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Episode 184 走れる場所を選ぶのです。

障害者を自転車の種類で例えた時、私は多分…ロードバイクでしょう。
そこそこのハイスペックでスピードも出る感じでしょかね。
但し、エンジンが自分のカラダなもので、自動車みたいに高速の長距離走行はできないのです。
でも、短距離スプリントなら車道走行の対応もできるし、普通に流す感じなら100km単位のロングライドも可能、車道左端でも気持ち良く走れます。
一方で、私は多分ママチャリかなぁ…って人もいるわけですよ。
スピードが出ない分、安定感があって、ドロヨケも付いてるしカゴもある。
日常のおつかいとかは、スピードが出ても荷物が積めないロードバイクなんかより、圧倒的にこっちの方が便利なのです。

これが個人の差なわけです。
そして、この差があるからこそ気持ち良く走れる場所も違うのだと思うのです。

片側2車線の道路をクルマで走っていて思うのは、片側1車線の道路を走る時もよりもスピードが出で快適に走れるってことです。
これ、裏を返せば片側2車線の道路の方が自転車で走る難易度は高いってことです。
ロードバイクならばこの「高速走行」向きの道路も走れるのでしょうが、ママチャリでは怖いだろうと思うんですよね。
幹線道路をビュンビュン飛ばすにはそれなりのスペックの自転車じゃないとね。

逆に街中の路地なんか、ロードバイクでは走りにくいのです。
常に前傾姿勢のライドポジションは安定して高速走行している分には問題ないのですが、スピードが乗るまでの不安定さと、周辺確認の難しさは決して街乗りには向きません。
更に言えば、カゴも無ければドロヨケもない。
買い物も難しいし、雨の日は水しぶきをモロに浴びるわけですよ。
こんな街中ではロードバイクのハイスペックを持て余すことになる…。

必ずしも高級でハイスペックなスポーツモデルが重宝と言うわけではないのです。
ゆっくり走らないと見落とす情報もあるわけです。
これが所謂「適所適材」ってヤツです。
例えば自転車で通勤するとした場合、最短ルートは片側2車線の幹線道路だけど…とした場合。
幹線道路は怖いから、もう少しゆったりとした道路を使おうとか、普通にそんなことを考えていると思うんですよね。

企業は自転車が走りやすいようにブルーラインの入った道路の整備を行っていくことが大事。
その一方で、私たちは自分のスペックと好みに合った道路を通ることが求められるわけです。
そこには車両左側通行の原則があって…の話です。

大きなトラックは街中の路地に入って来ません。
ちゃんと通れる場所を考えて通っているはずです。
私たちだって、自転車で無理やり高速道路に入るなんてしないワケですよ。

私、なんか難しいことを言っていますか?
障害者雇用の法律とかルールとか、どこか的外れなことを言っているような気がしてしまうのは、きっとこの根本的な「仕事」という行為に対しての発想からズレたところで議論が起こっているからだと思うのです。
私がこの社会に望むことは、小手先の問題を捏ねくり回すような目眩ませではない議論が進むことなのです。

旧ブログ アーカイブ 2019/3/17

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