デジタルのメモを第2の脳にする『SECOND BRAIN(セカンドブレイン)』
先日、「大学で学んだことを、社会人になっても復習できるようにしておけばよかったなぁ」という後悔について書きました。
大学時代はもう戻ってきませんが、これから学んだことを「いつでも復習できるように」することは可能です。
それでは、いったいどのようにすればよいのでしょうか?
そのヒントを与えてくれるのが『SECOND BRAIN(セカンドブレイン)』という本です。
デジタルノートを活用し、シンプルにインプットして、アウトプットしようという内容。
「知的生産術」の本ですが、ノート術や、デジタル整理術として読むことができました。
学んだことの要点を整理し、復習しやすい仕組みづくりに役立ちます。
本書はまさに、大学生の時に読みたかった本といえます。
デジタル備忘録
セカンドブレインとは「デジタル備忘録」のこと。
膨大な情報にありふれたこの世界で、なにもかもをインプットするのは不可能です。
そこで重要なのが、「何を拾い何を捨てるのかという基準」と、手助けをする「ツール」となります。
本書ではその手助けをするデジタルツールを「セカンドブレイン」と呼び、いかに有効活用するかを教えてくれます。
収集:心に響くものだけ
「セカンドブレイン」の活用は大きくわけて以下の4つ。
・収集(キャプチャー):心に響くものをキープ
・整理(オーガナイズ):行動のための仕分け
・抽出(ディスティル):本質の発見
・表現(エクスプレス):成果をアウトプット
「収集」の段階で必要なのは、「心に響くものだけ」を集めること。
これが情報の渦にまきこまれないための羅針盤となり、保存しすぎを防ぐことができます。
「心に響くもの」とは、興味をそそられるものや、不思議、ワクワクする感覚です。
収集:ファインマンのお気に入りの12の課題
情報の収集に際して、本書に紹介されている物理学者のファインマンの「お気に入りの12の質問」の考え方が参考になりました。
ファインマンは、「お気に入りの12の質問」をつねに頭にいれておいていました。
そして、なにか新たなやり方や理論に出会ったら、12の質問を解くのに役立つかを試してみます。
するとたまにですが、それが問題解決につながるときがあるとのこと。
これからは、自分でも12の質問を用意しておき、新しいアイディアに出会ったら、その12の質問を解けないか試してみたいと思います。
整理:3階層でシンプルにまとめる
情報整理の仕方で興味深かったのが、PARAで3階層で情報を整理することです。
「PARA」とは以下の4つの頭文字。
・プロジェクト:終わりのあるプロジェクト
・エリア:終わりのないもの、趣味など
・リソース:今後役にたちそうなもの
・アーカイブ:過去や保留中のプロジェクト
この4つのフォルダーを用意し、それぞれの中にテーマフォルダーを作成し、その中にメモをためていきます。
よって、すべての情報を3階層で整理することができます。
例えば、以下のような感じです。
プロジェクト
・ドイツ語C2資格合格(これがテーマ)
・メモ1
・メモ2
・メモ3
・プログラミングスクール卒業
・メモ1
・メモ2
・メモ3
現在Notionを使っているのですが、なかには10階層も深く情報が保管されており、整理しきれていませんでした。
しかし3階層でまとめることができれば、情報収集のさいに保管場所をさがすのが簡単で、なおかつメモを活用する際にも容易になると思いました。
ノート術の歴史
ノート術の本には長い歴史が存在します。
『知的生産の技術』の京大ノートをはじめ、他国ではドイツのツェッテルカステンが紹介された『TAKE NOTES!――メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになる』。
少し前だとイギリスの『ザ・マインドマップ』や、最近だとアメリカの『バレットジャーナル 人生を変えるノート術』や、日本の『メモの魔力』があてはまります。
しかし、以外にもデジタルノートの整理法について体系的にまとめたものは少なく、本書の希少性が増しています。
デジタルノートはどのサービスにするか、特には指定していないので、汎用性も高いです。
おわりに
本書はデジタル備忘録をつくるやり方を教えてくれる本。
本書にそって、これからNotionを使って、情報の整理していこうと思います。
セカンドブレインを使うと、アイディア同士がどんどんつながり、アイディアの解像度が上がり、鋭い視点に磨きがかかることが期待されているので、いまから楽しみです。
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