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Episode 689 扱い方が「モノ」なのです。

今回はゆらり(@_yurariyurari_)さんのこのツイートから。

コレは前回のnote記事「『微笑み返し』ができません。」に対しての引用RTなのですが、ゆらりさんは「他者視点の弱さ故に対面するあなたとの距離感の掴み方に苦慮する」という可能性を指摘されているのですよね。
あぁ、なるほど…。
「他者とあなた」との関係性を「私とあなた」との関係性の参考にする…は、確かに私もあるよね。

ここ数回の記事でグルグルと考えながら書いてきたASD的な「他者視点がない(弱い)」と言うことが作り出す「自他境界の緩い世界観」という気付きは、私の自己探究のステップをひとつ上げる大きな出来事でした。
この仕組みを理解することは、私の過去のエピソードで記した「謎の行動」や「クセ」が、ASD由来のどんな副反応に由来するのか、その想像の幅を広げることになるだろう…と思ったのです。
それで今回、ゆらりさんが指摘された点を「他者視点がない(弱い)」からの「自他境界の緩さ」視点で見てみたらどうなるか…と。

私は以前に「私の不足する経験を物語や漫画から代用することがある」という記事を書いたことがあります。
コレね、コトが物理的な「モノ」であれば何の問題もないのですよ…要するに「調べ物をする」ということと同じなのね。
「あれ、そんなのどっかに書いてあったよな…」ってページを捲って、「あぁ、あったあった、これこれ!」
その絵や文章を参考にしてモノゴトを進めて行く…ASD者に限らず、料理などはこの類の方法で新しいレシピに挑戦することとか、珍しくないですよね。
ただ…ASDの私は、過去に「人を対象にしてこの方法を選択してしまう」というようなことがあったように思うのです。

冒頭のゆらりさんのツイートのように、私とあなたの関係は、誰かとあなたの関係ではないからね、私が誰かと同じことを物理的に真似ることは出来ても、あなたは「誰か」と「私」に同じ態度(対応)を取るとは限らないのですよね。
でも、その感覚が「スコン」と抜けてしまうのはどうしてか…と考えると「他者視点(人)に対しての興味のなさ」が見えるように思うのです。

このハナシのポイントは、あなたからの視点に着目しているのではなく、あなたのアクションに対する誰かのリアクションに着目しているのではないか…ということです。
「人を『モノ』のように考える」というと凄く聞こえが悪いですけれど、他者視点の理解が難しいということは、あなたのアクションに対して私がどのようにリアクションして良いかわからない…つまり「微笑み返し」の行動に難があるということです。
だから、私からの行動はアクションであることが必要なのだろう…と。

物理的なアクションを起こし、それに対するリアクションを見るということは、私の視点にあなたを引き込むための方法だということです。
逆にあなたが行うアクションに、私は対応する術を持たない、「微笑み返し」ができないとは、そういうことなのだろう…と。

だから、誰か対してのあなたの行動に、誰かがどのような反応を示したか…が、私の興味の対象になるワケね。
ここで注目している「距離感」とは、私はあなたに対してどのようなアクションをすることが望ましいのかということ。

ここ数回のnote記事で話題にしているのは、ASDの私が「持ち得なかったあなたから私への働きかけに気がつく能力(他者視点)」の代替品として、「あなたが私の視点でモノを見ること(自己視点)を求める」を使うことで起こるイロイロです。
私の場合、あなたを自己視点に引き込むために「モノ」への共通の理解をアンカーポイントにしたワケです。
その結果として、お互いに同じように「モノ」を見ることができるあなたと私は、同じ認識のもとにある…という感覚が生まれてしまう。

だとすると、あなたに対して誰かが行ったアクションを理解しようとした時、誰かと私の認識は同じを想定して、あなたに対して私が誰かと同じアクションをすることで同じリアクションを引き出そうとする…の可能性はあるよね。
私の行動にあなたの意思は反映していない、ここにASDの私が「人を『モノ』のように考える」ように見える理由が見えてくる…ではないか?

どうやら「他者視点がない(弱い)」を振り出しにした自己感覚の総点検(棚卸し)が必要になりそうです。
ASD思考の原点である「他者視点がない(弱い)」は、あなたとのコミュニケーションをポイントを作るために「私の行動にあなたの視点を引きつける」ことが必要になるから、行動のスタートは常にアクションということになるように、私は感じたのです。

リアクションが上手できないが故に他者観察と真似なのでしょうが、その距離感が上手く掴めない辺りにも「他者視点のなさ」と、それ故に起こる「自他境界の緩さ」が見え隠れするように思うのです。

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