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Episode 67 苦手をカバーするのです。

私、テストの成績は良かったんです。
算数も国語も、テストの成績だけは良かったんです。
それは多分、点数を取る「技術」を身に着けたからだと思うんですよね。

例えば…算数のテストって、まず先に計算問題が来て、その後に文章問題が続くじゃないですか。
計算問題は12問×5点=60点、文章問題は4問×15点=40点みたいな配点が一般的で、文章問題の方が配点が高いわけです。
私はこの文章問題から手を付けるようにしてたんですね。
だって、そっちの方が点数が稼げるじゃないですか。

でも…「問題をよく読んで」って部分はすっ飛ばしです。
太郎君はリンゴを10個買って1,000円払い、400円お釣りをもらいました。リンゴ1個の代金はいくらですか。
もうね、太郎君なんて眼中なくて、「リンゴ1個」しか見てないワケです。
いきなり計算式を立てて計算、答えが出てから単位を見るって感じです。

国語の文章問題もそんな感じです。
真っ先に見るのは設問の方です。
長文の中にある①これは何を指しますか。具体的に示しなさい。
①これを先に見て、その前の文章中に「これの正体」を探すのです。

文章を読むのが苦手な私は、長文を読むだけで時間が掛かってしまい、時間内に問題までたどり着けません。
これではテストで点数は取れないのです。
点数が取れることが良いことで、良い点数の答案用紙を持ちかえれば親と喜びを共有できるのです。
良い点数の答案用紙という物理的なモノを用意するには、点数を取る技術が必要ってワケです。
自分なりにテストの技術を編み出しちゃったってことです。
テストの点数を取るのに必要なのは、文章を読み解く能力ではなくて、設問を作った人が何を答えとして求めているかだって、気が付いてしまっていたんです。

文章を読む能力の低さをカバーする方法…どうやったら点数が取れるか?
使える能力を使って苦手をカバーすることを、発達障害をもつ人は小さい時から自然とやっているのだと思います。

苦手を押し上げるようにするのは基本的に難しいし、苦痛を伴います。
だから自然と得意を利用してカバーするように考えるワケです。
これはきっと、普通の人も同じだと思うんですよね。
ただ、発達障害を持つ人は得意と苦手の差が平均の枠内に収まらないことが多いのです。

だれだって食べ物の好き嫌いのひとつやふたつあると思うんですよね。
大好物があって、苦手がある…。
食べられなくはないけれど、好きじゃないってレベルが平均の範囲で普通の人なら、全く食べられないものがあるのが発達障害を持つ人って感じでしょうかね。

テストの点数だけをみればキチンと理解しているように見えても、実は苦手のカバーって努力があったりするのです。

旧ブログ アーカイブ 2018/11/20

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