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北海道の歴史と最先端に触れる旅【旅行記#6】

みなさんこんにちは。いよいよ2023年も終わりますね。この時点で年内の旅行を全部振り返ることができないことがほぼ確定していて絶望していますが、2024年最初の旅も決まったので、それまでには書き上げたいと思います。記事は下のマガジンに追加していくのでフォローしてお待ちいただけると幸いです。

今回は約半年前から計画を温めていた旅行です。友人とやりたいことを詰め込みまくったので、例によって振り返りも長くなりそうですが最後までお付き合いください。


計画は半年前から

2023年2月、ふと思い立った。
「エスコンフィールド、行きたいな」
新しくできた野球場を開場初年度に訪れることなんて、そのチャンス自体一生のうちに数えるほどしかないだろう。それが目の前に転がっているというのに見過ごすのはもったいないとふと思った(これは毎回言っている気がする)。北広島という札幌に近い立地も旅行欲を刺激する。過去2回の北海道への旅では道南、道東をめぐり、札幌エリアは完全にスルーしていた。それに札幌付近は道内では鉄道網が充実しているエリアなので、車に頼ることなく小樽方面にも行くことができる。函館本線(山線)が残っているうちに余市に行ってみたいとも思っていたので、これはしっかりと計画を立てる必要があると思った。
ここでとある友人の存在を思い出した。彼とは高校時代からの付き合いで、野球の贔屓チームこそ違うが、SNSを見て旅の趣味も近いかもしれないと一方的に思っていた。せっかくだからと声をかけてみると二つ返事で快諾してくれた。このフットワークの軽さは見習いたいところである。計画に関して話し合いを重ねるうちに、この旅のメインコンセプトが形成された。
・エスコンフィールドで野球観戦
・余市でウイスキー蒸留所を見学
・札幌(+小樽)でグルメを満喫

それぞれに関して以下で掘り下げていく。

上陸!エスコンフィールド

新千歳空港に着いてから早速球場に向かったわけだが、移動手段としては電車で北広島駅まで行き、そこから球場へ向かうのが一般的だろう。しかし、時間によっては空港発の直通バスもあり、これに乗ることができれば時間と金の節約になる。ただ、試合開催日は下の写真のように混雑が予想されるのでご注意を。

臨時便が増発されることもあるらしいが、それでも乗り切るかわからないくらいの人が並んでいた。急ぐなら電車でなるべく近づいておく方が賢明かもしれない。

バスは直通で球場前のロータリーに到着する。北海道のローカルバラエティなども駆使して何度も予習していたが、いざ壮大なエスコンフィールドのガラス張りの外観を見た時の高揚感は文字では伝えられる自信がない。無意識のうちに歩みが速くなる。

1塁側コカ・コーラゲート。透けて見えるボトルが特徴的。
球場外の施設もいろいろあるが、時間の関係で割愛。中は後述するが、ここで1日過ごしても飽きないほどの充実度合いである。

外部の散策もそこそこに場内へ。ビン・缶はもちろんだが、ここではペットボトル飲料も持ち込みNGなのでご注意を。

まず着席して眺めをチェック。奮発してフィールドレベル(1F)の座席に。ネットこそあるが写真撮影ガチ勢でなければ気にならないはずだ。
ブルペンの様子が見えるのもいいところ。
荷物を置いて場内散策へ。ビジター側ブルペンの上あたりには有名な写真スポット、「Tower 11」が。人が多すぎて記念撮影どころではなかった。
バックスクリーン付近の「そらとしば」。ピザとビールで乾杯。
ちょうどバックスクリーンの位置にあるため試合中の写真撮影はできないが、壁際の席を予約すれば試合を見ながらビールを飲むことができるようだ。
ライトポール付近にあるGAORAの中継ブース。
ネット裏からの眺め。死角も少なく見やすい。
この日の始球式はタカアンドトシ。ひさびさに見た気がした。
ついに試合開始。ビジョンが1塁側と3塁側に2つあるのも新しい。
贔屓チームの試合ではなかったため試合詳細には触れないが、非常に楽しい観戦だった。試合後は混雑緩和のためか大がかりなイベントを打っていて飽きさせない工夫がすごいと感じた。この日はお笑いライブだったが、今見返すとすごいラインナップである。
イベントも堪能し外に出ると提灯のライトアップが。本当に1日溶かしてしまったが後悔は全くない。

