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【自己紹介】 35才プログラミング未経験者が、授業料無料のプログラミングスクール「42 Tokyo」に飛び込んでみた

「楽しそう」と思ったほうに人生を賭けると果たしてうまくいくのだろうか。

これまでの人生を通して、この答えはまだでていない。

「楽しそう」を基準に人生選択を行うと、必ずしもハッピーではなかったからだ。

例えば、会社を辞めたほうが「楽しそう」と思い退職した。

会社の中でやりたいことがなくなってしまったのだ。

会社の外には溢れんばかり「楽しそう」なことが満ち溢れていた。

そこで実際に会社を辞めると、当たり前だが給料がなくなった。

毎月貯金がどんどん減っていく。

ノイローゼになり、夜眠ることができなくなってしまった。

毎月貯金が減っていくのは楽しくない。

そして夜眠れないのは何よりも楽しくない。

賢い人は「次の仕事を見つけてから退職」、「退職前に独立準備をしておく」といったことをするのだろう。

残念ながらぼくは賢い人ではなかった。

賢くない人は、賢い人の真似をするか、愚者を貫くの選択肢があると思う。

ぼくは後者を選び、懲りずにかつ無計画に「楽しそう」なことを追いかけたい。

そしていま最も「楽しそう」なことは「プログラミング」だ。

ぼくは現在35才。

プログラマー35歳定年説と逆行するが、自分の「楽しそう」に従ってみたい。

35歳プログラミング未経験者が、一人前のプログラマーになれるだろうか。

そして「楽しそう」と思ったほうに人生を賭けると果たしてうまくいくのだろうか。

そんな実験をするために「42 Tokyo」に入学した。

かんたんな経歴

日系メーカーでアメリカに3年ほど駐在(ロス、サンフランシスコ、シアトル)したあと、商品開発にたずさわっていた。

そのあと衝動的にアニメを作りたくなり、会社をやめてアニメの学校へ。

アニメの学校で学んだ一番の教えは「アニメ作りをなめてはいけない」ということ。

アニメ作りは想像した以上に大変で、たくさんの人の汗と涙(?)の結晶だ。

毎週面白いアニメが見られることに幸せを感じ、アニメ業界に勤める方々へのリスペクトが増した。

同時にアニメーターの仕事は自分には向いていないと悟った。

アニメーターは「動きを作る職人」で、「他人の考えたキャラクターを動かすこと」が仕事である。

まず「他人が考えた」というのが自分には合わない。

どうせやるならキャラクターや世界観も自分で作りたい。

アニメ作品でも自分が憧れるのは実験アニメやアートアニメと呼ばれる分野だ。

例えばノーマン・マクラーレンの「隣人」や、コ・ホードマンの「砂の城」など、世界観やコンセプトに魅了される。

方向性が分かったが、問題は一人でアニメを作る大変さだ。

そこで考えたのは機械の手を借りること。

アニメ作りに機械学習を使えたら、とプログラミングを学び始めた。

現在仕事はしていない。

そのかわり、働く妻のために一流の主夫を目指している。

なかでも料理を特訓中で、最近ハマっているのは野菜をアップデートする「浅漬け」だ。

これが簡単で、実にうまい。

プログラミング経験値

プログラミングの経験はほぼない。

「ほぼ」とつけたのは少しだけ触ったことがあるからだ。

2020年に『独学プログラミング』という本を買い、プログラミング言語pythonを習い始めた。

結果は本の内容を楽しめずに前半でリタイヤ。

自分には合わなかったようだ。

あまり関係がないが、MacBookの使用歴は10年以上、タイピングスピードは中ぐらいだと思う。

2021年4月の時点で、Macのターミナル(プログラミングを行う場所)を開くとオドオドするレベル。

何か誤った操作をしてMacが壊れないかと心配だった。

それほどプログラミングに免疫はなかった。

「42 Tokyo」に入学するには、1ヶ月間行われる入学試験「Piscine」をクリアしなければいけない。

