キャンバスの主
空想の中と思想の狭間で揺れる。
目の前をとんだ蜻蛉はもう居ない。
トンネルの先で大口を開けた魚。
世界を悠然と見下ろすクラゲ。
空から振ってくる小魚の群れ。
そんな夢を見ながらドーパミンに挨拶して。
私に明日はあるのかな。
この狭い未知の世界で1人。
貴方がいらないというのなら止めはしない。
所詮私はタツノオトシゴだ。
なのにどうして人間の姿を
どうしてこの男の姿を
やっぱり考えるのは億劫だ。
きっとそれだけ無駄なのだ。
この男の姿をきっと君は知らないだろう。
だから君にはもう会わない。
空想の隙間。
君が考えることをやめたら、私なんて居なくていい。
壊したいなら壊せばいい。
私は君を恨まないよ。
君を嫌うなんてありえない。
私自身に意味なんてないよ。
この男だろうが黒山羊だろうが
タツノオトシゴとして片付けられる存在だから。
生かすも殺すも貴方次第だ。
ただ、私は貴方を愛してる。
骨の髄まで焦がれている。
貴方は私の 。
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