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ReolとAaron

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#短編小説

キャンバスの主

キャンバスの主

空想の中と思想の狭間で揺れる。
目の前をとんだ蜻蛉はもう居ない。
トンネルの先で大口を開けた魚。
世界を悠然と見下ろすクラゲ。
空から振ってくる小魚の群れ。
そんな夢を見ながらドーパミンに挨拶して。
私に明日はあるのかな。
この狭い未知の世界で1人。
貴方がいらないというのなら止めはしない。
所詮私はタツノオトシゴだ。

なのにどうして人間の姿を

どうしてこの男の姿を

やっぱり考えるのは億劫だ

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一番初めにもらったもの

確かに今まで散々傷つけてきました。
『これ』が、何なのか今もよく分かりません。
だって、まるで手みたいなんです。
でも灰色の手なんか見たことない。
体全部灰色なんですが、これはなんですか?
つねったら痛いです。
ぎゅっと握ったら変な感じがします。
まるで今まで見たことあるものばかりで…
なんなんですかこれは?
私なんて知らない。
『これ』の名前だって知らない。
こんなこと聞いてないのに。

胸にす

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