本格的にプログラミングを勉強しだしたのは、「Piscine」の1ヶ月前からだ。

そのときにとても勉強になったのが「CS50x」だ。

「CS50x」はハーバード大学が無料で公開している、コンピューターサイエンスの初級クラスである。

アメリカの42のPiscine受講者たちも「役にたった」と太鼓判をおしているものだった。

まず講義自体が視覚的にわかりやすい。

そして宿題もあり、実際にプログラミングをしながらハンズオンで学べる点もいい。

なぜプログラマーになりたいのか?

「アニメを作るのに機械学習を使いたい」というのがまず第一。

次にプログラミングで「一生遊べそう」と思うからだ。

プログラミングはツールなので、英語や絵を描くスキルと同じ。

ツールを使って何をするかが大切だが、ツールが使えたらなんだってできる。

最後の理由は「自分に合っていそう」だから。

実際にプログラマーとして活躍している人たちが、優秀なプログラマーの資質をネット上で公開してくれている。

それらを自分なりに一言でまとめてみると「パソコンの前で長時間集中」できるかどうか。

プログラマーなんだからそんなの当たり前だろうと言われそうだが、本当に大切な資質らしい。

逆にパソコンの前で時間がとれない社交的な人はあまり向いていないようだ。

「パソコンの前で長時間集中」できる人の特徴を挙げてみる。

・内向的
・友達が少ない
・外出するよりも家にいるほうが好き
・好奇心が強い
・黙々とパソコンに向き合うのが苦ではない

どれも自分に当てはまっている。

友達も少なすぎて、コロナ禍でオンライン飲み会を一度もしたことがない。

毎日家で過ごしているので、コロナ前とコロナ後で生活は全く変わっていない。

もしかするとプログラマーは天職かもしれない。

なぜ「42 Tokyo」を選んだのか?

「42」はフランスで生まれたプログラミングスクールである。

特徴は「入学料・授業料無料」と「問題解決型学習」だ。

シリコンバレーにも42はあり、GAFAへの就職を決めている卒業生もいる。

ぼくが「42 Tokyo」を選んだ理由だが、まず「入学料・授業料無料」が大きい。

性分がケチで、そもそも収入がない自分にとってぴったりだ。

さらに現在は完全リモートなので、学校への交通費もかからない。

次の理由が「C言語から学べること」だ。

Cは難易度が高いので他のプログラミングスクールでは教えていないのではないだろうか。

しかしプログラミングについて深く理解するにはC言語習得は欠かせないと言われている。

そしてC言語はプログラミング言語の中でラテン語的存在で、C言語を理解していれば他の言語の学習が容易になる。

次の理由は、ぼくが「先生・授業・教科書が大嫌い」だからだ。

教えるのが上手な先生というのは確かに存在するが、そのような人たちに巡り会う機会は限りなく少ない。

教育系YouTuberが人気なのも、周りに面白い先生がいないからだろう。

また個人的に耳で学習するのが苦手なので、授業の内容は全く頭に入ってこない。

そして教科書の無味乾燥としたつまらなさといったら耐え難い。

幸い42には先生や授業、教科書といったもの存在せず、学生どうしの教え合いでなりたっている。

具体的にいうと「問題解決型学習」と呼ばれる学習スタイルが採用されている。

「問題解決型学習」では課題を自分で調べ、他の学生と協力して解くことを通じてプログラミングを学んでいく。

自分のペースで、実際に手を動かしながら学び、わからない箇所を質問し、わかる箇所は教える。

これこそが学習の本質だ!といいたくなる学習方法だ。

個人的な適性でいうとぼくは人に教えをこうのも苦にならない。

人に教えるのもわりと好きなタイプだ。

だから42のカルチャーに向いており、貢献もできると思った。

入学試験に合格することができたということは、そういうことなんだと思う。

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