涙。
路地裏で、男がケラケラと笑っていた。
あいつだ。
ガスマスクを被る者として、俺はこの街の夜を守らなければならない。
「おい。お前」
彼の前に立ちはだかると、奴はニヤニヤしながら首を傾げた。
「ガスマスクじゃねぇか。お前も笑ってみろよ」
ふざけるな。
「お前の所為で、この街が壊れ始めているんだ」
男は四白眼を細め、再び、ケラケラと笑い始めた。
「笑うな!」
四白眼の男を殴り飛ばす。
それでも、彼は地面で笑い転げ続ける。
「笑うな!!!」
不気味な笑い声が、夜の闇に響き続ける。
「笑っ……」
でも、何故か、
四白眼から溢れ出る涙は、悲しげに見えた。
夜の街へ、作品のネタを集めに行く為の費用に出来ればと思います。