて、ここまではアウトプットの方法について見てきた。

しかし肝心のインプット(勉強法)がだめなら点は取れるはずがない

結論から言うと、すべてのテストで必要とされる勉強法は変わらない。いや、変えなくていい。

<すべてのテストで共通して使える勉強の流れ>

勉強は必ず以下の流れに従うこと。どんなテスト向けの勉強でも。

① テスト範囲の前後の繋がりとヨコの繋がりをざっくり把握する
② テスト範囲の中で丸暗記するべきところは完璧に丸暗記する
③ 論述問題に対応するため、①の繋がりをみて何が伏線になっているかを把握する
④ なぜそうなるのかを論理的に説明できるようにする
⑤ 全体に戻る(細部で詰めた知識を1ブロック全体、あるいは全史とすり合わせる。ここで知識が理解に変わる)

このプロセスをすっ飛ばさず、きちんとやれば、定期テストで100点満点常連になることは可能である。

・流れと繋がりを把握する

まず全体像を把握するのが難しいんだよ!という声が聞こえてきそうなので、ぜひ持っている世界史詳覧をペラペラとめくって欲しい

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最後の方に年表があるはずだ

細かい字で書いてあって読みづらいと思うかもしれないが、世界の全ての歴史をこんなに少ないページでまとめられていると考えれば、相当すごい。目の前にある宝を活用しない手はない。特に手段を選ばず(もちろんルールの範囲で)成績を上げたいのなら、騙されたと思ってペラペラめくってみてほしい。

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例えば、あなたの今回の試験範囲にローマ帝国の五賢帝時代が入っていたとしよう。世界史の年表で紀元1世紀から2世紀のところを開いてみる。ヨコのほうに目線をスライドさせていくと、中国のところに後漢(ごかん)と見えてくるだろう。

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後漢といえば、「後漢書」が連想されるのではないだろうか。その「後漢書」の中に出てくるのが、

166年、大秦王安敦の使者が日南郡に渡来した

という記述である。この大秦王安敦こそ、かの有名な五賢帝の中の1人、マルクス・アウレリウス・アントニヌス帝であるとされている。

これが、ヨコの繋がりである。

世界史では後になればなるほど、どんどんヨコの繋がりが重要になってくる。

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目線をまた左にスライドして戻すと、ちょうどローマの五賢帝時代(96~180)とバッチリ重なっているはず。

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更には目線を上にスライドすると共和政ローマ→帝政ローマの流れが見えるし、下に行くとローマが混乱して分裂して…

てな感じで今後の伏線が見えてくる

中国史を習うのはまだ後だし、余裕がない人は

ローマ帝国を集中してやっている時に中国史まで目を向けるのめんどくさいよ~

となってしまいがちである。

しかし、その態度は、中国史をやる時にも重荷となってのしかかってくることになる。脅かすわけではないが、中国史はローマ史とは比べものにならないくらい覚える量が多い。そうなると、どうしても目先の膨大な丸暗記に気を取られて、大月氏だのパルティアだの大秦だのには目が向かなくなってくる。そうなると今度また異民族との交流のブロックで非常に苦戦することになる。だってテスト前で非効率な方法で丸暗記詰め込んでも、半分くらいは飛んでるから。そうすると受験の時はどうなる?また一から詰め込みなおすより、積み重ねに+αするほうが効率的だ。

なので、ほんとに軽くでもいいから、五賢帝時代のローマがテスト範囲であるなら、タテの前後(ローマ史)とヨコの繋がり(後漢・オリエント etc )も頭に入れておこう。

欲を言うならば、五賢帝時代から後漢に目線をスライドしたら、中国史においてのタテも見てみると良い。あくまで試験範囲は五賢帝時代なのだから、そこから逃げても点数は取れない。それでも軽く目は通しておくべきだ

前漢があって、その時から大月氏とかと交流はあって、中国史では西側がキーになったりするんだな、と想像できる。イランには安息(パルティア)が栄えてたんだな。そして交流が増えていく中で後漢になり、班超の時代、西にもっと栄えてる大秦という国があると知り、97年に甘英をローマへと派遣したんだな、と。(結果とん挫したが) そこからしばらくして向こうから使者が送られてきたんだな…

そんな具合で見ていくと、西のローマ、東の中国、真ん中あたりでごにょごにょ存在感を増してる異民族…そんな構図が見て取れるそれらが全部繋がって、伏線が全部回収されて世界史というものになり、そこを切り分けた一部分を今学んでいるという理解が生まれてくる。そうしたらこっちのもんである。

