見出し画像

貴重なスキルだけでは大きな報酬は得られない!?:瀧本哲史『戦略がすべて』レビュー

瀧本哲史さんの『戦略がすべて』を読みました。

ビジネス書大賞受賞作『僕は君たちに武器を配りたい』の著者だけあって、考えさせられる内容が満載。

今回は、本書からとくに興味深く感じた3つの視点についてご紹介します。


1. 大ヒット漫画原作はコモディティー

本書では、大ヒット漫画を原作とした映画ビジネスが取り上げられています。

大ヒット漫画を生み出すというと、とても「貴重なスキル」です。

しかしビジネスにおいては、その貴重なスキルさえも、より大掛かりな儲ける仕組み(ここでは映画制作)との関係では、コモディティー(一般的な商品)になってしまいます。

それはなぜかというと、映画制作会社は、原作を「選ぶ」立場にあるから。

さらに、映画が失敗した場合のリスクを、原作者は負っていません。

映画が成功すれば、原作の売り上げが増えるため、原作者はリスクなしで利益を得ることができるといえます。

そのため、原作使用料は比較的安く抑えられる傾向にあるのです。

大きなリスクとリターンを得るのは、資本家・投資家の側(ここでは映画制作側)です。

アニメが人気の「推しの子」でも、漫画原作者が、舞台脚本に口を出すというシーンが描かれていますが、とてもナンセンスです。

「作品のキャラクターを冒涜された」という気持ちは分からなくはないですが、それはあくまでも感情論。

ビジネスにおいて大きなリスクをおっている舞台側に、もろもろの選択権があってしかるべきだと思います。

2. コンピュータをしのぐ編集者

本書では、ヒットコンテンツを生み出すための優秀な編集者の役割が掘り下げられています。

具体的には「コンテンツ制作に深くかかわり」つつ「販売戦略にも積極的にかかわる」こと。

コンテンツ制作については、以下のようなことを行います。

・本文の構成・内容にコミット
・ヒットコンテンツの仮説作り
・仮想読者の視点で強調すべき点、補足すべき、切り取るべき点の判断
・最終原稿を、さまざまな想定読者に見せ、その反応をもとに取捨選択
・同時に、そもそもの読者像の見直し

販売戦略については以下となります。

・自社や他社のメディアとの交渉、連携
・コンテンツと広告の連動を図る

優秀な編集者には、これらのような多岐にわたるスキルが求められます。

個人的に、個人出版をこれからもつづけていくうえで、「編集者の視点」というものを学んでいかないとなので、この内容は学びになりました。

3. 勝つための良い戦略

本書では、勝つための戦略を立てる上での重要なポイントがいくつか紹介されています。

まず大切なのは、「どの土俵なら勝てるか」を見極めること。

どんなに優れたスキルを持っていても、競争の激しい土俵では勝てないことがあります。

そこで、自分の強みを活かせるような、より有利な土俵を選ぶことが重要です。

オリンピックを例にすると、そもそも「メダルを獲得しやすい競技を選ぶこと」の重要性が説かれています。

たとえば、陸上と水泳は、1人の優秀な選手が複数のメダルを獲得できる可能性が高いため、効率的な競技と言えます。

まとめ

戦略がすべて』は、ビジネスの成功には、単なる努力やスキルだけでなく、戦略的な思考が不可欠であることを教えてくれます。

本書を読むことで、ぼくたちは、自分の置かれている状況を客観的に分析し、より良い戦略を立てることができるようになるでしょう。

とくに、貴重なスキルだけでは高収入を得られないという事実は、大きな衝撃を与えるかもしれません。

しかし、本書は決して悲観的な内容ではありません。

著者である瀧本さんは、より良い未来を切り開くためのヒントを与えてくれます。

より具体的な行動としては、おそらく投資家や、起業家(イノベーター)になれってことだと思いますが、そちらについては『僕は君たちに武器を配りたい』にくわしく書かれてあります。

本書はそれ以前の、「そもそも戦略がないと、人生やばいよね」っていう例がたくさん出ており、刺激になり、『僕は君たちに武器を配りたい』への接続としてすぐれていると思います。

今の仕事や生活に何か不満を感じている人にオススメです。

・・・・・・・

\\ このnoteを書いた人 //

ホヴィンチ|📌フォローはこちら
・noteを愛する主夫・学生
・noteの記事からKindle本を出版する仕組みをつくっています
𝕏(旧Twitter)にて読書・note・Kindle出版について発信
・ニュースレター「ぼっちスタートアップ」を毎週土曜日の朝7時に配信
・『Notion習慣トラッカー』をKindle出版
・『もろこしコーン』というナンセンス絵本をKindle出版

noteでできたこと
・950日連続でnoteに記事を投稿
・2年9ヵ月で1,800人の方とつながる
・公式noteに1年で3回ほど紹介される

\\  \  /  //
🕶 サイトマップ 🕶
//  /  \  \\

この記事が参加している募集

いいなと思ったらチップを贈って応援しよう!