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農 と AI

世界的に躍進を続けているAI。
この技術が進歩するほど人間の仕事は減り、よりクリエイティブで特化的な職業が残っていくと言われている。その波はもちろん例外なく農の世界にもやってこようとしている。


農という分野は昔から『長年の経験と勘』に基づいた世界であり、マニュアル化などが非常に難しいとされてきた。幼いころの私は、単純にマニュアル化すると農家の利益にならないので誰も取り組まないせいだ。と考えていた。


しかし、実際に農の世界で生きていくようになって知ったのが農の世界のカオスさであった。畑の土質、日照時間、風向、気温、湿度、地下水位、降雨量、生態系、肥料、栽培手法、人手、機材資材、品種品目、販売先、販売形態、出荷量、出荷調整。思い浮かぶだけでこれだけの要因によって全ての選択と手法が変わってくる。


農業とはある意味、クレイジーな世界なのである。これをマニュアル化するには非常に難しい。農協によってマニュアル化されている肥料設計も、地域や土質によって細かく細分化されている場所も多い。比較的マニュアル化しやすい部分でもかなりの労力と細分化が必要となるのである。


では、今後も経験と勘による栽培を主体にしていくのかと聞かれれば、答えはNOである。やはり基本的なデータを基準として、ある程度の予測を誰もが出来るようにしていく必要はあるだろう。


そのためにAIという道具は有用に思える。高知県では農場の情報をクラウドへ集約し、AIによる栽培手法の最適化を行う “IoPクラウド” と呼ばれるシステムを始動させている。東京大学や農研機構、NTTドコモなどと連携しているサービスで、今後の農へのAI導入のきっかけになりそうである。


AIに任せて人間は毎日、悠々自適に暮らしながらお金にも困らない。そんな未来はまだまだ先だろうが、AIの活用方法次第では新規参入のハードルを下げ、気候変動に強い農業を作っていけるかもしれない。


これからの農は大量生産で金儲けをする農ではなくなる。環境への配慮も取り入れ、安定的な価格で需要を満たしつつ、農の世界から伝えられる豊かさを多くの人が享受できるようになるだろう。そのためにもAIという鍵は無くてはならないものになる。


高知県の新たな取り組みに期待しつつ、今日はここで筆を置くことにする。


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