さて、ここまで話したのが、歴史を繋がりとして見ること、その流れの中のどこを勉強しようとしているかを把握することの大切さだ。

ここからは、その1ブロックを取りこぼしなくきちんと確実に詰めていく方法についてお話したい。

これも、世界史詳覧を使うことで、1ブロックの中をきっちりと詰めていくことが可能だ。

このように、時系列で重要なキーワードが並んでいたり、対立構造や他の国との関わりが分かりやすく表になっているからだ。

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こうやって今回の試験範囲の中での流れや繋がりを覚えたら、ここを完璧に詰めるための丸暗記テクニックをお教えする。


・効率的な丸暗記のやり方

以下の3つだ。

①語呂合わせで覚える
②頭文字で造語を作って覚える
③強烈なエピソードと絡めて覚える

以上の3つである

なんだそんなことかよ!馬鹿にするな、と思う方もいるかもしれない。しかしこれ以上に効率的で、かつ定着しやすい暗記法が存在するだろうか?


①  語呂合わせ

いくいく(1919)ヴェルサイユ(条約)

のように、年号や単語の中の言葉を印象に残るようなフレーズで頭に入りやすくするものだ。

ここで気を付けなければいけないのは、覚え方が半強制的に1問1答形式になってしまう点。

先ほども言ったように単純な穴埋めの配点は低い。

しかし、肝心のワードが分からなくて先に進めないというパターンもあるので、軽視してはいけない。

上記のような語呂合わせは、あくまでも皆が同じように知っているもので優位性はない。(裏を返せば誰でも知ってるから答えるのがマスト、よって語呂合わせでも何でもいいからとにかく覚えろ)

しかし、語呂合わせは、既にあるもの以外に半ば無限に、自分で作り出すことが可能である。

世界史が苦手な人は、重要なキーワードや単語がただのカタカナの羅列に見えて、文字化けしてるように感じて覚えられない

という事が多々あると思う。積極的に語呂合わせを活用しよう。

何でもいいのだ。例えば

清とロシアが結んだ「ネルチンスク条約」なら、”寝るチ〇コが好き” みたいに

他の誰に教えるわけでもないのだから(今の私は例外なので見逃して欲しい)、恥ずかしかろうが、内輪ネタだろうが(友人の名前を文字るなど)、どんどん使っていこう。

テストの時に使える対策としては、「ここどうしても不安だなー。忘れそうだなあ」というポイントの語呂合わせがあったら、その部分の語呂合わせを頭の中でリピートして、スタート時間になったら真っ先に問題用紙とかにメモしておくなどはオススメ


② 頭文字で造語を作って覚える

ピンと来ない人もいるだろう。具体的にはどういうものか

ネトハアマ

これは何の頭文字を連ねた造語かと言うと、先程も出てきたローマ帝国の五賢帝の、

✓ネルウァ

✓トラヤヌス

✓ハドリアヌス

✓アントニヌス・ピウス

✓マルクス・アウレリウス・アントニヌス

の頭文字なのである

この覚え方が有効な理由は、流れに沿って単語を覚えられるから

五賢帝を暗記する時にみんなどうするか

「ネルウァトラヤヌスハドリアヌスアントニヌス・ピウスマルクス・アウレリウス・アントニヌス」

って何回も唱える。まあこれくらいの内容ならそれでも良いかもしれないけど、とても非効率だ「ネトハアマ」ならたったの五文字

ネ…ネルウァ ト…トラヤヌス、みたいにしてインプットしたら、それをまとめて覚えるのに最適

これを私は知識の延縄漁と呼んでいる。

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本筋となる一本の長い縄 (ローマ史) があって、そこから枝分かれして幾つかのブイ (ローマ帝国) があって、幹縄 (五賢帝時代) があって、そこから何個も釣り糸 (人物名、都市名) が垂れている

