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#02 日本の「医療介護」のノウハウが中国にもたらすもの(オープン社内報)

医療法人 芳縁会(仙台市)のジャ ウェンティンです。
今日は、日本の「医療介護」のノウハウが中国にもたらす新たな展望と、ビジネスの可能性をお話しします。


中国に差し迫った問題


10月に4年ぶりに中国に帰国し、現地の介護施設やリハビリ病院を視察してきました。正直に言うと、脳梗塞後遺症を持つ父がお世話になる可能性が高いと思いながら、施設の代表の方をはじめ、関係者の方々と医療介護ビジネスなどについて色々とお話させていただきました。

中国の「一人っ子政策」は1979年〜2014年、35年以上行われてきました。それ以前は、子供をたくさん生む女性のことを「光栄母親」と称賛し、一つの家庭で兄弟4〜5人いるということが普通でした。

「一人っ子政策」により人口増減を政策とした結果、中国ではこれからの50年間は深刻な高齢化社会を迎えることとなりました。
経済ジャーナリストのモーバンフ氏がこの問題を「津波」に喩えて中国各地で講演し、高齢者向けの医療介護の制度の健全化の必要性を訴えてきました。

11月12日、今回、モーバンフ氏を仙台までお招きし、秘書の佐藤様と、当法人の監事 道又(広南病院)を交えて「意見交換会」を行いました。


日本の医療介護保険制度のメリット・デメリット


日本の医療保険制度は、全国民が「高度な医療」を「手頃な費用」で受けることができるのが特徴です。一方で、健康管理がしっかりしている人ほど医療保険のメリットを享受しにいという一面があります。
また、手ごろな医療費は、高齢者の過剰利用も引き起こしています。


モーバンフ氏は、自動車保険のように医療費の非発生者に対して保険料を等級分けし、その優遇措置を設けることが1つの案だと提唱します。

日本の「介護保険制度」は、要介護状態の高齢者の生活サポートを強化し、安心して暮らせる環境を提供していますが、介護保険にかかる予算や人材不足は深刻です。
介護労働者は、頑張っても給料が上がらず、労働環境の改善も求められています。

意見交換会では、高齢化による財政の偏在は、将来の日本の社会発展を担う子供への適切な資源配分を困難にしているという懸念が議論されました。どちらの制度も、高齢化人口の増加に伴い、支出が増大し、制度改革が必要な課題が生じているといえます。

日本の介護が開く、中国での新しいビジネスの「扉」


中国では介護業界のデジタル化や介護ロボットの取り入れが進んでいます。技術面では日本に引けを取りません。
しかし、高齢者の最期を安心かつ苦痛のないものにするには、「人が行う介護」が不可欠です。介護職員やケアマネージャー、リハビリ技師、終末期医療の専門家が必要です。

中国の高齢化人口が今後50年続く見込みで、この分野で専門知識を持つ人材が非常に需要があります。中国の若者は日本の介護技術を学ぶ傾向があり、彼らが経験を積んだ後に中国に戻り、質の高い高齢者サービスを提供することが期待されています。

当法人では、介護プランに詳しいケアマネージャーを募集しています。将来的には、中国の介護従事者の指導者として育成する予定です。興味がある方は、以下のリクルートリンクからご応募ください。




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