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Episode 68 火が通れば平気です。

文章を読むのが苦手です…って言っているのに小説の話がちょこちょこと出てくるこのブログ、「なんか話のつじつまが合わないなー」って思われた方もいると思います。
実はこれにはワケがあるのです。

「普通」の日本語って、いくつかの種類の文字が組み合わさって出来ています。
具体的には「ひらがな」「カタカナ」「漢字」の3種類に、最近では英単語なんかが混ざることもあります。
実はこれがポイントだったのです。
私の逐次読みの傾向は、ある時「劇的に」改善します。
「普通」の文章はキチンと読めることが分かったのです。

ひらがなやカタカナは表音文字で、発音と文字は繋がっていても文字そのものに意味はありません。
一方で漢字は文字自体に意味がある表意文字です。
日本語の文章の中に漢字が入ることで意味が分かるようになったのです。
漢字のブロックが単語であると認識できる…でも言ったらいいでしょうかね。

日本語の文章は英文などと違って単語ごとにスペースが空きません。

ちょっと前に流行ったピコ太郎のPPAPですが…
「I have a pen. I have an apple.」… と続きます。
これを直訳日本語にすると…
「私はペンを持っています。私はりんごを持っています。」…になりますよね。
これをひらがなのみにすると…
「わたしはぺんをもっています。わたしはりんごをもっています。」…になります。

つまりですよ、ひらがなのみだと単語の区切りが見えないんです。
私はこれが苦手だったんです。
漢字やカタカナが入ることで日本語の文章に「強弱」がついて、記号にしか見えなかった文字が初めて文章に見えるようになったのです。

但し、それに気が付いたのはかなり大きくなってからでした。
苦手意識が先行してしまい、読むという動作を避けて通ることを体が覚えてしまっていたのです。

文字を一度「音声変換」しないと意味が分からないというあたりは、文章が読めるようになってからも変わりません。
小さいころからの読む訓練が足りていない私は、読めるようになったとはいえ読むスピードは決して速くないのです。

私は聴覚過敏の症状で、砂利を踏む音、砂を噛む音がみたいな類が苦手です。
その延長線上で、キュウリや漬物が苦手な食べ物です。
食べたときの「音」がダメなのです。
ところが…大の苦手である「キムチ」も、キムチ鍋になると美味しく食べられちゃうんですよね。
煮込んで「音」がなくなれば食べられるって話です。

私は、日本語もこの「キムチ」みたいな話だと思います。
漢字という火が通って、意味という味が出たのかもしれません。

旧ブログ アーカイブ 2018/11/21

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