幹縄や浮子ごとに覚えたい時重宝するのが、この頭文字を連ねた造語なのである

もう1つ例を出してみよう

マテサプペレカ

これは何の造語かというと、

・マラトンの戦い

・テルモピレーの戦い

・サラミスの海戦

・プラタイアの戦い

・ペロポネソス戦争

・レウクトラの戦い

・カイロネイアの戦い

の頭文字を連ねた造語だ

ご存知、古代ギリシアが主体の戦争を時系列順に並べたもの。

定期試験には文章題があるが、長い範囲にバラバラに出てくる複数の戦だけをまとめて文にして穴埋めさせる問題も出てくる

そうなった時、ただ教科書通りに順繰りに暗記だけしてた人ほど、あれこれ何だっけ?となってしまうのだ

ちなみに私の友人は、テスト前に私から魔法の呪文「マテサプペレカ」を受け取り、めちゃくちゃ助かったと話してくれた。

1つ1つの単語は覚えてるつもりでも、出てこない時に使える

また、もう1つだけ例を挙げるが、ヨーロッパ芸術の画家の名前諸子百家の流派と人物名、同盟と都市名など、単純に列挙して暗記しなければならない時にも使うことが出来る

ロミハリ

上記の4文字だけで、”ロンバルディア同盟の盟主・ミラノ、ハンザ同盟の盟主・リューベック”という事を覚えられる

こもりじゅん

懐かしい笑 小森純って。今の学生さんは知らない人もいるかもしれない

ちなみにこれは、”諸子百家の中の儒家、孔子・孟子・荀子”を表している

上記の例は割と簡単なものであるが、もっと様々な場面で応用が利く。

このページの最後に使える語呂合わせや造語をまとめておくので、自分で作るのが面倒な人はぜひ活用してほしい。

ただ忘れないでほしいのは、テストはあくまでもアウトプットなので、インしても頭文字しか出てこないみたいなことは避けるべき。頭文字をすっと出すことで、全く思い出せないのを避けるために使うのだ。

〜 ○○1世とか3世とかの覚え方は? 〜

③に行く前に、よくある疑問として、なんちゃら1世だの3世だの、紛らわしすぎて覚えられないという点について答えようと思う。

先述した「頭文字で覚える」を使う際にもネックになる部分だが、

簡単に言えば、何人もナポレオンさんって名前の人がいて、1人目のナポレオンさん&3人目のナポレオンさんの2名が有名になったということなので、前にナポレオンさんが出てきたら、次は前よりは大きい数字だな、とか大体わかる。

意識しながら覚えることは助けになる。数字もセットで覚えよう。


③ 強烈なエピソードと絡めて覚える

これは実践している人も多いかもしれない。歴史に名を残す人物というのは、往々にして強烈なエピソードを持っているものだ。記憶に定着させたり、次に解説する論理的思考の手助けにもなるので、エピソードと絡めて覚えるのはぜひ実践しよう。

世界史の資料集やウィキペディアを覗けば、そういった情報は事細かに載っている。

有名なものだけでも

・秦の始皇帝は不老不死に執着するあまり水銀を飲んでいた

・ベルギーの国王、レオポルド2世は”コンゴ自由国”の経営で、天然ゴムの収穫でノルマを達成できないと腕を切り落とすなど、過酷な植民地経営をしていた

・大西洋三角貿易でイギリスから奴隷の対価として渡されたのは、綿製品や銃などであった。対価として渡される奴隷は、現地の国で戦争捕虜となった人や、奴隷として輸出することを目的として捕まえられた人で、現地人が現地人を奴隷として輸出する状態であった

・イギリスは銀欲しさにアヘンを清に売りつけていたが、禁止されて戦争になったので、清をボコボコにしてしまった

・イギリスは綿製品をインドに輸出するため、現地の職人の腕を切り落とした(もともとインドは織物が名産であったので)

・ナポレオンが寝ているときに奥さんがチーズを切っていたら、今夜は勘弁してくれと言った

などなど…

今からすれば考えられないような、もやもやすることが多い。しかし皮肉にも、それは記憶という面では有利に働くのだ。

もし授業中に先生がこうしたエピソードを話していたり、気になることを見つけたら、どこかにメモなりしておこう。必ず役に立つ。


・4択&論述問題に対応しよう

さて、ここまで歴史を流れで見ること、細かいところをきちんと詰めることの重要性について話してきた。その1つ1つの積み上げが生きてくるのが、最後に話す”論述”だ。

産業革命を例にとって話してみよう。

18世紀にイギリスで蒸気機関が発明され、産業革命がおこった。という文だけ読んで終わりにしてはいないだろうか?もちろんここまで読んでくれた人は分かるだろうが、それでは何も身につかない。せいぜい、単純な穴埋めで2~3点取れるだけである。

論述問題が問いたいのは、産業革命が起こった背景、理由、内容、そのすべてだ。そのすべてを、100文字なり200文字なりで、指定されたワードを使ってうまくまとめた人に満点を与える仕組みなのだ。

つまり、あなたが今までこのnoteで学び取ってきたことすべてを投じれば良い。

18世紀のイギリスで産業革命が起こって、全世界に波及しました

ここで、なんで?という問いかけを自らにしよう。それが答えられないなら論述問題は絶望的だ。

歌唱中のFACTORYばりに、何にでもナゼーナゼーと問いかけてみよう(わかる人限られるネタ)