マッサンの足跡をたどって

2日目は札幌から足を伸ばして余市へ。昨年の広島旅で竹原を訪れて以来、行きたいと思っていたニッカウヰスキーの蒸留所が目的地だ。ICカード対応区間が小樽までだったので紙の切符を買った。IC非対応ならせめて切符を買うときにIC残高から引き落としたりクレカ決済に対応したりしてくれればいいのに、とは思うがこれは都会人の妄想に過ぎないのだろうか。

小樽から先は新幹線開通に伴い旅客運送もストップするため、駅改札にICは導入されないだろう。
当日はあいにくの空模様で、銭函の海岸線も御覧のありさまであった。
小樽からは北海道でおなじみのH100形気動車DECMOに乗り換え。
余市駅の改札を出るとニッカウヰスキーの樽がちょこんと積み上げられている。ポイ捨てされたナポリンの容器も含めて哀愁を誘う。
駅を出てまっすぐ進むとすぐ蒸留所の入り口がある。ツアーの受付はここから。当日は受け入れてくれなかったはずなので、事前予約を忘れずに。

ツアーではウイスキーの製造工程の説明に加えて、各工程の施設を見学できる。予約さえすれば無料で参加できるので、訪れる際はぜひ参加してみてはどうだろうか。ウイスキーの味わいに関するセミナーは別途有料らしい。

ツアーコースを一部紹介。創業当時のニッカ(当時の大日本果汁)本社屋。執務室も当時のまま保存されている。
ポットスチルが並ぶ蒸留棟。この時はやっていなかったが、創業以来石炭の火で加熱しているらしい。しめ縄がかかっているのは酒蔵育ちの創業者・竹鶴政孝の教えだとか。
ツアーの最後には試飲タイムが。今となっては貴重なジャパニーズウイスキーのトップランナー「余市」も飲むことができる。
ご丁寧に飲み方のレクチャーもしてくれる。ハイボールもいいけど、味を楽しむならロックかトワイスアップかな。
ツアーとは別の展示室の様子。樽と原酒と時間とブレンドと多くの変数が絡まりあうことで1本のウイスキーができる。この奥深さを知ると沼ってしまうのも納得。

結局は下の一言に集約されてしまうのだが、どんなものでも我々の手元に届くまでどのような道筋をたどるかを知ることは非常に興味深い。その認識が強まる訪問だった。

食の宝庫、北海道を満喫

ウイスキーで出来上がったあとは腹ごしらえである。余市にはおいしい寿司屋があるらしいと過去にバズった誰かのポスト(当時ツイート)で見た記憶があり、それをもとに訪問した。

「余市番屋」。開店直後はさほど待たなかったが、地元民と思われる客が絶え間なく訪れていた。
その日によっておすすめが変わるらしく、定番メニューに頼らない注文をしてしまったので何を食べたかはっきりは覚えていないがおいしかったという記憶だけはある。右はたしかサクラマスだったかな。
白身の何か1。
白身の何か2。(メモしておけばよかった)
ホタテの厚みだけでも伝わってほしい。
ウニもおいしかった。

地のものを中心においしいお寿司をいただいたところで余市を去り、小樽へ。この移動は電車でもバスでも所要時間・料金ともにさほど変わらないのでタイミング次第で選ぶのが賢明だろう。
小樽には高校の修学旅行で一度来たことがあったが、約10年の月日が流れたということで新鮮な気持ちで観光することができた。行動範囲に制約がなくなったことも大きいだろう。

小樽に着いて早速ビールをいただく。倉庫街の中にある醸造所で、製造工程も見学できる。これはなんか甘いやつだった。下はお口直しに頼んだシュヴァルツ。
ルタオでケーキ。当然ながらカップルが多かった。こちらはリアルなアフヌン。
小樽駅を離れそこそこ歩いて南小樽駅のほうに向かうと、酒蔵がある。セブンイレブンが併設されている。
田中酒造さん。「宝川」が代表銘柄。
ここでも製造工程を見学できた(予約不要)。日本酒にも関心はあったが知識に関しては素人同然だったので勉強になることだらけだった。得た知識の一つをおすそ分けしておく。

