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今後の学びに関わる視点!?追手門学院大の学生団体×企業のコラボから、学生コラボのポイントを考える。

少し前に大学と社会との連携について身も蓋もない記事を書いたところですが、今度はまた違う視点で大学と社会との連携について書きたいと思います。取り上げるのは、追手門学院大学の学生×企業のコラボについてです。

プレスリリースの内容は、追手門学院大学の学生団体「追大Candle Night」が、大規模ショッピングモール「EXPOCITY」からオファーを受けてLEDキャンドル2,000個を使ってオブジェをつくるというもの。同大学のキャパスを、学生たちがキャンドルで彩る「キャンドルナイト」は冬の名物詩で、実はこれまでに取材したことがあります。12月の夜に開催されるイベントのため、震えながら取材と撮影をしていたのですが、地元住民の方々がたくさん訪れ、とてもいい空気感だったことを今でも覚えています。

このプレスリリースで面白いと思ったのは、これまでの実績に興味を持って企業側からオファーがあったということ。しかもそれが、大学や教員に対してではなく、学生団体に対してあったということです。

学生の取り組みに関わったり、取材したりして、よく感じるのは、学生たちが年ごとに入れ替わっていくため、その質や内容が安定しないんですね。去年は良かったのに今年はイマイチだった、とか、また逆に一体どうしたん!?というぐらい素晴らしいパフォーマンスを発揮する年があったりもします。さらにいうと、今回はオファーの相手が学生団体です。ゼミ活動であれば担当教員がいるので、最終的なところのマネジメントやクオリティコントロールを大学側でもやってくれそうですが、学生団体であればそういう対応をする”大人”が不在なように感じました。

やることに波があるけど、その代わりに突拍子のないものも出てくる。これこそ学生が関わる取り組みの持ち味なのですが、企業にとって品質にバラツキがあるのは致命的です。昨年のオブジェがすごく良かったので、依頼してみたらまったくだった……なんてことになれば、企画を立案した社員は立つ瀬がありません。企業であればこういったリスク云々はまず想定するでしょうし、考えたうえでオファーを出しているのだろうと思うと、「追大Candle Night」はなかなかすごいのではないかと思った次第です。

また、この記事を書いていくなかで、学生団体が実績をアピールする場合、単に実績を伝えるだけでなく、そのノウハウなどが蓄積されていることを伝えることも必須だと思いました。もしかしたら「追大Candle Night」は、ノウハウを蓄積させていく仕組みづくりが上手かったりするのかもしれません。

大学のリモート授業が一気に浸透したことで、対面授業の価値を再考する流れが出てきています。当然この流れのなかで、“対面でしかできない学び”がこれまで以上に価値を持ち重視されるようになることが容易に想像がつきます。企業連携は、そういった学びの代表的なものの一つになるでしょう。学生主体の企業連携を考えるうえで、「追大Candle Night」の活動には何らかのヒントが隠されていそうです。リリースからは推測するだけになるので、どこかで再取材してみてもいいかもなぁと思いました。

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