なぜ? を問いかけることで、背景、理由、内容が理解できるようになる

Q. なぜ他の国でもないイギリスで起きたのか?

A. 新しい技術を開発し、それにお金を投資し、生産を急速に拡大できるだけの富があったから。それにピューリタン革命や名誉革命で資本主義の土台が出来ていたから

Q. なぜそんな富が他のどの国でもないイギリスにあったのか

A. 大西洋三角貿易によって富を蓄積したから

Q. 大西洋三角貿易とはなにか?

A. 大西洋三角貿易は、イギリスが行った貿易の1つの名称だが、具体的には奴隷貿易として知られているものだ。まずはイギリスから綿製品や銃などをアフリカに輸出する。その対価としてアフリカで受け取るのが、いわゆる黒人奴隷だ。黒人奴隷は奴隷船に積み込まれ、中南米のプランテーションで働かされる。そこで作られていたのが、当時貴重品とされていた砂糖や、ラム、綿花などである。それをイギリスに輸出する。莫大な富が築けたのは想像に難くない。

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Q. お金はあっても、工場で働く人はどこから来たのか?それも奴隷か?

A. 労働環境は別にして、奴隷として連れてこられた人はほとんど居なかった。働き手はイギリス国内にいっぱい居たからだ。

Q. なんでイギリス国内にいっぱい居たのか?

A. エンクロージャー(囲い込み)のせいだ。農地を囲い込まれて路頭に迷った農民が、一気に都市部に流れ込んだため、労働力が有り余っていたのだ。

Q. 産業革命で蒸気機関が発明され、綿製品が大量に安価で生産できるようになったとして、それをどこに売っていたのか?

A. 植民地だ。特にイギリスにとってインドは最適な輸出先だった。しかしインドには既に質の織物を作る技術があった。このままでは売れない。そう考えたイギリスは、職人の腕を切り落としたりもした。

このように、なぜ?を突き詰めていけば、論述問題を解くカギになる

繰り返すが、

論述では、ある1つのテーマの背景、起こった理由、具体的にどういう人や国やモノが関わったどういう内容か、が問われることになる。

人に見せるものであるということも忘れてはならない。

論述問題を出す人は、何が聞きたくてこの問題を出しているのか?意図を汲まなくてはいけない。指定された単語は全て使わなくてはいけないし、全部使ってても内容が間違っていたら点は貰えない。

論述を含めても100点を取ることは可能だ。ここまで述べてきたような勉強法を使って時間をかけてきっちり取り組めば、ほぼ全部カバーできる。

先程も言ったように、流れと繋がりをきちんと理解して→1つ1つの単語を漏らさず覚えておき→なぜ?そうなるのかを確認する

この作業を脳内で素早く組み立てることで、どんな形で論述が出されても、余裕で対応できるようになる。ただの丸暗記だと、引き出し方が分からなかったり、覚えたものの使い所が分からなくて詰む。

【まとめ】

せっかちな人はここから読み始めるかもしれないので、書いてきたことを簡略にまとめる。

定期試験で100点を取るための勉強法は、

①まずは今回の試験範囲がどこに位置するか、資料集の年表で確認する

②試験範囲の地域の前後の歴史、同時期のヨコの地域の繋がりをサラッとで良いので見ておく

③試験範囲で丸暗記しなければいけない部分は、語呂合わせ・頭文字を連ねて造語を作る・強烈なエピソードで覚える

④論述問題に対応するために、②の流れと繋がりを見ることで伏線がどう回収されていくのかを理解する。そしてなぜ?そうなるのかを何度も確認する

⑤最後に試験範囲のプリントなり教科書なりを流しで読んで定着させる

以上


最後までお読みいただき、ありがとうございました。勉強をする上でネックなのは、どうやって勉強したら良いか分からないことと、どうやってやるかは分かっても上手く出来ないことです。

成績を爆発的に上げるためには、戦略と戦術をきちんと決め、自分なりに時間をかけてやることが大切です。


【おまけ】

丸暗記の時に使える語呂合わせや頭文字の造語で、私が使っていたものを列挙する

・えげきし(猿人・原人・旧人・新人)

・アジキネクシ(アウストラロピテクス・ジャワ原人・北京原人・ネアンデルタール人・クロマニョン人・周口店上洞人)

・フエラムネ(フェニキア文字・アラム文字)

・トアラ(トトメス3世・アメンホテプ4世・ラメス2世)

・バカ(バビロン第一王朝・カッシート王国)

・エリメシ(エジプト・リディア・メディア・新バビロニア)

