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Sense of wonder〜カルタ結び

着付教室 花楽(はなたのし)の豊翠です。
豊翠亭に、ようこそ。
皆様を、着物の世界へご案内致します。

山内豊翠(やまうちほうすい)という名前は、
山の中の、豊な緑の森に、小川がサラサラ流れていて、そこに美しい翠(みどり)の羽根のカワセミがいる。
そんなイメージで考えた名前です。

花楽(はなたのし)という屋号は、女性が花のように輝いて、新しい自分を発見して、楽しく穏やかな毎日を過ごして欲しい。
という思いからつけました。

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Sence of wonder (奇跡の展覧会)

今日、田舎の小さな美術館の、奇跡?の展覧会を見てきました。
多分、世界中でここだけの、凄く珍しい展覧会です。
私は、凄く癒されて、今日一日、楽しく過ごせました。今も、思い出すと、楽しくなっちゃいます。

数日前に、友人から、
「○○美術館で、14〜19日に《北斎、歌麿展》をやっているから見に行かない?」
と誘われました。
「エッ、あんな田舎に美術館あった?
そんな凄い展覧会やってるの?
行く行く!」
と、18日の土曜日に行くことが決定。
土曜日は混むかなぁ〜などと、ワクワクしていました。

当日、友人3人で、着物を着て、いざ出陣!

その、小さな田舎の美術館に到着すると…
誰もいない…

入り口の事務所のような部屋から、扇風機とテレビの音が聞こえてくる…人は…?

「すみませ〜ん、北斎、歌麿展を見に来たんですけど…」

椅子の陰から、ムクッと忍者のように出てきたおじいさん。
話し相手ができたと、嬉しそうに受付窓から顔を出し、

「そこに、名前書いて、手指は消毒して下さい。マスクしてね。」

とニコニコ顔。

そして、

「北斎、歌麿展の展示品は、個人所有の物で、25展出展してくれる事になっていたのに、まだ4展しか持ってきてくれないんだよ。」

と、ちょっと恥ずかしげに笑った。

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エッ!
展覧会って19日まででしょ?
今日は18日なのに、そろってないの?
そんな事ある⁉︎
顔は微笑み、心はうろたえた。

友人が、
「個人所有なんですか?凄い方ですね。お近くに住んでいらっしゃる方ですか?」

「……たぶん遠くの人…、私もようわからんけど…、まだ持って来れんらしいですわ…」

拝観料は?
エッ要らないの?
なんで…?
ちょっと不安…
でも、取りあえず、4つだけ見よう。

ガラ〜ン…とした展示室に入ると、誘ってくれた友人が呟いた…

「Facebookにあげてる人がいたから、みんなを誘って行こうと思ってね。でも、ネットで調べてみたら出てこなかったんだよね…。だから少し不安だったんだけど、その後忙しくて、忘れてた。Facebookにあがってるんだから大丈夫だろうと…」

「4つ見られたらいいじゃない。」と友人を励まし、気を取り直して、
どれどれ〜と、
じっくり見ようと顔を近づけた。

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ん?

ん?

ん?

3人で顔を見合わせ、おじいさんに、

「これ、本物ですか?」

「…ん〜たぶん…よう知らん…」

どうした、おじいさん⁉︎

それにしても、本物か?
本物だったら、やっちゃいかん事してるよね!

その、北斎、歌麿作品は、なんと!

上から色鉛筆で、色が加筆されている。

その上ザツ!

「どうした!これ…」
「子供が書いちゃったのかな…」
「これ、本物だったら、絶対にやっちゃいかん事よね…」

3人で顔を見合わせると、笑いが込み上がってきた。

これ、世界中でここだけだよね。

絶対あり得ない展覧会だよね。

これ、本物だったら、大変な事だよね。

もう、笑いが止まらない。
不思議な世界に迷い込んだ気分。
なんだか、誰も見られないような、見てはいけない物を見てしまったような、得したような気分。

そんな私達のところに、おじいさんが、クルクルと巻かれた大きな紙を、得意気に持ってきて、嬉しそうに広げて見せた。
「ほ〜ら、これは、私が描いた絵なんです。」

アクリル絵の具で描かれたその絵は、透明感があって、とても美しい。
森の中の湖に、木々が写り水面がキラキラ輝いている様子が、私達の心をスッキリさせた。

いいもの見れたね。
楽しかったね。
良かったね。 
良い日だったね。

価値のある物とは何なのか、

考えさせられた一日でした。

それでは長くなりましたので、次回に続きます。長文を読んでくださった方、ありがとうございます。スキしてくださった方、ありがとうございます。又、次回、よろしくお願いいたします。

簡単、緩まない、カルタ結び

今回のYouTubeは、簡単、緩まない、カルタ結びです。浴衣や普段着着物に似合います。




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