#50 寄り添う姿勢


今日は3月23日。

「絶対にこの日に書いておきたい」

との思いから、私はいまこの文章を書いています。

理由は最後に書きますね。

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先日、私が所属するとあるオンラインサロン にて、SNSについての勉強会がありました。

その中で一番心に残ったのが、「(情報発信を目的とした)SNSの運用においては、あなたが主人公になってはいけない」という言葉でした。

これは言葉で聞くとなるほどなあと思いますが、いざこれをふまえて発信してようとすると、どうしても方向性を間違えてしまいがちです。

そこで、ちょっと目線を変え、かつて自分が悩んでいたときに、どんな言葉に心が動いたかについて振りかえってみました。

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あれは娘が生まれて4,5カ月のころ。当時のわたしは小さめに生まれた娘のことで頭がいっぱいでした。体重曲線の下限を這うように成長していた娘は、同月齢の子よりも一回り小さかったのです。

「小学校に行く頃にはそれなりに大きくなるから、心配しなくていいよ」

「もし、どうしても母乳だけで心配だというなら、ミルクを足してもいいんじゃない」

あの頃のわたしにアドバイスをするなら、こんなことが言えるかもしれません。

でも、娘の体重の少なさで悩み、自分をせめがちだった当時のわたしには、そうした「有益なアドバイス」は届かなかったことでしょう。

実は、こうしたことは保健師さんや、周囲の人たちからも言われてきたんです。自分でも本やネットで調べて、おそらく「正解」はこうなんだろうなということも頭では分かっていました。

でも、それはわたしが求めていた言葉ではなかったのです。

そんなある日、知人に誘われて、ある親子の集いに出席しました。そこには娘のような小さな赤ちゃんから、元気に走り回る未就学児の幼児まで、さまざまな親子が参加していました。

そこにはお母さんたちにリラックスした時間を過ごしてほしいという主催者側のお心づかいで、ボランティアによる託児のスタッフの方が数名おられたんですね。

ただ、諸般の事情により、託児スタッフは皆かなりの御高齢者ばかり。幼児たちのパワーにちょっと圧倒されておられたようでした。

しかし、その中の御婦人の一人が娘を抱っこして、こう言われたんです。

「私はもう高齢で、元気に走り回る子たちの相手はできない。でもこの子は小さいから、こうしていつまでも抱っこしていられるよ」

実際のところ、当時の娘はまだそんなに動ける月齢ではなかったので、どこかに寝かせておいてもよかったんです。

でも、小さな娘を愛おしそうに抱っこして、微笑みながら何度も

「ありがとう」

と繰り返し言ってくださるその姿に、なんだか胸がいっぱいになりました。

おそらくこの御婦人は、少しでも若いママたちの助けになりたいと、託児ボランティアに立候補してくださったのでしょう。でも、いざ参加してみたら、もう自分の体力では鉄砲玉のように走り回る子達の相手をすることは難しいという現実に直面してしまった。

そこにいた、あまり激しく動き回らず、しかも体重が軽かった娘。そんな娘をだっこすることで、この方は人の役にたてているという実感を持てたのではないでしょうか。

おそらく、当時の私がなにより求めていたものは、「正解」や「答え」ではありませんでした。ただ静かに寄り添って、娘のことをそのまま受け入れてくれる存在だったんですね。

御婦人の「ありがとう」からは、いろいろな思いが伝わってきました。

だっこさせてくれて、ありがとう。

今日、この場にきてくれて、ありがとう。

生まれてきてくれて、ありがとう。

そのときわたしは、ようやく、ありのままの娘の姿を肯定することができた気がします。

少しぐらい小さくてもいいんだ。この子はこれでいいんだ、と。

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明日3月24日は娘の小学校卒業の日です。

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だから、記念として絶対にこの日に書いておきたかったんです。

あんなに小さかった娘も、今ではわたしの背に並ぶほど大きくなりました。そんな娘の成長に負けないように、わたし自身もまだまだ前に進んでいきたいと思います。


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