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Episode 323 女性は男性とは違うのです。

私の次女がPDD-NOS(特定不能の広汎性発達障害)の診断を受けたのは今から4年ほど前のことです。
その頃にはすでにPDD-NOSはDSM-5という基準によってASDに再編されることになっていたワケで、その基準は発達障害の当事者としても何が何だか分からないほどの混乱ぶりだと思うのです。

大体にして、私自身がAS(アスペルガー症候群)傾向のASDという診断を受けていながらどのタイプのASなのか分からない状況でして、「孤立型」の部分があったり「受動型」の部分が見えたり…。
だから、診断名というのはあまり「当て」にならないのではないか…というのは私の個人的な意見であって、医師を批判しているつもりはありません。
つまり…心理検査や外側から見える傾向から診断名がつくワケであって、それは「おそらく」の世界なのだろうと私は思うのです。
原因が特定できるウイルス性の疾患などと違って決まった症状が現れるわけではないのですから、発達障害などは診断する人の「主観」が、少なからず診断名に影響すると私は思っているのです。

ASというのは長らく圧倒的に男性に多いとされてきたワケですが、それは従来から知られている「外から見える」ASの具体的特徴が男性的であったからではないかと私は思っています。

そもそも、男性と女性は身体機能的に「別の生き物」であって、一緒に考えてはいけないと言うのが私の意見です。
だってそうでしょう、男女ともに性欲があるにしても、男性の性衝動が女性に理解できるとは思えませんし、女性の性欲を私が理解できるとも思えません。
ホルモンバランスの問題で女性特有の生理現象があるワケですし、それがどのくらい思考パタンに影響しているのかも分かりません。
小さいころからの遊び方・友達の誘い方の話は以前このブログでも話題にしたのですが、仮に両親が男の子を男の子として、女の子を女の子として扱おうとする後天的な男女差があったとしても、ちいさな子どもたちに男女差がキチンと傾向として現れるのは、そもそも持って生まれる性差による思考の差が確実にあるのだと私は思うのです。

例えば、男女で同じようにかかってしまうウィルス性の疾患でも、男性には効く薬が女性に効かなかったという事例があるそうです。
痛み止めの薬とか、大人3錠・子ども2錠とか、単純に大人の体格に対して子どもの体格では…という体積・体重での容量指定のものってあるじゃないですか。
それが子どもを含む男性女性全てに、ありとあらゆる分野共通で当てはまるとは、私にはとても思えないのです。

私がASDと診断されたのは、男性が多いとされるAS型のASDの特徴に当てはまる項目が多かったからだと思います。
では、ウチの次女は本当にPDD-NOS型のASDなのか?
もしかしたら、男性が多いとされるASって、症状が表に現れやすい男性しか研究されてないだけじゃないの?
もしかしたら、女性型のASって存在するのではないか?

私のイメージするPDD-NOSって、「良く分からないけど発達障害ね」って感じの診断に見えてしまうのです。
傾向として幾つか発達障害の特徴が見えるけれど、特定できるほど「これだ!」って言いきれないなぁ…という感じ。
これって、恐らく女性に対しての研究が進んでいないからではないか…と思ってしまうのです。

科学的な医療の現場でも、つい最近まで女性を「小さな男性」と見ていた部分があるのだと、薬の研究の話を聞いて知りました。

私は「男女では違う症状が出る」という発想で、発達障害を考え直した方が良いと思っています。
ASD傾向の女性は、特徴が内側に籠る傾向が男性よりも強いと思います。
特徴的な思考や動きが表に出てこないから、発見されにくいのではないかと思います。

すくなくても、私の知る限りのASD傾向の女性は、私のような男性型のASDとは違います。
それは、当事者の感覚としてASだとかPDDだとか、PDD-NOSだとか言う従来からの枠組みでは捉えきれない、表から見える症状だけで区切れない男女差みたいなものが明確にあるイメージです。

私は女性が対象の発達障害の研究が進むことを望みます。

旧ブログ アーカイブ 2019/8/3

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