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#1 いざフィンランドへ!~機内にて

 時刻は朝6時を過ぎた頃というべきか、深夜0時を回ったところというべきか。
 今私は成田発ヘルシンキ着の飛行機のなかだ。
 今回のフライトで一番困っていること。
 それは全然眠れないことだ。正直困った。どこでも寝れるのが自分の取り柄だと思ってたのに。
 私の場合睡眠時間はとても重要だ。寝れないと1週間後に知恵熱が出る可能性が高くなるか、初っ端から授業を寝坊するかだ。
 いや、でも幸い授業が始まるまで1日あけてある。最悪着いてベッドにダイブ、そのまま寝続けても問題ない。
 とりあえずヘルシンキから電車に乗るために両手の20キロずつの荷物を操作できるほどの体力さえ携えていたらいいのだ。

 12時間ほどのフライトをどう乗り切っているか。
 私はなぜか機内で映画が観れない人間だ。楽しめないと言ったほうが正しいか。乗ってしばらくは日本でダウンロードしたいつも聴いている音楽を流していた。耳だけでも馴染みのある環境に置けて満足だ。
 その後機内食が出た。家族で出発前最後の夕飯を堪能したあとだ。加えて私の唯一苦手とするカツ系?の料理だった。食材には本当に申し訳ないがほとんど入らなかった。
 その後消灯時間に入る。他の人は寝る準備に入る。


 ちょっと待て、今は日本時間0時前だ。私がいつも寝るのは1時近くになる。そんなすぐには寝れない!
 そう思って1時過ぎまで溜まっていた作業をすることにした。
 作業はとても、それはそれはとても捗った。前日まで永遠に終わらないと思って手が進まなかった作業がとうとう終わってしまった。時刻を見ると1時半。困った、眠くない。
 結局それから寝ているのか寝ていないのかわからない状況をさまよった。本を読んでみたり(消灯のときの読書はおすすめしない。読書灯は眩しすぎるしモニターの光では何も読めない)、数独をやったり音楽を聴いたり消したり。

 寝れない間、ネガティブな考えが渦巻いていく。
 自分はこれから起こりうる困難を乗り越えられる準備をしてきたのか。
 正直本当に留学に行けると思っていなかった。コロナ、ロシアの戦争の状況は悪化してもおかしくなかった。日本で大震災が起こる想像もした。だから飛び立つ当日が本当に来たことが不思議すぎるのだ。留学が中止になる準備はできていたのに、留学への準備はできてなかった。とはいっても必要な手続きはすべて済ませていたし、現地の学生や職員の人とも連絡をとっていた。私の心だけ、まったく準備ができていなかった。
 搭乗前に感じていた根拠のない自信はどこかへ行っていた。
 情けなくて涙がにじんだ。

 結局あ、寝れると思って寝たのは日本時間3時から6時の間だった。
 それで今に至るのである。

 この先またこんな風にネガティブの波にのまれてしまうのだろうか。
 フィンランドの冬は長い。何か対策を講じなければ確実に病みそうだ。

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