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Episode 643 遊び心が必要です。

MBTI診断って知っていますか?

MBTIMyers–Briggs Type Indicator、マイヤーズ=ブリッグス・タイプ指標)は、個人がどう世界を認識し、物事への決定を下すかについての心理学的な選好を示すことを目的とした、内観的な自己申告型診断テストである。被験者は、外向型・内向型、感覚型・直観型、思考型・感情型、判断型・認知型の4つの二分法を掛け合わせた16の性格類型に分類される.。

Wikipedia より

ネットで「MBTI」と入力して検索すれば、ザクザクと無料診断サイトがヒットするほどポピュラーな性格診断テストなのです。
私はこれが大好きで…といっても、あくまでもエンタメ的性格診断の範疇のハナシなのですが。

実は先日、久しぶりにこのテストをやってみたのですよね。
その結果は実に意外なものでした。

以前は"ISTJ”型という「管理者」タイプという結果がしばらく続いたように記憶しています。
「性格診断」と言うと、個人の固有の…と思いがちですが、その考え方や心の持ち方に対する質問が多いMBTI診断は、診断した時点の「思考パタンと表現方法」にフォーカスしたものなのでしょう。
何れにしても、Webサイトの無料診断だけでは「エンタメの域」を出ないということは、ココロのどこかに留めておく必要はあるのでしょう。

そうは言っても…この診断、ズバズバと「あなたはこういう人」というところに切り込んでくるあたり、なかなか面白くて秀逸だと思うのですよ。

ここ最近、ASD的な「マスキング」についての記事を書いてきました。

このハナシの背景には、ASDは必要に迫られて「マスキング(≒擬態)」をすることを覚えるのか否か…という体験が、ASD当事者の性格形成に大きな影響を与えているのではないか…という気付きがありました。

その一方でASDのタイプ分けは、長くにわたりASDがまだ「アスペルガー症候群」と呼ばれていた時代の「積極奇異/受動/孤立」という3分類に収まることが多く、それについての当事者としての違和感を、私は常に感じてきたワケです。

そんな中、ちょっとしたヒラメキがあったのですよ…つい最近のことです。

添付した「答えが違って当然です。」の記事から、その元ネタとなったすぷりんと(@External_WM)さんとのその後のやり取りで、「擬態したくても出来ない」という事例をヒントにして、擬態をするかしないか、する必要がある環境か、する気があってもできるかできないか、そもそも擬態を必要とすると感じるのか…という点を考えると、ASD的な性格形成の概要が見えてくるのではないか…ってね。

定型発達者から私たちを見た時に、真っ先に見えるのは「目に見える現象」です。
発達障害を説明しようとしたときに、定型からはみ出す目に見える現象から研究が始まったのでしょう…それ故に事例を分類して整理したのがアスペルガー症候群の「型」だと思うのです。

note記事「これはOSのバグなのです。」より

記事でも指摘した通り、ASDの「型」というのは、外から見える現象を外から分類したもの…というのか私の意見です。
だから、それは客観的な見え方でしかなく、当事者としての私の主観は「型」に含まれないワケです。
おそらくASDの「型」に違和感を感じるのは、主観が反映されていないことによる外からの「決め付け」の匂いを感じるからなのでしょう。

それで、ASDの主観的な分類ってできないか…と考えた時に思いついたのが「MBTI診断」の手法です。

「MBTI診断」は、①外向型⇄内向型、②感覚型⇄直観型、③思考型⇄感情型、④判断型⇄認知型…という4つのパラメータの方向性から、性格を計16種類に分類するワケですが、ポイントになるのは「内観的な自己申告型診断テスト」だと言うことてす。
それをASD的な性質分類に応用できないか…というのが、私のヒラメキの正体です。

①周囲とのズレに気付く⇔気付かない
②擬態をしようとする⇔しない
③擬態をやったらできる⇔できない
④擬態を求められる⇔られない
…という、4つのパラメータを用意して「MBTI診断」のように質問に答えることによって自己申告することで、内面的な考えや感覚の分類ができないか…と。

もちろんコレは私の単純な思い付きの域を出ない発想です。
でも…「MBTI診断」のように、楽しみながら自分の内面を探るという仕掛けは、ASDの自己理解に必要な要素ではないか…と思うのです。

発達障害の診断が「ポジティブ」な表現と結び付くことは、極めて少ないのが現状なのだと思います。
だからこそ、「遊び心」のあるポジティブな仕掛けは、この先の発達障害特性の自己理解には大事なのだろう…と。

発達障害特性にアイデンティティを持つためには、きっとこう言うポジティブと思えるような仕掛けが必要なのだろう…と、私は思うのです。

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