夜には札幌に戻り、すすきのでジンギスカンをいただくことにした。実は小樽ー札幌間の移動もバスと電車に料金の差はほぼなく、何ならバスのほうが本数が多い。鉄道の優位性は完全に失われている。これでいいのか、JR北海道。

すすきので通称ニッカおじさん(キング・オブ・ブレンダーズが正式名称らしい)と数時間ぶりの再会。
おじゃましたのは「だるま」。すすきの界隈に数多く出店している。すいているところを見つけよう。
30分くらい並んでついにご対面。クラシックも欠かさずに。脂身が1皿でお腹いっぱいになってしまうあたりもう年なのかと思わされる。

ジンギスカンだけで終わるはずはなく、北海道ならではの「しめパフェ」へ。店を探して向かうも、どこも混んでいる様子だった。中には予約が必要な店もあるらしい。締めのために予約というのは納得がいかなかったが、有名だし仕方がないと思いつつ行列の一端をなすことにした。訪問したのは狸小路にある「パフェテリア ミル」。

諸事情によりパフェそのものの写真は割愛するが、ラインナップはこのような感じだった。ほかにも季節もののフルーツを取り上げたメニューがあり、かなり悩まされた。ペアリングのウイスキーは竹鶴一択だったが。

最終日の朝は時計台からスタート。観光スポットとしてこれが押し出されるのもどうかと思うが、開拓使時代の建築を残している点は評価されるべきだろう(歴史・建築オタクがどれだけいるのかという問題はおいておく)。

周りがすぐ道路なため写真撮影の難易度も高い。向かいのビルから撮るのが穴場だとか。

時計台、テレビ塔とメジャー観光地を横目に向かったのは二条市場。朝市である。平日ではあったが観光客でかなりの賑わいだった。だいたい中国人だったような気もするが。

港が近いわけでもなく、街中に突然現れる。
マグロやカニは手が出る値段ではなかったので、こちらの丼に。味は言うまでもなくおいしかった。もっと稼いでリベンジしてやる。

朝食を済ませると、今度は西へ。開拓使時代の洋風建築を残す知事公館を訪問。

会議室。シャンデリアのカバー?に国産材が使われているらしい。
応接室。大開口から入る光がすばらしい。
芝生の広場にたたずむ洋館。異世界情緒漂う。

歩き回った後の昼食はスープカレー。札幌が発祥でこそあるが、今となっては都内でも下北沢等数多く店が集うエリアもあり、そこまでの特別感はなかったかもしれない。むしろ安心感を強く覚えた気がする。

「村上カレー店 プルプル」にて。おいしかった。
駅付近に向かい道庁を、と思ったら改修工事中でハリボテでした、の巻。
六花亭札幌本店にてアフヌン。イートイン限定のアイスサンド(右)と雪こんチーズ(左)。
季節限定のレモンチーズケーキ。さっぱりしていて絶品だった。

札幌市内をめまぐるしく動き回り、歩き疲れてしまった我々はそそくさと空港に向かい、温泉で疲れを癒した。新千歳空港すごい。お土産を調達し帰途につく。これにて今回の旅は終了である。

出発前の夕食は一幻のえびそば。常に並んでいる印象だったが、時間に余裕があったので参戦。これで北海道グルメ巡りに一片の悔いなし。

 おわりに

北海道は純粋に「うまい飯と酒」を満喫できるうえに、地域ごとの特色も楽しめるので個人的には大好きな場所である。何度行っても飽きない。
エスコン効果でしばらくは盛り上がるだろうが、その恩恵を受けるのも札幌ー千歳間だけで、新幹線が開業すればそれ以外のエリアへのアクセスは悪くなることが予想される。バスこそあるが、余市へ行きたいなら間違いなく今のうちに行くべきである(車で行くと飲めない人が出てしまうから)。エスコンフィールド自体に関しても滞在自体は楽しいが、帰りのバスの混雑を思うと次は新駅が開業するまでいいかな、という気持ちにもなった。ただ来年はオールスター、再来年にはMLBの試合も開催されるそうなので一度行っておいて損はないだろう。それではまたどこかで。

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