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第16話 過去の影

過去の始め


夢の中で、ハジメは過去の自分と思われる人物に出会う。

その出会いにより、過去の記憶が断片的に蘇り始める。

ナビ:ハジメは夢で自身の過去を知ることになる

混沌とした夢の中

夜、ハジメは疲れ果てた体をベッドに投げ出し、深い眠りに落ちた。

夢の中で、彼は古びた城の中を彷徨っていた。

薄暗い廊下を進むと、古い肖像画や錆びついた甲冑が並んでいる。

彼の足音が石畳に響き渡る。

ハジメ:な…なんだ?

ハジメ:また夢の雰囲気が違うぞ?

ハジメ:ここはお城か?

ハジメ:やっぱりここも…

ハジメ:僕は来たことないのに…

ハジメ:来た記憶があるぞ…

ハジメ:不思議な感覚だ…

ハジメ:僕は知らないのに…内部の構造がわかる!

辺りを見渡すハジメ。

彼の姿を物陰から確認する影が二つあった。

謎の老人:彼は来たのか?

デルニ:ええ…予定通りね

デルニ:連れてきたわよ…

謎の老人:そうか、では…

謎の老人:よろしく頼むぞ!デルニちゃん…

デルニ:…いくわよ!

謎の老人はデルニに合図を送る。

デルニは老人の額に手を掲げた。

デルニ:…上手くいってよ…

デルニ:ハァー…セインツ!!

謎の老人:おお…これは!!

次の瞬間、老人の姿が変化していく。

デルニ:クッ…慣れない体じゃ…

デルニ:ハァハァ…力が抜けて…

デルニ:仕舞いよ!セイラライ!!

デルニ:ハァハァ…上手くいった!

謎の老人:おお…こいつは凄い!

謎の老人:噂通りの能力だな、デルニちゃん

デルニ:「これが…賢者の能力…」

謎の老人の姿は若返ったようにも見える。

デルニ:ハァハァ…あまり長くは持たないわよ…

デルニ:あと、その呼び名やめてください

デルニは不機嫌そうに伝える。

謎の老人:ああ、すまなかった

謎の老人:今はその名で呼んではいけなかったんだな

謎の老人はデルニの肩をポンポンと二度叩いた。

出会う二人

ハジメは城内を散策していた。

ハジメ:ここに来た事もないのに…

ハジメ:記憶だけはあるよ…面白いなこの感覚…

ハジメ:ここも変わってないな…

ハジメ:ん?この場所もどこかで…

ハジメ:見たことがあるような…

突然、彼の前に朧げな人影が現れる。

謎の中年:よう!

ハジメ:……ん?

ハジメ:えっ…あっ…

ハジメ:あああっ!?

その人物はハジメに似ているが、衣装や姿勢が異なり、まるで過去の時代から来たかのようだった。

ハジメ:まさか、これは…

ハジメ:僕自身は会ったことがないけど…

ハジメ:記憶にはしっかりと残っている…

ハジメ:誰でもない…これは僕自身だ!

ハジメ:過去の僕だ!!

謎の中年:よくわかったな!

謎の中年:デルニちゃんの言う通り…

謎の中年:やはり、この姿が正解か…

人物は優しい目をしており、微笑みを浮かべてハジメに近づいてきた。

過去

ナビ:過去の自分となる謎の中年を見て、過去を思い出すハジメ

蘇る過去の記憶

ハジメ:記憶に鮮明に残っているぞ…

ハジメ:これが僕なのか…

過去の自分と思われる人物がハジメに語りかける。

謎の中年:「君はここに何を求めているのか?」

ハジメ:僕が…求めるもの…

ハジメ:…ここに?

ハジメ:「…あっ!?」

その問いかけにハジメは戸惑いながらも、心の奥底で何かが呼び覚まされる感覚を覚えた。

突然、彼の脳裏に断片的な映像が浮かび上がる。

幼い頃の記憶。

庭で遊ぶ自分、両親と過ごした穏やかな時間、そして何か重要なものを探している感覚。

ハジメ:もしかして…

ハジメ:「…あのときの!」

ハジメは忘れていた何かに気付いた。

謎の中年:もう気付いたか…

謎の中年:流石、選ばれし者だな…

過去の自分と思われる人物は言葉少なに語り続けた。

謎の中年:「その答えは君の中にある…」

謎の中年:「記憶を辿り、真実を見つけるのだ!」

ハジメ:僕の…記憶…

ハジメ:誰でもない…僕自身の記憶だ…

ハジメ:過去に…真実が…

ハジメ:僕自身の過去に…真実が?

謎の中年:じゃーな!青年よ!

ハジメ:…うっ!

「その答えは君の中にある。記憶を辿り、真実を見つけるのだ」

この言葉が後に彼を突き動かすきっかけとなる。

つづく。

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