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炎上ウェルカム!?近畿大学の入学式から考える、なぜ近大が思い切った取り組みを次々にできるのか。

近畿大学の入学式というと、卒業生であるつんく♂さんがプロデュースし、とにかくド派手ということで有名です。今回、見つけたニュースも、そんな近大の入学式が取り上げられたものなのですが、強調されるポイントがいつもと違っていました。でもそうとはいえ、これはこれですっごく近大らしいのです。

各学部の入試倍率をたたえあうというこの儀式、知っていました?これって端的に言ってしまえば、入学式に参加するみなさんは狭き門をくぐり抜けてきた選ばれし者なんだよ、というのを確認しあう儀式になります。

この記事を見てまず脳裏に浮かんだのは、いろいろと言う人がいるだろうなぁという素朴な感想です。不合格だった人への思いやりはないのか、とか。大学が入試倍率を強調するのは受験生の志望校選びに悪影響を与えるのではないか、とか。大学がやることとしてなんとなく下品だ……とか。

記事を斜め読みするだけで、すぐにこういうことが浮かんだわけです。ということは、当然、近大がそんなことを考えていないはずもなく、わかった上でやっているのは間違いありません。では、なぜ、批判覚悟でこういったことをするのかというと、そもそも近大が入学式に力を入れはじめたのは、不本意入学した学生の気持ちを切り替えたいからだと言われています。この取り組みもまた、そのために行っているのだと感じました。

もし不本意入学で入ってきたとしたら、あなたは凄い、あなたは頑張ったと言われても、なかなか耳に入ってきません。ましてや不本意入学した大学に言われたところで、うれしいどころか、逆に落ち込んでしまう可能性だってあります。でも、具体的な数値(根拠)をもって、その凄さを表現されたら、否定のしようがないと思うんですね。そういう意味では、不本意入学した学生を、不本意入学先の大学が元気づける方法として、この方法は数少ない有効打なように思います。

そこまで考え(妄想?)を巡らせてみると、この取り組みは下品どころか、ある種、新入生のために大学が汚れ役を買って出たとも言え、ノーブルな感じさえしてきます。

今回の取り組みだけではないのですが、近大の取り組みはド派手で極端なものがよくあります。でも、その根本のところに、学生のため、という想いとロジックがちゃんとあるものが多いように思います。これがあるからこそ、賛否両論が出たとしても、すべてを推進力に変えていけているのではないでしょうか。

もうちょっと具体的な言い方をすると、賛否両論の結果、ポジティブが勝てばそれで良し。もしネガティブが勝ったとしても、それによって話題になりメディアが取材に来てくれさえすれば、そこで真意を話してポジティブなイメージに転換できる、ということです。そう思うと、近大にとって、一番良くないのは話題にならないということなのかもしれませんね。そして、そんな視点で、近大の広報を見てみると、あながちこの考え方は間違ってないのではないかな、という気がしてきます。


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