・安倍スター(アヴェスター)

・くみ取るエーゲ文明(クレタ文明・ミケーネ文明・トロイア文明)

・ドクぺ(ドラコンの立法・クレイステネスの改革・ペリクレス時代)

・マテサプペレカ(マラトンの戦い・テルモピレーの戦い・サラミスの海戦・プラタイアの戦い・ペロポネソス戦争・レウクトラの戦い・カイロネイアの戦い)

・イアア(イッソスの戦い・アルベラの戦い・アクティウムの海戦)

・プアセ(プトレマイオス朝エジプト・アンティゴノス朝マケドニア・セレウコス朝シリア)

・ホヘサ(ホメロス・ヘシオドス・サッフォー)

・アエソア(アイスキュロス・エウリピデス・ソフォクレス・アリストファネス)

・タへピデヒ(タレス・ヘラクレイトス・ピタゴラス・デモクリトス・ヒッポクラテス)

・プソプア(プロタゴラス・ソクラテス・プラトン・アリストテレス)

・ヘトへと(ヘロドトス・トゥキディデス)

・エアアエ(エウクレイデス・アルキメデス・アリスタルコス・エラトステネス)

・カポク(カエサル・ポンペイウス・クラッスス)

・オレア(オクタウィアヌス・レピドゥス・アントニウス)

・ネトハアマ(ネルウァ・トラヤヌス・ハドリアヌス・アントニヌスピウス・マルクスアウレリウスアントニヌス)

・キウホ(キケロ・ウェルギリウス・ホラティウス)

・ポカリ(ポリビオス・カエサル・リウィウス)

・カポクアオレ(カエサル・ポンペイウス・クラッスス・アントニウス・オクタウィアヌス・レピドゥス)

・ギリ(仰韶文化・竜山文化)、サコ(彩陶・黒陶)

・せしそごえ(斉・晋・楚・呉・越)、かぶそふこ(桓公・文公・荘王・夫差・勾践)

・そち(蘇秦・張儀)

・こもりじゅん(孔子・孟子・荀子)

・そろ(荘子・老子)

・しか(商鞅・韓非)

・しゅらえしし(春秋・礼記・詩経・書経・易経)

・もろだち(孟子・老子・大学・中庸)

・しりけぶこぶ(始皇帝・劉邦・景帝・武帝・光武帝)

・ぎごし(魏・呉・蜀)

・きょうどのせんぴがきょうけってい(匈奴・鮮卑・羌・羯・氐)

・ぶくほせちしこ(仏図澄・鳩摩羅什・法顕・清談・竹林の七賢・神仙思想・寇謙之)

・めんたいこ(昭明太子)

・とうり(敦煌・雲崗・竜門)

・よよこりこそげ(楊堅・煬帝・李淵・太宗・高宗・則天武后・玄宗)

・ちもし(中書省・門下省・尚書省)

・せきしぼほほ(青苗・均輸・市易・募役・保甲・保馬)

・チオグモフ(チンギスハン、オゴタイハン、グユクハン、モンケハン、フビライハン)

・ぬほじこよけ(ヌルハチ・ホンタイジ・順治帝・康煕帝・雍正帝・乾隆帝)

・アウウア(アブーバクル・ウマル・ウスマーン・アリー)

・しれきだじ(信仰告白・礼拝・喜捨・断食・巡礼)

・メセス(メフメト2世・セリム1世・スレイマン1世)

・キイチ(キプチャク=ハン国・イル=ハン国・チャガタイ=ハン国)

・クア(クシュ・アクスム)

・いばんな(イヴァン4世)

・イボ(インノケンティウス3世・ボニファティウス8世)

・フフシシルシ(フィリップ3世・フィリップ6世・シャルル6世・シャルル7世・ルイ11世・シャルル8世)

・ヘヘエメエ(ヘンリ7世・ヘンリ8世・エドワード6世・メアリ1世・エリザベス1世)

・イイミピエ(イヴァン3世・イヴァン4世・ミハイル=ロマノフ・ピョートル1世・エカチェリーナ2世)

・フロ(フランシス=ベーコン・ロック)

・デパスラ(デカルト・パスカル・スピノザ・ライプニッツ)

・コモラ(コルネイユ・モリエール・ラシーヌ)

・ニワカ(ニューコメン・ワット・カートライト)

・フジジャ(フイヤン派・ジロンド派・ジャコバン派)

・ルシルナ(ルイ18世・シャルル10世・ルイ=フィリップ・ナポレオン3世)

・ぼこ(望厦条約・黄埔条約)





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